4月21日、恵比寿ガーデンプレイスセンター広場にて「True Colors CARAVAN」出発式が開催された。
同イベントは、パフォーミングアーツを通じて、障害・性・世代・言語・国籍など、個性豊かな人たちと一緒に楽しむ「True Colors Festival 超ダイバーシティ芸術祭」を、日本全国に広げる取り組み。今回の出発式を皮切りに、札幌、仙台、名古屋、大阪、広島、福岡の計6カ所でイベントを行う。
イベントには、総合司会を務める乙武洋匡、ryuchellなどが出演した。
オープニングでは、日本人初のクランプダンサーやバレエダンサー、車椅子DJなど多種多様な9名によるパフォーマンスが行われた。
パフォーマンス後、ステージに登場したryuchellは「乙武さんと一緒に二人のMCってなかなか無くないですかー?」と質問を投げかけると、乙武は「楽屋ですごいことが判明しました。お互い、イベントのMCやったことある?ってryuchellに聞いたら『ぼく初めてなんです』って。俺もないのよ。どうするどうするってなって」と返答。ryuchellは「ほんとそうなんです。MC不慣れなんですけどよろしくお願いします」と挨拶していた。
また、ラジオ番組「SCHOOL OF LOCK!」のパーソナリティを務めているEXILE TRIBEのダンサー・小森隼とタレントのぺえがスペシャルゲストとして登場。そのほか、ロックバンド・SUPER BEAVERの渋谷龍太、アイドルグループ・豆柴の大群のナオ・オブ・ナオとハナエモンスターも登壇し、「違いについて」というテーマについて語り合った。
同番組は「True Colors Festival」とコラボレーションしたコーナーも放送。小森は「視力の障害を持たれてる方で白杖を常に使っている方がいるんですけど、全く見えていないわけではないと。僕たちからすると過剰に反応してしまったりする場合もあって、でもその時々に感じることは違うから、お互いにやりたいこと、助けられることもあるんじゃないか」という様に声にして届けていると話した。
当コーナーを放送していて感じたことなどについて、ぺぇは「いろんな境遇の中で悩みながら生きている子たちの話を聞きながら、私たちもどこまでの多様性を認め合うべきなのかとか、どこからの多様性は認め合うべきじゃないのかとか、そういうことを考えながら、向き合いながら考える良い時間になってる」と語った。
テーマである違いや多様性について、渋谷は「自分たちが学生の頃からそんなに変わってないことなのかなと思うことが多い中で、そもそも人と違うっていうことにフォーカスを当てるのは少し自分の中で違和感があって、そもそもが全員違うっていうところから始まってるはずなのに一つフォーマットみたいなもので“こうであるべきだ”っていうものが出来すぎちゃっていて。そこから逸脱したりとか違う考えを何か発信するってことが一種の悪みたいになってしまっているようなことが、ちょっとおかしいのかなという風に思っています」と独自の理論を展開した。
渋谷のコメントに対して乙武は「音楽のジャンルもロックなんですか?ポップスなんですか?って、そういうのも先にジャンルありきで決めちゃってそこから正にズレていくのかどかっていう話になって。そもそもいろんな色があっていいんじゃないって話ですよね」と共感していた。
ナオ・オブ・ナオは「今の時代ってSNSが主流になっていて、何を伝えるにもSNSで自分の言葉で発信する時代だと思うんですけど。でも、同じ言葉、文字だけで受け取る解釈が人によって違ったりするので、自分は本当はこう伝えたかったのにっていうことがあっても、違う受け取り方をされてしまうことが実際に私たちもあって」と吐露。
続けて、「例えば今はツイッターだと今は音声メッセージができるようになったりとか、自分の感情と一緒に言葉を伝えられてることで、自分の文字だけじゃなくて本当に思ってることをいろんな人に伝わっていってるんじゃないかなと思います」と、SNS上でのコミュニケーションについて説明した。
ハナエモンスターは「違いを個性ととらえるのが大切だなと思ってて、私は学生時代の時にみんなと同じがイヤで、校則とかで一緒にしないといけないことがたくさんありますけど、それに抗ってきた人間だったので。その違いっていうのを、お互いに認め合ったり個性として扱っていけたらもっと面白いことができるんじゃないかなっていうのは昔から思ってました」と、自身の学生時代を振り返りながらコメントした。
「SCHOOL OF LOCK!」出演者は、この日のイベントで感じたことを番組内と同様に黒板に記した。ナオ・オブ・ナオは「十人十色」、ハナエモンスターは「正解はない」、渋谷は「それぞれ!」、ぺえは「結婚」、小森は「表現する」と発表した。
イベント終盤でのダンスバトルにて、ryuchellはゆったりとした盆踊りを思わせる沖縄の踊りのカチャーシーで参戦。イベント後の囲み取材でダンスの感想を聞かれると「結構恥ずかしいと思って緊張したんですけど“True Colors”だし、やっぱり自分のジャンルを出そうと思いついたのがカチャーシーで、カチャーシーを心を込めて踊りました。やっぱり、自分の好きなものとかを表現するって、より心が開いてみんなと打ち解けられるというか、人と繋がるためには自分から心を開くって大事じゃないですか。ダンスは心を開いてみんなと絆が深まった気がして楽しかったです」と振り返った。
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Fujisan.co.jpより