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【クラシエ薬品】今年のトレンドは“気象病に漢方”。20年の歴史を紐解く「KAMPO OF THE YEAR 2022」


漢方薬を中心とした一般医薬品と医療用医薬品を販売するクラシエ薬品株式会社(以下クラシエ薬品)は12月1日、都内で「KAMPO OF THE YEAR 2022」記者発表会を開催しました。

草柳徹哉代表取締役社長は「漢方薬市場は時代の潮流を背景に、一般用も医薬用も継続して拡大している。漢方薬を通じて1年を振り返るきっかけになれば。市場の漢方薬の動きから生活者が抱える不調を読み解き、漢方を取り巻く今後の流れも予測したい」とあいさつ。クラシエ製薬株式会社ヘルスケア事業部のマーケテティング部長を務める西村英徳氏は過去20年の「データで見る漢方トレンドの変化」について解説しました。

2014年のテレビ番組がターニングポイント

西村氏はクラシエ薬品における漢方商品の販売構成比ランキングを2002年から発表。2002年から2006年代は風邪などの症状を改善させる「葛根湯」が約半数を占め、1位を獲得しています。3位には鼻水やくしゃみに効果が期待される「小青竜湯」、4位には腹痛などを抑える「柴胡桂枝湯」がランクインしており、20年前は「漢方薬=風邪への対処」というイメージが強い時代であったことがうかがえます。

2007年から2011年代になると肥満症に向けた処方の「防風通聖散」が台頭。構成比の約4分の1を占めるようになりました。「2008年に始まったメタボ健診が背景にあり、メタボリックシンドロームという言葉の広がりと共に肥満症関連の処方の需要が高まった」と西村氏は分析しました。

2012年から2016年代はまたしても「葛根湯」の需要が急増。西村氏によると、2014年に放映されたテレビ番組「林修の今でしょ!講座」で漢方薬が取り上げられたことも起因しているそう。林先生の流行語やプレゼン力も相まって「葛根湯」以外にも「足のつり」や「蓄のう症」などにも注目が集まり、「風邪や肥満以外でも漢方薬が有効」と認知される年となりました。

ニーズが多様化されたのは2017年から2021年代。新型コロナウイルス感染拡大により、人々はこれまで以上に対策を施すようになりました。それにより、漢方風邪薬マーケットは縮小。一方でストレス不調や不安神経症など、様々な症状への対応が漢方薬に期待される時代に。二日酔いや気象病などに有効な「五苓散」、ストレスや喉のつかえに効く「半夏厚朴湯」が初めてランキング上位に顔を出しました。

若年層の漢方需要が拡大

漢方薬による対処は風邪からメタボ、多様化される不調へと遷移。そして、2022年のトレンドキーワードは「気象病」です。近年、天気によって発現する不調の存在が認知されてきています。「気象病という言葉が広まったことで、マーケットも拡大した。特に『五苓散』は2022年に大きく売上を伸ばしている」と西村氏は話していました。

コロナ禍により、漢方薬への注目度は高まっています。中でも興味深いのが若年層の漢方需要拡大です。ひと昔前まで「漢方といえば高齢者が購入するもの」というイメージを抱いていた人もいるのではないでしょうか。しかし、コロナ禍によって「漢方」というワードの検索数が急激に上昇。特に20代、30代の男性がコロナ対策として購入しているとわかっています。

草柳社長は「対処の難しい精神系症状をはじめ、全神経症状や呼吸器障害、消化器系症状に対する漢方薬の可能性に注目が集まっている。生活活動のオンライン化などが進んだことで漢方をもっと身近にして、日本を元気にしたい」と語りました。

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