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映画『矢野くんの普通の日々』八木勇征インタビュー「普通のことって幸福なんだと気付かせてくれる作品」


田村結衣のラブコメ漫画「矢野くんの普通の日々」が、FANTASTICSの八木勇征を主演による実写映画として公開中です。映画は、不運体質の男子高校生・矢野と心配性のクラスメイトたちの日常を描く、心温まる“ピュアキュン”ストーリーです。八木勇征は、10歳若い高校生役を演じるにあたり、若々しさとキャラクターの純粋さを意識したと語っています。映画には、コメディタッチの中で日常の価値を再発見する要素が含まれており、普段の幸せを再確認させる作品と評価されています。アクションシーンや特異なキャラクター表現にも注力しており、現場での工夫やチャレンジについても語られています。八木自身は自分を注目体質と捉え、映画の役柄とは対照的ですが、その注目を活かしているとも話しています。

超不運体質な男子高生と心配性な女子高生をはじめとするクラスメイトたちの日常を描く田村結衣の人気ラブコメ漫画 「矢野くんの普通の日々」(「コミックDAYS」連載)が、ダンス&ボーカルグループFANTASTICSのボーカルを務め、俳優としても活躍する八木勇征を主演に迎え、実写映画化。『矢野くんの普通の日々』が公開中です。

見れば誰もがハッピーになる、この冬、一番の“ピュアキュン”ムービー。主演の八木勇征さんに撮影の思い出や、本作の魅力についてお話を伺いました。

――本作大変楽しく拝見させていただきました!「なぜか毎日ケガまみれになってしまう超不運体質」という特殊なキャラクターの矢野くんですが、演じる上でどの様なことを意識しましたか?

年齢的に僕よりも10歳若い役なので、本当に高校生の様なフレッシュさがあるように見えないといけないなとクランクインする前からずっと思っていました。共演者の池端さんなど現役高校生の子が2、3人いらっしゃったおかげで、自分自身も若さ溢れる画が撮れたなって思います。クランクインした時の撮影が交換ノートのシーンだったんですけど、新城監督に「高校生じゃない、大人になっちゃっている」とアドバイスをいただいて、自分が落ち着きすぎちゃっているんだと気付きました。矢野くんは物静かな子ではあるけど、自分の本当に気持に対しては嘘が無いというか、ピュアで100パーセントの感情で動いている子なので、表情や目線もいつもの自分とは少し変えて、大人にならない様にすることを意識しました。
高校生って、僕自身もそうだったんですけど、学校の世界が全てみたいなところがあって。矢野くんが全力で楽しい時には自分も全力で、1つ1つの出来事に対して全力で感動していました。

――台本を読んだ時にはどんな感想を抱きましたか?

高校生の日常を描いてはいるんですけど、矢野くんという特殊なキャラクターが一人いることによって、当たり前の日常って当たり前じゃないんだよな、幸せなんだよなと思う様になりました。映画のポスターなどのビジュアルを見る限りポップでキラキラ映画の印象を受けると思うのですが、原作を拝見した時に矢野くんの怪我している姿に妖艶さを感じたんです。原作だと吉田さんがその姿にドキッとするシーンもあって、これまでの少女漫画原作に無い作品だなと面白く感じました。

――元々原作をお読みになっていたのですね。

僕、漫画をめちゃくちゃ読むんです。「矢野くんの普通の日々」は1巻の表紙がすごくインパクトあるなと思って惹かれました。真っ赤な背景に、怪我だらけの男の子がいてこれはどんな話なんだろう?と。実際に読んでみたらめちゃくちゃ平和だし、悪い人が1人も出てこないし、でも、矢野くんが怪我した時にはなぜか色気も感じるし…。すごく色々な感情が出てきて、こういう漫画って読んだことないなって思いました。
読むとハッピーな気持ちになりますし、矢野くん自身が喉から手が出るほど欲しい“普通の日常”って、僕たちが普通にしていることだよなと思うと、何でもないようなことが、すごく尊いものというか。普通のことって幸福なんだと気付かせてくれる作品だなと思いました。

――演じる時には妖艶さを意識しましたか?

