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わんぱく悪ガキッズの大冒険!『リトル・ワンダーズ』ウェストン・ラズーリ監督に聞く「映画というのは色々なメディアのキャンパス」


『リトル・ワンダーズ』は、悪戯好きな子供3人組が冒険に巻き込まれるファンタジー映画です。ブルーベリーパイの材料を謎の男に奪われた子供たちは、それを取り戻すために不思議な集団と対峙します。この映画は、多くの映画祭で高評価を受け、監督ウェストン・ラズーリの子供時代の冒険心が色濃く反映されている作品です。ラズーリ監督は、日本の漫画やアニメの影響を受けており、映画には独特のユーモアとビジュアルが盛り込まれています。冒険心を刺激する「ネオ・フェアリーテール」的な世界観が魅力です。

わんぱく悪ガキッズの冒険映画『リトル・ワンダーズ』が全国公開中です。

[STORY] 悪ガキ3人組不死身のワニ団、アリス、ヘイゼル、ジョディは大の仲良し。ある日、ゲームで遊ぶ代わりとして、ママの大好きなブルーベリーパイを手に入れに行くが、必要な卵を謎の男に横取りされる。奪い返すために男を追いかけた3人は、魔女率いる謎の集団魔法の剣一味に遭遇し、怪しい企みに巻き込まれてしまう。森で出会った、魔女の娘ペタルを仲間に、悪い大人に立ち向かう4人…果たしてこどもたちの運命は?無事にパイを手に入れ、ゲームをプレイできるのか…!?

本各国の映画祭で評判を呼んだ本作。脚本・監督・製作を手掛けたウェストン・ラズーリにお話を伺いました!

――本作大変楽しく拝見しました!先ほど私が着ていた漫画Tシャツにも反応してくださりましたが、監督は日本のカルチャーを愛してくださっているのですね。

本作に特に表れている日本の影響といえば、全体の“トーン”ですね。アニメ、漫画、実写の作品いずれをとっても、他には真似出来ないユーモナのバランスが上手だなと思っています。この映画には自分の子供時代が反映されているんですよね。自分の子供時代をめちゃめちゃに誇張している感じなんだけど、元々子供が出てくるアドベンチャー映画が好きで、ゲームであったりガジェットであったり、色々なものに日本の作品の影響を受けているんだ。

*関連記事:監督が大友克洋にオマージュを捧げた“OTOMO社製“ゲームが登場! 映画『リトルワンダーズ』悪ガキ本編映像 [リンク]

――子供たちの冒険を見ていると本当にワクワクして、最近こういう作品って無かったなあ!と感動しました。

全く同じことを感じていて、僕が昔観ていて大好きだった、子供ならではの自由さを捉えた最高のアドベンチャー作品ってあまり無かった気がするんですよね。最近の子供が出てくる作品って、作り手が怖がっているのかもしれないけれど、綺麗な感じでまとめちゃうんですよね。昔はちょっと危険だったり、ダークだったり、エッヂの効いた作品が多かった。この作品は映画ファンの皆さんに「こういう映画懐かしいな!楽しいな」と共感してもらいたくて作ったんだ。

――この素晴らしいルックについてですが、どの様なところから着想を得ましたか?

1番重要だったのは「絵本の様な質感」です。赤ずきんちゃんとかヘンゼルとグレーテルとかね。みんなが思わず足を踏み入れて冒険したくなるような森を描きたかったんだ。
究極の子供のアドベンチャーものを作りたいと思って脚本を書いたり、イメージを描いているうちに、だんだんおとぎ話的になっていて、結果的に“ネオ・フェアリーテール”といったテイストを含んでいきました。「お母さんがパイを食べたら病から復活する」といった、おとぎ話的なテーマにまとまっていったという感じかな。ニワトリが魔法の卵を産むみたいなシーンも、制作を進めながらアイデアが浮かんできた様な感じで。いつも物語を書き始める前からイメージはあるのだけれど、細かな部分は進めながら決めていきます。脚本を書きながらヴィジュアルが決まっていくし、ヴィジュアルが決まってから脚本を変更することもあるよ。

――監督のセンスが濃縮されている作品だと思うのですが、子供の頃からカルチャー大好きっ子だったのでしょうか?

多くのフィルムメーカーがそうだった様に、10歳の時にはビデオカメラを買ってもらって、友達とショートムービーを撮影したり、クレイアニメーションも作っていたよ。高校の時には、ユタ州・ソルトレークシティの映像制作会社でアルバイトを始めました。グラフィックデザインやファッションを学んだのは全て映画がきっかけで、それはなぜかというと映画というのは色々なメディアのキャンパスなんだよね。音楽、デザイン、衣装、小物や美術、自分のやりたいこと全てを詰め込めるのがこの1つの大きな映画というメディアなんです。あと僕は、音楽もやっているけれど、昔から脳がヴィジュアル寄りというのもあるかな。

――衣装も本当に素敵で、今日監督にお会いしたらとてもおしゃれな方で大納得しました!

ありがとう!衣装も自分が手がけています。ペタルのドレスなどはオリジナルで、衣装さんが作ってくれたものもあるけどね。Tシャツやシャツなどは僕が見つけてきたものや私物も多いのだけれど、色数を抑えることを意識しました。カラフルな衣装を身につけて、スクリーンが色彩にあふれていると普通の映画っぽくなっちゃうなと思ったんです。あとは、子供用のライダースジャケットを買ってみて、映画『イージー・ライダー』風にしても良いかなと思ったのだけど、それだと可愛くなりすぎちゃうかな…ってボツにしたんだ。

――私が言うのもおこがましいのですが、確かにライダース等を着ると、子供が大人顔負けのファッションをしているという可愛さが強調されそうな感じがしますよね。

鋭い。その通りだと思います。キャスティングした子が予想よりも可愛い子たちばかりだったから、その可愛さを減らすための工夫が必要だったんだ。

――そんな監督の意図が素晴らしく映画に現れていて、この3人が動かされているんじゃなくて、自分から動いている感じがしたんです。

それはすごく嬉しいですね。実はリハーサルは全然やっていなくて、リハサールをやってしまうと身につけたやり方しかできなくなっちゃうんじゃないかなって思ったからです。それは演技じゃないですよね。もっとめちゃくちゃで気の強い元気な子供達の姿を撮りたかったから。子供たちの自由さに助けられた作品なんだ。

――今日は素敵なお話をありがとうございました!

脚本・監督・製作:ウェストン・ラズーリ
出演:リオ・ティプトン、チャールズ・ハルフォード、スカイラー・ピーターズ、フィービー・フェロ、ローレライ・モート、チャーリー・ストーバー
2023 年|アメリカ|5.1ch|シネマスコープ|英語|114 分|原題:RIDDLE OF FIRE|字幕翻訳:髙橋彩|配給:クロックワークス|PG12
© RILEY CAN YOU HEAR ME? LLC 公式 X:@klockworxinfo 公式サイト:https://klockworx.com/littlewonders
10 ⽉ 25 ⽇(⾦)より新宿武蔵野館ほか全国公開

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