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「農福連携」「医療」「環境」。“テクノロジーで未来を創る”PwC財団が本格展開スタート


社会課題解決に取り組む団体を対象に助成金交付などを行っている公益財団法人PwC財団(東京都千代田区)は6月3日、都内でメディア発表会を開催しました。

同財団は2020年5月に一般財団法人PwC財団として発足。農業と福祉の連携を目指した助成事業を実施した後、2021年5月に公益財団法人へ移行しました。その後、医療や環境の分野へ助成事業を行うなど、精力的に活動しています。

安井正樹代表理事は「社会課題解決において、財団というフォーマットは面白い仕組みではないか。資金が必要な団体に対する投資ではなくグラント。これまでの活動が成功したことにより、このほど本格展開をスタートさせる」と話しました。

「解くべき課題を設定する」、「テクノロジーを活用した課題解決の仮説を立てる」、「プログラムオフィサーを任命し、伴走して課題解決を目指す」というのがPwC財団の特徴。また、助成対象となる団体は「まだカバーできていないフェーズにある」、「インパクト創出の可能性を秘めている」、「中長期的、波及的効果が見込める」ことです。2020年11月に展開された助成事業「人間拡張技術を活用した農福連携」はまさに、好例と言えるでしょう。

障がい者や高齢者がスマホで農業体験

遠隔地からリアルタイムで農業に参加できるサービスによって「都市一極集中型の社会構造」、「地方の農業従事者数の減少と高齢化」、「障がい者の社会参画機会の制限と低賃金」という社会課題解決を目指したプロジェクトがスタート。助成先に選ばれたのは、人間拡張の支援ツールなどを開発するH2L株式会社(東京都港区)でした。

新たに開発されたのは、細かな農作業を可能にするロボットの一部や、誰もが簡単に操作できるスマートフォンアプリ。これにより障がい者や高齢者、農業に参加したことのないユーザーでも、現場に足を運ぶことなく農業体験が可能となります。ユーザーはスマートフォンアプリから農作業ロボットにジェスチャーを指示。アームを制御することで肥料の散布や収穫を行うことができるシステムです。ハードウェア、ソフトウェアの開発後はオンライン体験会を実施するなど周知活動。また、実際の農地で試験も行いました。

PwC財団の活動が本格展開されることにより、農福連携プロジェクトも加速化。産官学を巻き込んだ継続実証実験、遠隔農業サービスパッケージ化、高重量農作物の省人化などを視野に入れています。

「医療」、「環境」におけるプロジェクトも同時に推進しており、まさに活動は本格化しています。PwC財団はサスティナブルな未来社会実現に、必要不可欠な存在と言えるのではないでしょうか。

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