2023年4月にオープンした〈しかしわがし古都〉。この店が今、紅葉を観に全国から集まる観光客や外国人観光客から注目を集めている。
一件、よくある抹茶ドリンク。でも、一口飲んでみると・・・。
京都でも有数の観光スポット清水寺へと続く、五条坂。多くの土産屋と住宅が入り混じる道をぶらぶらと歩くとたどり着くのが〈しかしわがし古都〉だ。
暖簾をくぐると白を基調とした落ち着いた店内には、思わず声に出して読みたくなる名前のドリンクと、和菓子が並ぶ。特に人気だというドリンクは〈わらびっちゃ〉〈しらたまっちゃ〉〈八つ橋っちゃ〉の3種類があり、抹茶・ほうじ茶・黒蜜着な粉豆乳から選ぶことが出来る。次にわらび餅、しらたま、八つ橋から具材を選ぶのだが、元々わらび餅の製造会社であるだけに、馴染みのあるプレーンや抹茶に加え、黒糖・焼芋・さくらと5種類ものフレーバーを取り揃えている。
昔ながらの製法で作られた和菓子が特殊技術で、新触感のドリンクに生まれ変わったのである。
「しかしわがし古都」を運営するのは、山口県に本社を構えるフードテック株式会社。創業当初からBtoB向けにお菓子の製造販売をおこなってきた同社が、ここ京都に店舗を構えたのはなぜだろうか。
「コロナ禍で飲食店などの影響に関する報道はよく目にしたものの、卸のメーカー等の情報はとても少なかった。しかし、我々製造メーカーも同じように苦しんでおり、売り上げ減はBtoCの会社よりも少し遅れてやってきます。従来通りのBtoBの商売のみでは、どうしても相手先の売上増減に左右されてしまうため、自ら自分達の商品を知って貰おう、もっとお客様の声を直に聞きたいと思い、2021年6月に山口下関市に自社店舗〈しかしわがし〉をオープンさせました」と、代表の瓜生氏は話す。
同社のドリンクを更に引き立てるのは以前より付き合いがあるという宇治市の老舗抹茶問屋〈北川半兵衛商店〉の抹茶とほうじ茶。京都へのオープンも様々な縁が重なり実現したという。
「以前から古き良き日本の文化や技術を大切にしてきた当社として、世界中の幅広い世代の方に和菓子の魅力を知って頂きたい、その良さを残しつつ、新しいお菓子の追求し、新たな分野への挑戦として ”ネオ和菓子” と位置づけた商品開発に取り組みました」
そうして出来上がった商品は、日本有数の観光地でもある京都で若い女性や外国人観光客を中心に話題となっている。
当社が目指す “和菓子” はどんなものなのか。
「ドリンクの他にも”賞味期限1時間のわらび餅”や、”溶けないアイス くずきゃんでぃ”など新しい和菓子の開発に挑戦しています。これまで和菓子に馴染みのなかった若い方や外国人観光客の方にも日本の素晴らしい文化を感じながら、少しでも皆さまの人生に甘さを加えて頂けたらうれしいです」
しかしわがし古都
〒605-0862 京都府京都市東山区清水4丁目190−1 シャトー清水 106号
075-708-8995
https://www.shikashi-wagashi.com/