
直木賞作家・千早茜のロングセラー小説を原作に、主演に松岡茉優、共演に成田凌を迎え、言葉では言い表せない男女の曖昧で確かな関係性を描いた三島有紀子監督の最新作『男ともだち』が、11月6日(金)より公開。本作は第39回東京国際映画祭 コンペティション部門にも選出されています。
本作は、松岡茉優演じるイラストレーター・神名と、成田凌演じるハセオが過ごす“3つの夜”を通して、神名が自身と向き合い、人生が少しずつ変化していく様を描く。ともに大学時代を過ごし、現在も神名が暮らす街・京都で二人は7年ぶりに再会。神名とハセオは、空白の時間を挟んでもなお、かつてと変わらない温度と独特の距離感で二人の時間を過ごす──。
三島監督は本作の舞台の軸となる京都という街の役割について、「京都は、神名とハセオの過去を物語ってくれる存在だと思っています。だから、以前二人が過ごした場所を巡っていく中で、思い出話が自然と生まれるんです」と説明。その上で、「観光地的な京都ではなく、神名とハセオの自然なかけ合いが生まれる場所を探しました」とロケーション選びのこだわりについて明かしました。

神名とハセオが偶然再会をする嵐電の車内や、思い出話に花を咲かせる鴨川の河川敷、学生時代に二人が通っていた京都の老舗ラーメン店、さらには夜通し語り合った末に辿り着く蹴上インクラインなど、本作には京都を代表する観光名所だけではなく、ひと味違う、地元の人々の生活に溶け込んだ場所が数多く登場します。こうした場所が選ばれた背景には、三島監督自身と京都との深い縁も関係しているのです。かつて京都で暮らしながら、東映京都撮影所で助監督として働いていた三島監督は、「自分が東映京都撮影所で映画を勉強させてもらっていた時代があったので、2年ぐらい京都に住んでいたんです。まさに本作の撮影をした四条大宮に暮らしていたので、観光というより、暮らしていらっしゃる人たちが誇りに思う場所は、どういうところなのかなと思いながら撮っていました」と語ります。

さらに、映画監督に転身する前は、ドキュメンタリー制作に携わっていた三島監督は、人間の内面や言葉にできない心情の揺らぎなど繊細な心の機微を描くことを得意とします。だからこそ本作でも、京都の街並みを単なる背景として捉えるのではなく、その場所に身を置く神名やハセオの会話や仕草、そして、二人の間に流れる独特で絶妙な空気感までをも映像に映し出しています。こうした京都の日常に根差したロケーションと、三島監督の細やかな人物描写が組み合わさり、神名とハセオの関係性にリアリティをもたらしています。

京都に暮らすイラストレーター、神名。30歳を目前にした彼女は人生に静かな行き詰まりを感じていた。絵本で賞を獲り脚光を浴びたのは何年も前、最近は無茶なクライアントワークに神経をすり減らし、惰性続きの不毛な恋愛に逃げる日々を送っている。同棲中の恋人・彰人とは会話もほとんどなく関係は冷めていく一方、妻子ある医師・真司と逢瀬を重ねるも満たされはしない。そんなある日、神名の元に大学時代の先輩・ハセオから突然電話がかかってくる。昔から自分勝手で人間関係に不器用なのは自覚している神名だったが、出会った頃からなぜか深く理解をしてくれる“男ともだち”と7年ぶりに再会。あの頃も今も変わらない温度で接してくれるハセオと過ごす、京都、富山、広島での“3つの夜”が神名の人生を大きく動かしていく。
心をざわつかせ、ひりひりと紡がれる――そこにしかない男女の曖昧で確かなつながりを、甘く、苦く、せつなく描く映画『男ともだち』は11月6日(金)より全国ロードショー。

(C)2026『男ともだち』製作委員会
