
バンッ! 乾いた轟音が響き、火縄銃の銃口から白い煙がブワッ! 甲冑に身を包んだ鉄砲隊が一斉に銃を構える姿は、まるで時代劇のワンシーンです。
ここは、天下分け目の戦いとして知られる「関ケ原の戦い」の舞台、岐阜県関ケ原町。
慶長5年(1600年)9月15日、徳川家康率いる東軍と石田三成率いる西軍が激突したこの地では、毎年9月15日に「のろし再現」や「関ケ原鉄砲隊」による演武が行われています。
もくもくと煙が立ち上る! 地域の人たちがつなぐ「のろし再現」

9月15日の朝、竹林に囲まれた坂道を上り、向かったのは「岡山烽火場(おかやまのろしば)」。到着すると、もくもくと煙が立ち上っていました。

岡山烽火場は、黒田長政と竹中重門が陣を置いたとされる場所。標高164mの高台にあり、関ケ原の戦場を見渡せます。
ここで再現されるのが、戦国時代の情報伝達手段だった「のろし」です。
スマートフォンどころか、電話もない時代。煙は、離れた場所にいる味方へ敵の動きや戦況を知らせる大切な合図でした。
実際に煙を上げて再現することで、教科書の中の歴史がぐっと身近に感じられます。
バンッ! 火縄銃が一斉発射。鉄砲隊の演武がすさまじい

そして、もうひとつの見どころが「関ケ原鉄砲隊」による演武です。
午前8時、ブオオーッというほら貝の音を合図に、いよいよ演武がスタート!

甲冑に身を包んだ隊員たちがずらりと並び、火縄銃を構えます。
ピンと張り詰めた空気のなか、合図を待つ隊員たち。火縄銃を手にした姿は、まさに戦国時代から飛び出してきたかのようです。

「狙うは笹尾山、放て!」―鉄砲大将の合図とともに、バンッ! バババンッ!

けたたましい発砲音が響き渡り、銃口から白い煙がブワッと広がります。演武で使用されるのは空砲ですが、それでもお腹に響くような音と煙の迫力には圧倒されてしまいました。
ずらりと並んだ火縄銃、重厚な甲冑、発砲の瞬間に広がる煙。目の前で繰り広げられる演武は、ものすごい迫力です。
ところが、驚いたのは演武そのものだけではありません。
関ケ原鉄砲隊の隊員たちが身につけている火縄銃や甲冑は、なんと自費で購入しているのだそう!

のろしを上げる「関ケ原もりあげ隊」も、火縄銃を撃つ「関ケ原鉄砲隊」も、地域の人たちによる有志の集まりです。
400年以上前の合戦を、今この場所で体感できるのは、こうした人々の熱意があるからこそなのだと感じました。
▼火縄銃の轟音と煙を動画でチェック!
もっと知りたくなったら「岐阜関ケ原古戦場記念館」へ!

©岐阜関ケ原古戦場記念館
続いて訪れたのは、関ケ原の戦いを映像や展示で学べる「岐阜関ケ原古戦場記念館」。
1階の目玉は、臨場感たっぷりのシアターです。

©岐阜関ケ原古戦場記念館
横幅約13mの曲面スクリーンに迫力満点の合戦映像が映し出され、風や振動などの演出も加わって、まるで戦いの真っただ中にいるよう!
正直、歴史にあまり詳しくなかった筆者も、映像を見ているうちに関ケ原の戦いの全体像がぐっとつかめました。
2階の展示室には、合戦にまつわる貴重な資料や武具などがずらり。戦国武将になりきって記念撮影ができるフォトブースもあり、楽しみながら歴史に触れられます。

戦国グルメも見逃せない! 武将カレーに限定スイーツも
記念館に隣接する別館には、レストラン&カフェ「伊吹庵」があります。

©岐阜関ケ原古戦場記念館
こちらで味わえるのは、関ケ原の戦いや戦国武将をモチーフにしたユニークなメニューの数々。
今回いただいたのは「戦略武将カレー」です! 戦国ではなく、戦略。

岐阜県産の「ハツシモ米」を使用した一皿。牛肉は、戦国武将がじっくり“戦略”を練るように、時間をかけて煮込まれてトロトロに! 思わずうなるおいしさでした。
さらに、「関ケ原合戦の日」を記念し、徳川家康や石田三成をモチーフにしたパフェやソフトクリームも限定販売されていました。


武将の個性を表現した見た目も楽しく、食べるのがもったいないほどのクオリティです!
年に一度、関ケ原で歴史が動き出す!

©岐阜関ケ原古戦場記念館
のろしを上げる人たち、火縄銃や甲冑を自らそろえ、演武を通じて歴史を伝える人たち。関ケ原の歴史は、今も地域の人々の手によって受け継がれています。
のろし上げと関ケ原鉄砲隊の演武が一度に見られるのは、年に一度、9月15日だけ。町内には武将の家紋や旗印をあしらったのぼり旗が掲げられるなど、戦国時代の風情を感じられる景色も広がります。
歴史を体感し、武将たちの足跡をたどる旅へ。関ケ原を訪れてみてはいかがでしょうか。
●岐阜関ケ原古戦場記念館
所在地:岐阜県不破郡関ケ原町関ケ原894-55
開館時間:9:30〜17:00(最終入館16:30)
休館日:月曜日(祝日の場合は翌平日)、年末年始
入館料:一般500円、高校・大学生300円、中学生以下無料(企画展開催の際は特別料金の場合あり)
アクセス:JR関ヶ原駅から徒歩約10分、関ケ原ICから車で約5分
公式サイト:https://sekigahara.pref.gifu.lg.jp/
