人気漫画家・浅野いにおによる同名コミックをアニメーション映画化した『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章』(3月22日公開)がついに完成!その完成披露試写会が2月26日に都内で実施され、声優を務めた幾田りら、あの、そして原作者の浅野が参加した。
本作は浅野作品初のアニメ化。これに浅野は「僕はひねくれている人間で描く漫画もニッチなものが多い。そんな中で本作に関しては王道的な内容になっていたので、ここでアニメ化を断ったら生涯アニメに関われることはないだろうと即決で快諾しました」とアニメ化の経緯を説明。
そんな記念すべき作品で声優デビューを果たしたあのは「声に特徴があると言われることが多くて、元々声優業には興味がありました。こんなに早くお話をいただけて良かった」と大喜び。二度目の声優業となる幾田は「浅野先生からは『幾田さんの演じる門出がみんなの門出になるから、そのままでやってほしい』と言われました。緊張と責任を感じたけれど、その言葉を信じて演じようと思いました」と意気込み十分だった。
原作者としてオーディションやキャスティングにもコミットした浅野。あのの起用については「オーディションでのあのちゃんのテストで現場の雰囲気が一変した」と振り返り、幾田については「普通でありながらあのちゃんの横に並んでもバランスの良い人は誰かと考えた時に、この組み合わせ以上のものはないと思った。今日の並びを見てもバッチリ。オファーの際には『原作者がどうしてもと懇願しています』という言葉を添えました」と納得の起用だと説明した。
ちなみにこのキャスティングは2人の大ブレイク前に決まっていたことから、浅野は「お二人とも紅白に出ているんですよ!この作品が決まった後にYOASOBIが有名になって…。凄いと思いませんか!?ここまでなるとは僕も思わなかった。巡り合わせというか、たまたまです」と現在の二人の飛躍ぶりにビックリしていた。
一方、幾田は「初めて二人で演じたのが喧嘩するシーン。殴ったり殴られたり、台本にはない音を入れたりして難しかった」とあのとの初共演を振り返ると、あのも「二人が初めて揃うことから、満を持して!みたいな空気が現場にあった。変に緊張感を出している人もいてドキドキした。でも上手くいった感じはあります」と手応え。幾田が「お互いに音楽をやっているからか、間合いの相性が良かった」と好感触を持つと、浅野も「お二人は勘所が良い。非常に素晴らしい演技をしてくれました」と絶賛していた。
前章の主題歌『絶絶絶絶対聖域』と後章の主題歌『青春謳歌』はあのと幾田それぞれがフィーチャーリングして歌っている。あのは「僕はシャウトやデスボイスを使うのが好きなので、それを幾田りらにやらせたいと思った。グチャグチャな破滅とホノボノ願望を詰め込みたいと思って、歌詞もいまだかつてないくらい真剣に寝る時間を削って白目を剥いて書いて、本当に思い入れがあります。この曲で“ワル”幾田りらを引き出したかった」と狙いを明かすと、幾田も「はい、“ワル”幾田りらになりました」と新境地開拓を実感していた。
幾田は楽曲について「原作漫画を読み終えた時にどんな音楽が流れて来てほしいかを考えて、小山門出と中川凰蘭のくだらない日常会話が聞こえてくる曲が欲しいと思った。その思いを基に曲を作ってあのちゃんの声をイメージして歌詞を書きました」と解説。あのは「自分の楽曲にはない感じで、日常にもフィットしていつ聴いても心地良いと思えるメロディー。家でも口ずさんでいます。歌っていても楽しくて素敵な曲です」と気に入っていた。