健やかな美しさを身体の内側から育む「インナービューティ」。健康や美容への関心が高まるなか、紅茶に含まれる「紅茶ポリフェノール」にも注目が寄せられ、その働きや可能性について研究が進められている。
2026年10月21日には、11月1日の「紅茶の日」に向けて、一般社団法人ウェルネス総合研究所がメディア関係者向けセミナーを開催。糖化と老化の関係や、紅茶ポリフェノールが肌に働きかけるメカニズムを紐解いた。

最初に登壇したのは、昭和医科大学 内科学講座糖尿病・代謝・内分泌内科学部門 主任教授の山岸昌一先生。
山岸先生が解説したのは、糖尿病や肥満にも関係する「糖化」と、老化のメカニズム。糖化とは、体内のタンパク質に糖が結びつき、最終的にAGEs(終末糖化産物)と呼ばれる物質が生成される反応のこと。AGEsが体内に蓄積すると、臓器の老化を促すだけでなく、肌にも影響を及ぼす可能性があるという。
また、紫外線による酸化ストレスと糖化が重なることで、しみ・しわ・たるみや肌のバリア機能の低下などにつながることが懸念されている。
酸化を「サビ」、糖化を「こげつき」とイメージすると、その違いがわかりやすいという。どちらも身体の老化に関係し、並行して進むことから、日頃の食生活や生活習慣を意識することが大切だと述べた。
紅茶ポリフェノールには、AGEsの形成を抑える働きや抗酸化・抗糖化作用が期待されており、食後の血糖値や脂質の変動を緩やかにする可能性についても研究が進められている。
山岸先生は、紅茶を食後の飲み物としてだけでなく、食事の前や食事中に取り入れることを提案。毎日の食事に紅茶を組み合わせる「ティーファースト」を、新しい健康習慣として紹介した。
紅茶ポリフェノールが肌のうるおいを支える?

続いて登壇したのは、美容皮膚科・美容内科医の渡邉寛子先生。「本来の美しさとは、スキンケアや美容医療など、外側からのアプローチだけではなく、身体の内側の健康があってこそ生まれるもの」と語り、肌の状態を健やかに保つには、スキンケアだけでなく、食事やサプリメント、生活習慣を含めた総合的なケアが重要だと説明した。
とくに秋から冬にかけては、乾燥やカサつきなどの肌悩みが増えるため、肌の水分を保ち、外部刺激から守るバリア機能を維持することが大切になる。
講義では、肌悩みを抱える30~40代の女性を対象に、紅茶ポリフェノールを8週間継続摂取した試験結果も紹介された。肌から水分が失われる量を示す経皮水分蒸散量が有意に低下し、角層水分量は増加傾向を示した。さらに、しわの検出数や毛穴数の減少も確認されたという。

これらの結果から、紅茶ポリフェノールの継続摂取が肌のバリア機能や肌状態の改善に関係する可能性が示唆された。
飲むのは午前中がベスト。紅茶を毎日の習慣に

質疑応答では、紅茶の飲み方や適量についても質問が寄せられた。山岸先生と渡邉先生からは、余分な甘味を加えないストレートティーがおすすめとして紹介され、飲む時間帯は午前中、摂取量の目安は1日コップ3~4杯程度(合計約1リットル)という見解が示された。
また、紅茶ポリフェノールを意識するなら、食後ではなく、食前や食事中に飲むのがよいという。また、紅茶に含まれるカフェインには覚醒作用があるため、睡眠への影響が気になる人は夕方以降の飲用を控えるなど、自分の体質や生活リズムに合わせて調整するのが好ましい。
会場には、腕を装置に置くだけで皮膚の蛍光反応などからAGEsの蓄積の目安を測る、AGE測定の体験コーナーも設けられ、自身の糖化年齢に関心を寄せる参加者の姿が見られた。紅茶は、日々の暮らしに気軽に取り入れられる飲み物のひとつ。美容や健康のために特別なことを始めるのではなく、毎日摂取している飲み物から見直してみるのもよさそうだ。
今年の紅茶の日は、「ティーファースト」を意識して、身体の内側から美しさを育む習慣について考えてみてはいかがだろうか。