意識はしていましたが、それよりもリアルを感じない痛々しさを大切にしたというか、可愛さの方を感じていただけたらなと思っていました。実写になったことで原作とはまた違う矢野くんになっていると思いますし、よりコミカルなストーリーを楽しんでいただきたいです。

――アクションコーディーネーターの鈴村正樹さんとは『HiGH&LOW THE WORST X』でもご一緒していますね。

『HiGH&LOW THE WORST X』でお世話になった時には、殴る蹴るなどの戦いのアクションを教えていただきましたが、今回はまた特殊で、怪我をするシーンのアクション、動き方を教えていただきました。アクシデントが起こった時の初動がどうなるのか、観ている方が「これから何が起こっちゃうんだろう」とハラハラするような、リアルさもありつつ派手な怪我に見えるにはどうすれば良いのかというのをアクション部の皆さんと相談しながら撮影していました。
つまずいて頭をぶつけて、そこから自分のカバンに滑って、川に流される…そういった一連の動きは殺陣の様に決まっていました。実際に怪我をしない様に動きを考えていただきながらやっています。

――怪我のメイクとか、テーピングなど毎回大変そうですよね。

僕は大変じゃないんです。メイクさんと衣装さんが大変だったと思います。たくさんの怪我をするので、衣装の汚しや怪我のメイクを毎回していただいて。細かな部分を徹底的にやってくれるチームだったからこそ、ビジュアルも良いものになったと思いますし、スタッフさんたちの苦労はずっと近くにいて見ていたので感謝しかないです。

――眼帯つけて動くのってめちゃめちゃ疲れますよね…。私は1,2日でも辛かったです。

めっちゃ大変ですよね。目がすごく凝りました。歩くのだけでも平行感覚が狂ってバランスを取るのも大変だったので、撮影期間を終えて眼帯が取れた後の生活はとれも快適でした。普通のことなのに幸せを感じました。
TGCに本作で出演させいていただいた時にランウェイを歩いたのですが、久しぶりに眼帯で歩いたので2人(池端杏慈、中村海人)がいなかったら、たぶんランウェイから落ちています(笑)。まっすぐ歩けずに海ちゃん(中村海人)に体がガンガンぶつかっていたのですが、海ちゃんが軌道を戻してくれるので助かりました。

――あの長いランウェイを眼帯では歩きづらいですよね…!そんなご苦労もありながらも、ファンの方は八木さんの眼帯姿をスクリーンで見れることを楽しみにしていると思います。

情報解禁された時に、みなさんが色々なコメントをくださってすごく嬉しかったです。この眼帯が“刺さっている”方もいれば、「右目がちゃんと見たい」と言っている方もいて。右目が見たいという方はぜひ劇場へ!(笑)

――映像化されて改めて好きだなと思ったところはどんなシーンですか?

笑える部分もたくさんあるし、幸せな気分になれる映画だなと思いました。矢野くんが幸せそうな顔をしていると、こちらも幸せになるというか吉田さんと同じ気持ちになると思います。吉田さんに感情移入して観てもらうことが一番楽しい見方なのかなと思います。
撮影中にすごく印象に残っているシーンは崖のシーンなのですが、実際に崖なので機材を置くのも大変だったと思います。その崖から落ちたらザリガニに噛まれるというシーンになっているのですが、台本に噛まれると書いていなかったから、その場で新城監督に「そこでザリガニに噛まれます」と言われて、「えっ!」と驚きました(笑)。「ザリガニはあとからCGで足すので、こういう痛い顔してください」と言われて撮影して、完成した作品を観たらザリガニがすごくリアルで。あのシーン大好きなんです。

――八木さんは元々本作の原作をお読みになっていたり漫画好きということですが、普段はどの様な作品をご覧になるのですか?

