キリンビール株式会社と、常陸野ネストビールを製造する木内酒造は、会員制生ビールサービス「キリン ホームタップ」において、まだない特別なビールをホームタップ会員とともにつくり上げるプロジェクト「WE CRAFT project」を始動させ、2つの試作品を完成させた。6月30日には、常陸野ブルーイング 東京蒸溜所にて試飲会が行われ、参加した会員は2つの試作品を飲み比べなどが行われた。
会員制 生ビールサービス「キリン ホームタップ」は、「つくりたての生ビールのおいしさ」を届けることを目的に開発が始まった。月2回ペットボトルに⼊ったビールが自宅に届き、専用のビールサーバーで注ぐことで、本格的な生ビール体験が⾃宅で楽しめるサービスとなっている。
「WE CRAFT project」とは、キリンビールと⽊内酒造、そしてビールを愛するホームタップ会員と共にまだない特別なビールを時間をかけてつくる新プロジェクト。最終的には 2024年12 ⽉にホームタップ会員のためのオリジナルビールの発売が予定されている。
プロジェクトの流れの1stステップではホームタップ会員を対象に「飲みたい・つくりたいビール」について意⾒を募集。2024年2⽉にホームタップ会員の中から応募抽選によって決定したアンバサダー20名と、ワークショップを実施した。
ワークショップから⽣み出されたアイディアや「飲みたい・つくりたいビール」のアンケートの声から、ビールのコンセプトについて複数の候補を選定し、その中からコンセプトが「国産素材の贅沢ピルスナー」に決定した。この「国産素材の贅沢ピルスナー」というコンセプトをもとに2種類の試作品が作られ、今回の試飲会で提供された。
一つ目の試作品(X)は「⻨芽由来のコクやうまみを存分に感じられるリッチな飲みごたえのビール」。⼿間と時間をかけた「トリプルデコクション製法」により、⻨芽のコクやうまみがしっかり感じられ、おいしい苦みやリッチな飲みごたえ、やや深みのある液⾊が特長となっている。
二つ目の試作品(Y)は「⻨芽のうまみとホップの華やかな⾹りがバランスよく楽しめるビール」。ホップを漬け込む「ディップホップ製法」で、ホップの華やかなアロマを引き出し、⻨のうまみがありながらすっきり飲みやすい味わいが特長。
コクやうまみをしっかりと感じられてリッチ感のあるXと、うまみがありながらもすっきりと飲みやすいYという、大きく異なる2種類。だが、どちらのビールも希少な⽇本産ホップである「IBUKI」が贅沢に使⽤されている点では共通していて、製法の違いなどのみで大きく異なる2種類のビールが出来上がる。
試飲会では、参加者がXからYへと試飲していき、1種類ごとに評価した。試飲が始まるとまるで試験会場のように真剣な雰囲気で評価が行われていった。総合的に2種類のどちらが好きか、というアンケートの結果が発表され、取材に訪れた回はXが9票、Yが10票でYが1票多かった。試飲会は複数回行われていて、合計で200名以上が試飲を行った。好きなビールの票は両方に割れているので、どちらのビールにも好きな方がいるようだ。
今後は、6月に行われたこの試飲会の結果を踏まえビールの本醸造に入る。7月のラベルデザイン投票などを経て、12月に投票結果が多い方のビールが発売予定。