日本では、離婚を扱ったり、離婚している両親と子どもというシチュエーションの絵本はほとんどございません。まだまだ、日本では、親の離婚は子どもにとってタブーとみる傾向があるようでございます。
とはいえ、離婚の数、離婚家庭は増えております。小さな子ども持つ親は、離婚を子どもにどう説明すればいいのか…。悩みの種でもございます。
そんななか、人気タレントのSHELLY(シェリー)さまが、離婚の際、当時3歳だった娘さまに読み聞かせた絵本が話題になりました。それが、「LIVING WITH MUM AND LIVING WITH DAD」という絵本。別居(引っ越す)する前に読み聞かせ、その時に娘さまはシェリーさまのことをギュッと抱きしめてくれたそうでございます。
英語だと離婚に関する絵本も多く、絵本好きのシェリーさまは、その絵本を見つけ読み聞かせたのではないかと。そのまま英語で読み聞かせたのか、それとも翻訳して読み聞かせたのか気になるところでございます。たぶん、英語で読み聞かせたのではないかと。
このエピソードはネット上でも話題になっており、この絵本の翻訳本がでたらいいなぁと思っておられた方も少なくないのではと存じます。
ちなみに、作者のメラニー・ウォルシュさまは、テキスタイルデザイナーとして活躍。その後、絵本作家に転身。1996年に双子の息子さまが生まれた直後に、初の絵本を出版、その後約50冊の絵本を出版。日本でも「ぼくはスーパーヒーロー」(岩崎書店)など何冊も翻訳絵本が出版されております。そんなこともあり、翻訳本が出版されないかなぁと思っておりましたら、なんと!翻訳本が出版されました。それがこちら。
『ママのうちとパパのうち』(作:メラニー・ウォルシュ 訳:おおはまちひろ
出版社:光文社)
残念ながら翻訳はシェリーさまでは、ございませんが、絵本の帯はシェリーさまの顔写真と「SHELLYさん推薦!」の文字が記されております。
お話は、両親は別々に暮らしている小さな女の子が主人公。パパの家、ママの家でそれぞれ過ごす時間を「仕掛け絵本」の仕掛けを上手く表現されております。
センシティブなテーマではございますが、主人公の女の子が、周りからたっぷり愛情を注がれている、そんな様子が伝わってくる絵本でございます。
ご興味のあるかたは、是非一度、お手にとってみてはいかがでしょう。
(文:絵本トレンドライター N田N昌)