
スマホやモバイルバッテリー、ハンディファン、ワイヤレスイヤホンなど、毎日のように使っている充電式の製品。こうした身近な製品に使われている「リチウムイオン電池」が、思わぬ火災事故につながることがあります。
11月2日、東京都内で環境省主催の「リチウムイオン電池による火災防止シンポジウム2026」が開催され、ごみ清掃芸人としても活動するマシンガンズの滝沢秀一さん、タレントのゆうちゃみさんがゲストとして登壇。

滝沢さんが明かしたのは、実は身近な充電式製品が引き起こす、ごみ収集現場の驚くべき実態。さらに、毎日使うスマートフォンやモバイルバッテリー、ハンディファンなどを火災から守るために、知っておきたい注意点も紹介されました。
「ぼや騒ぎは日常茶飯事」ごみ収集現場で起きている火災の実態
ごみ収集の現場で、リチウムイオン電池等による火災はどれほど起きているのでしょうか。
環境省の調査によると、2025年度に全国の市町村で確認されたリチウムイオン電池等に起因すると疑われる火災事故等は、発煙・発火を含めて3万9282件。そのうち、自治体職員や消防隊による消火活動が行われたものは9456件に上ります。
約15年にわたってごみ収集の仕事に携わってきた滝沢秀一さんは、現場の状況について「ぼや騒ぎみたいなことは日常茶飯事ですね」と話します。

会場では、実際にごみ収集の現場で撮影された火災の写真も紹介されました。

「『またあそこ、煙が出てる』みたいなことも結構あります」と滝沢さん。
小型家電をタオルでぐるぐる巻きにして捨てるなど、不適切な出し方をされると、収集する側も気付けないことがあると伝え、まずは正しい捨て方を知ってほしいと呼びかけました。
火災による被害は100億円規模に。小さな電池が招く大きな損失
ごみに混入したリチウムイオン電池は、収集車や処理施設で圧縮された際に破損し、発火するおそれがあります。
国立環境研究所の研究を基にした環境省資料では、2021年度に発生したリチウムイオン電池等に起因する廃棄物処理施設などの火災事故による被害総額は、約96億円から約108億円と推計されています(施設の停止中に他自治体へ処理を委託した費用も含む)。
小さな電池の混入が、ごみ収集の現場だけでなく、処理施設や自治体にも大きな被害をもたらしているのです。
異常な熱さや膨らみに注意。いつもと違うと感じたら使用を中止
では、普段使っている製品を安全に使うには、どんな点に気を付ければよいのでしょうか。
シンポジウムでは、総務省消防庁消防研究センターの尾川義雄さんが、電池内部の構造や発火の仕組みを解説しました。

リチウムイオン電池は、落下や圧迫、経年劣化、製品の不具合、高温環境などが原因で発熱・発火するおそれがあります。
特に、次のような異変に注意しましょう。
・いつもと違って異常に熱くなる
・本体やバッテリーが膨らんでいる
・変形している、異臭がする
異変に気付いたら使用を中止してください。また、落下やバッグの中での圧迫にも注意が必要です。
滝沢さんは充電中に発火するリスクに備え、「充電しているときは寝ないこと、そして外出しないこと」と注意を呼びかけました。
これに対し、ゆうちゃみさんは「むずい、むずい!(充電したまま)出かけちゃってます」と驚いた様子を見せました。

また滝沢さんは、充電していない製品も発火するおそれがあるとして、万が一に備え、ふた付きの「せんべいの缶」に入れて保管するなど、自身の対策も紹介しました。
リチウムイオン電池の正しい捨て方
リチウムイオン電池や電池を内蔵した製品は、一般ごみに混ぜて捨ててはいけません。
回収方法は自治体によって異なるため、「〇〇市 リチウムイオン電池 捨て方」などと、居住地名とあわせて検索して確認しましょう。

膨張・変形した電池は、通常の回収方法では出せない場合もあるため、自己判断でごみに出さず、自治体やメーカーに確認してください。
火災を防ぐために大切な「3つのC」
環境省では、2026年10月から12月までを「リチウムイオン電池による火災防止強化キャンペーン」期間とし、特に11月を「リチウムイオン電池による火災防止月間」として、啓発活動を行っています。
環境省の國分綾希子さんからは、関係省庁や自治体、事業者などと連携し、火災防止や適切な回収・処理に向けた取り組みを進めていることが紹介されました。

キャンペーンで呼びかけているのは、「賢く選ぶ(Cool choice)」「丁寧に使う(Careful use)」「正しく捨てる(Correct disposal)」という3つのCです。

また、幅広い世代に火災防止について知ってもらうため、人気アニメ『ちびまる子ちゃん』とコラボした啓発ポスターも制作。全国の店舗や公共施設などで掲示する取り組みも進めています。

製品を選ぶときは安全性を確認し、使うときは衝撃や高温を避ける。異変があれば使用を中止し、捨てるときは自治体のルールに従う。
スマホやモバイルバッテリーなど、身近な製品に潜む火災リスク。自分や家族が使っているものを一度確認し、選び方・使い方・捨て方を見直してみてはいかがでしょうか。
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なくそう!リチウムイオン電池の火災
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2025年5月に火災が発生した産業廃棄物処理施設を取材した啓発動画を公開。
たった数個のリチウムイオン電池による被害と、それを防ぐためにわたしたちにできることを知って、考えてみて下さい。
https://t.co/VjSTDumTKP
#リチウムイオン電池 #火災防止月間 https://t.co/fU0GX9EzjS—環境省 (@Kankyo_Jpn) November 20, 2025
