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家庭・生徒・講師が三位一体になった教育が、子供と親の関係にもよい影響を与える「尚学舎」の強みとは



今回お話しを伺ったのは。東京都渋谷区で小中一貫の進学塾、尚学舎を経営している塾長の本村一貴さん。家庭・生徒・講師が三位一体となって、生徒の才能を最大限に伸ばす教育方針について聞いた。


もともとは家庭教師をしていた本村さん。優れた指導内容や実績などが口コミで伝わり生徒が次第に増えていった。そのうち週6日の時間がすべて埋まってしまい、塾を開いてほしいという要望に応える形で起業したのが尚学舎の始まりだ。その際に取り入れたのが、授業後にその日の様子を綴ったメールを生徒の親へ送るというものだった。家庭教師をしていた頃、勉強が終わると生徒と親を交えて食事をごちそうしてもらうことが多かったという。その際に、その日に教えた勉強の内容や生徒の様子を、たっぷり時間をかけて親に話すことで、親も生徒も自分達が置かれている状況を把握することができた。そして、生徒と親が理解し合うことが安心感を生み、受験に関する家庭内での問題は起こらなかった。


このときの体験が家庭・生徒・講師が三位一体となる教育方針の基盤になっていると本村さんは話す。塾は家庭とは別のところで勉強を教えるので、生徒の親に対して塾で何があったのかを伝えないとさまざまなズレが生じてしまう。尚学舎が親へ送るメールの内容には、授業の内容や成績はもちろんのこと、元気があったとか疲れていたといった生徒の精神状態など、あらゆる情報が盛り込まれている。親は自分の子供が塾で辛いことがあったとか、思ったような成績が取れなかったといったようなことが分かるので、その時々に応じて子供に対してしなければいけないことが分かるようになる。こうした連携が三位一体となり、受験成功に向けてのストーリーを紡いでいく。このストーリーに、親も積極的に参加している意識が持てる点が大きなポイントになっている。



本村さんは、親が子供を思う愛情というのは、子供に対して関心を持つことによって生まれると断言する。親が子供に対してより関心を持つと、それが子供の安心感につながる。まずは勉強云々の前に、子供に対して愛情をたっぷり注がないといけないと説く。尚学舎は子供をちゃんと見てほしいという要望を親に伝えることで意識が一本化し、他の塾ではありがちな“塾対親”といった問題も起こらないという。


もともと家庭教師から出発しているため、本村さんは他の塾がやっていることを意識したことがない。生徒のことを思い良い先生になりたいと思ったことで、生徒が求めているものは何なのかを追求していった。そこには自身の子育ての際に、父親とは何なのかと自問自答した経験も影響している。本村さんが思うのは、子供に対して何かを教えている限りは親だということ。勉強でもスポーツでも料理でも何でもいい。何か教えることがなくなった瞬間に親が親でなくなってしまい、現在では小学校高学年ぐらいから親ではなくなっている人も多いのではないかと危惧している。まずは勉強を教える前に子供に関心を持つこと。関心を持ちつつ、何か手伝えることがないのかを考えることで親と子供の絆は深まっていくのだと信じている。

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