近年の「地球沸騰化」により、農作物の不作や生乳不足、海洋環境の変化による不漁や過剰な豊作など、さまざまな食材が影響を受けている。そんな猛暑の影響を受ける事業者の応援を目的として、ふるさと納税ポータルサイト「さとふる」を運営する株式会社さとふるは、「ふるさとおー縁日」(ふるさとおーえんにち)を2024年9月11日・12日・13日の3日間で、東京スカイツリータウン 1Fソラマチひろばにて開催。
イベントでは今年の猛暑の影響を受けたお礼品を活用した屋台グルメの提供や、支援を必要としている事業者のお礼品販売が行われた。
このイベントの背景としては昨今の猛暑も大きい。さとふるが実施したアンケートによると近年の「地球沸騰化」により半数弱の事業者が「猛暑などの気候変動や自然災害による影響があった」と答えた。具体的な影響として「収穫量・生産量の減少」や「(傷物が増えたなど)収穫・生産物の変化」などが挙げられている。
まだ残暑が残る9月の東京スカイツリータウンには多くの観光客が訪れていて、地元の人含め、ふらりと縁日をのぞく姿がみられる。特に人気のお礼品販売の1つは昨年からの酷暑や降水量の減少によりサイズ不揃いや曲がりが大きくなるなどの影響を受けた茨城県行方市「紅はるか冷凍焼き芋(300円)」。味は通常品と変わらないのに、2本も入って300円とお得に購入できるのも魅力的だ。
気候変動で増加したカメムシなどの害虫によって傷がついてしまい、傷物が増えてしまったり、水不足で1つあたりのサイズが小さくなってしまうなどの影響を受けている長野県飯田市「南信州産の梨(500円)」も大人気。
暑さの影響で茶葉の収穫量が減少し、値上げを行わざる得ない状況となり、値上げした結果、販売量が減ってしまうなどの影響が出ている京都府宇治田原町「生どら焼き 宇治抹茶/ほうじ茶(300円)」。こちらは、その場で食べられる手軽なおやつとして購入する人もいる。
縁日ではキンキンに冷えたご当地サイダーなどが用意されていて、東京スカイツリータウンの散策中にその場で楽しむ人も多い。
猛暑や暖冬の影響で今年の福井の梅は不作となっており、平年に比べて3割程度出荷量が減るなど、業界全体に影響が出ている福井県若狭町「ウメラルサイダー(300円)」(写真真ん中)。
今年7月に発生した大雨の影響でスイカの名産地である尾花沢では収穫間近であったスイカが冠水し、収穫できなくなってしまうなどの大きな被害を受けている。こちらはそんなスイカの名産地の山形県尾花沢市「スイカサイダー(200円)」
他にも佐賀県鹿島市「焼きのり有明干潟育ち」、岩手県釜石市「岩手産カットわかめ」、福島県小野町「幸牛 黒毛和牛 モモ肉の水煮」など料理に使えて保存がきく商品の販売もある。
【ふるさとおー縁日 屋台グルメ】
“縁日”をテーマに屋台の出展もある。椅子と机が置かれ、座って食べられるスペースも用意されているのでその場で楽しめる。
「訳あり焼き芋onアイス」(500円)
販売品とした紹介した、昨年からの酷暑や降水量の減少により生育不良などの影響を受けた訳あり焼き芋の上に、猛暑により生乳が不足する中で生産された宮城県白石市の「フロム蔵王 バニラアイスクリーム(リッチミルク)」をトッピングしたオリジナルメニュー。焼き芋は冷やしているため、ひんやり夏ならではの味わいが楽しめる。
実際に食べてみると、濃密なお芋にコクのある濃厚アイスの甘みがさらにプラスされて極上のスイーツに。ベストな組み合わせでクセになる美味しさだった。購入しやすい価格なのもポイント。このお芋は実際に購入もできるので試食にもなるし、自宅でも試してみたいレシピだ。
他にも気候変動の影響で、傷物やサイズ不揃いになってしまったぶどうを活用したぶどう飴(400円)や「おうえんアイス」として数種類のアイスが用意されている。
「ふるさとおー縁日」の商品説明パネルにはQRコードがあり、それぞれのお礼品の情報が見れるようになっている。このイベントでは事業者が地球沸騰化でどのような被害を被っているのか知ることができた。このように知ることから始まり、ふるさと納税を活用することで、地域への応援に加え、気候変動で影響を受けて困っているお礼品提供事業者の応援にも繋げてみてはいかがだろうか。