本当に何でも読みます。冒険もミステリーも4コマエッセイの様な作品も読みます。最近ハマったのは、『桃源暗鬼』という、桃太郎がもし悪者だったら?という「桃太郎」を新しい視点で描いた作品です。アニメ化も決まりましたし、今後どんどん人気が出る予感がします。

――忙しい毎日だと思うのですが移動中などに読まれているのですか?

自分でもいつ読んでいるんだろうって思います。でも台本もそうなんですよ。台本を「覚えよう」と思って覚えたことは1回も無くて、台本を読むこともダンスや歌の練習をすることも全部が日常生活になっているので、日々の流れの中で身についていっている感じなんです。

――「この時間にやるぞ」とガチガチに決めちゃうと縛られちゃう部分があるかもしれませんよね。

そうなんですよね。決めずに自然に読んでいくことがコツなのかなとも思います。俳優業とアーティスト業も職種は違えど同じ表現するお仕事なので、全くの別物ではなく、共通する部分も多いと思います。繊細な表現の場合は、そこに特化していないと表現しきれない部分もあると思いますけれど、基本的には変わらないと感じています。

お芝居の中で、悲しいシーン、ハッピーなシーン、 なんてことのない会話のシーン、色々なシーンがありますが、それがどんな状況でどの場所で演じられているかによっても印象が違いますよね。それって音楽にも共通していて、ハッピーな曲でもどこで この曲が流れたらピッタリなんだろう?と考えたりします。
レコーディングでも、曲の中の登場人物を演じるというか、どういう想いでこの言葉を言っているんだろうとか背景を考えながら歌うとニュアンスの表現が上手に出来るようになってきました。苦しそうな歌詞なのに曲調が明るいから、さらに苦しさが際立つということもあると思いますし、最近はそうやって自分の中で表現のバリエーションが増やせる様になってきたなと感じています。

――素敵なお話をありがとうございます。最後に、矢野くんは超不幸体質ですが、八木さんは自分で○○体質だなと思うことはありますか?

良い意味でも悪い意味でも、注目体質だと思います。子供の頃からそうなんですけど、みんなで遊んでいても僕だけが怒られることもありました。メンバーだと(木村)慧人が僕と近い気がします。

――八木さんはずっとサッカーをやられていましたけれど、試合でもずっとマークされちゃうみたいなこともありそうですね。

そうです!マークされやすいんですよね(笑)。でもこちらに引きつけておけば他のみんなが動きやすくてチーム全体にとっては良いことではありました。そして今ではパフォーマンスやお芝居など良いことで注目されることは何よりも嬉しいことですね。

――この映画もメンバーの皆さんが楽しんでくれそうですね!

楽しみにしてくれているので、たぶん観に行ってくれると思います。試写会で観てくれたメンバーもいました!

――今日は楽しいお話をありがとうございました!

撮影:たむらとも

【関連記事】映画『矢野くんの普通の日々』新城監督がキャスト陣の魅力を語る「自分なりに感じて、葛藤を受け止めて、頑張ってくれた」
https://getnews.jp/archives/3573839 [リンク]

「矢野くんの普通の日々」
主演:八木勇征
出演:池端杏慈 中村海人 白宮みずほ 新沼凜空 伊藤圭吾 筒井あやめ
原作:田村結衣「矢野くんの普通の日々」(講談社「コミックDAYS」連載)
監督:新城毅彦 脚本:杉原憲明 渡辺啓 伊吹一 音楽:信澤宣明
主題歌:Yellow Yellow/FANTASTICS from EXILE TRIBE (RhythmZONE)
挿入歌:Staying with you/Travis Japan (キャピトル・レコード/ユニバーサルミュージックジャパン) 企画製作:HI-AX 制作プロダクション:ダブ 配給:松竹
クレジット:©2024 映画「矢野くんの普通の日々」製作委員会 ©田村結衣/講談社
公式X &Instagram &TikTok:@yanohibi_movie
公式サイト:https://movies.shochiku.co.jp/yanohibi-movie/

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