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ニチコン株式会社は、太陽光発電と蓄電池とEVの3つのエネルギーを賢くコントロールするトライブリッド蓄電システムの第3世代モデルT5/T6シリーズを新たに発売するにあたり、都内で発表会を開催した。太陽光で発電した電力をトライブリッド蓄電システムT5/T6シリーズを活用することで、新商品発表会全体に必要な会場照明・音響・映像に関わる全ての電力を供給 。これは業界初の試みとなる。
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発表会当日はニチコン株式会社 代表取締役社長 森 克彦氏の挨拶から始まり、その後はニチコン株式会社 NECST事業本部エネルギーソリューショングループ蓄電システムビジネスユニット長 戸成 秀道氏より新たに発売するトライブリッド蓄電システム「ESS-T5/T6シリーズ」の紹介があった。
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昨今の太陽光発電義務化の流れや蓄電池のニーズの拡大、EVへのシフトが加速、高まる災害リスクなどで自宅の太陽光発電を自家消費で使うニーズは拡大。蓄電池やEV電池をどれだけ活用できるかがますます重要なポイントになっていると戸成氏は現状を説明した。
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トライブリッド蓄電システムは「太陽光発電」「蓄電池」「EV電池」の3つのエネルギーをコントロールできる業界初のシステム。「ESS-T5/T6シリーズ」などを家に備え付けると昼間は太陽光発電を蓄電池とEVに充電し、夕方から朝までに貯めておいた電力を家の電気に使える「家産家消」の暮らしが目指せる。
他にも自宅の太陽光発電でEVを充電し、EVを走らせることも可能。災害時の停電時でも蓄電池と大容量のEV電池があれば、数日間いつもどおりの暮らしを実現できる。これは自宅の太陽光発電を最大活用して電気代の削減やガソリン代の削減にもつながる。
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トライブリッド蓄電システムの導入メリットをまとめると、このようになっていると説明もあり、節約だけではなく、災害時のサポートやCO2削減による環境負荷軽減にもつながる。
トークセッション
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後半は「エネパ思考によるくらしの最適解」をテーマにトークセッションが行われた。エネパとはエネルギーパフォーマンスの略称だ。ニチコン株式会社 執行役員 NECST事業本部長 桃井 恒浩氏(写真左)、ニチコン株式会社 NECST事業本部エネルギーソリューショングループ 蓄電システムビジネスユニット長 戸成 秀道氏(写真中央)、FP事務所アイプランニング代表 飯村 久美氏(写真右)が登壇した。
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家計相談にものっている飯村氏は昨今の物価高で電気代やガソリン代のエネルギー価格の高騰もあり、家庭が厳しいという声を多くもらっていると話した。日本のエネルギーの自給率は13.3%、37位と世界でも低く、ほとんどを海外から輸入しているのが現状。世界情勢や為替の影響を受けてエネルギー価格は不安定になる。その結果、私たちの生活に直接影響を及ぼしているのだ。その解決策としてEVやZEH(Net Zero Energy House)の新築住宅があり、需要も増加傾向にあると飯村氏は説明した。
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最適な環境化でEVを充電した場合、その電力で走れる距離はどれくらいなのか?という飯村氏の質問に対して、例えば1日の通勤で往復20km, 週末のお出かけ含めて一週間で140kmとすると晴れた日に3時間、太陽光で充電すると約1週間もつのではないかと戸成氏は回答した。
月間、年間にどれくらいお得になるのか?という質問に対しては、一般的な家庭の電気代は年間で約20万円ほど。それに加えてガソリン代は年間7〜8万円となる。家庭で使う電気もEV車の充電も太陽光で蓄電したエネルギーでまかなうと、ほぼ0円になる。そのため、非常にお得でメリットがあると桃井氏が回答。
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EVと蓄電池の最大容量まで蓄電された場合、災害の停電時、どれくらいの期間をまかなえるのか?という質問については蓄電池では1日、EV電池では3日間となり合計4日間になり、更に太陽光があれば、新たに蓄電もできる。そのため蓄電池とEVの組み合わせは強いと桃井氏が回答。これもトライブリッドならではのメリットになる。
今後もEVや太陽光発電、蓄電池が増えていくことを考えると、このトライブリッドは効率的で家計に役立つ製品だと思う。今後もこのような商品やサービスを生み出し、社会に貢献していきたいと戸成氏がメッセージを残し、発表会が終了した。