ASUSは6月2日、携帯ゲーミングPC「ROG Ally」の強化版となる新モデル「ROG Ally X」を発表。COMPUTEX TAIPEI 2024に合わせて開催したプレスイベントで、製品の特徴を紹介するプレゼンテーションと実機が公開されました。
ユーザーの要望を反映して機能を強化
プレゼンテーションの冒頭で、昨年発売されたROG Allyについてユーザーコミュニティやメディアからさまざまな要望が寄せられたことを紹介。この中には「バッテリーがもっと大きければ最高」「ストレージはデフォルトで1TB欲しい」「次のAllyにはもっとRAMを」「もっとUSBポートが欲しい」「黒があれば即買い」といった声が。これらはAlly Xの仕様に反映されていることが分かります。
バッテリー容量は前モデルの40Whから80Whに倍増。
ストレージ容量は512GBから1TBに倍増し、M.2 2280SSDを採用。自分で差し替えてアップグレードしやすい構造になりました。
メモリーは16GBから24GBに増やし、LPDDR5 7500MHzを採用しています。
バッテリー容量を2倍、ストレージ容量を2倍、RAMを1.5倍に増量しているにもかかわらず、本体重量は11.5%増にとどまっています。
インタフェースは前モデルがUSB-C 3.2 Gen2(DP 1.4、PD 3.0)と外付けGPUユニットを接続するROG XG Mobile Portの構成だったのに対して、新モデルはROG XG Mobile Portの代わりにUSB-C 4.0(DP 1.4、PD 3.0)の2ポート構成に変更されています。ドックがなくても単体で映像を出力しながら電源を供給する使い方ができるようになりました。
遊びやすさを向上し熱設計を改善
筐体はグリップ形状を変更し、人間工学に基づく丸みを帯びた設計により快適性を向上しています。他にハードウェア面では、D-Padが正確な8方向入力ができるように改善されている他、左手のD-Padからサムスティック、右手のサムスティックからABXYボタンへのアクセスがしやすいレイアウトに改善。サムスティックは500万回以上の入力に対応する高耐久のものに変更しています。任意の操作をアサインできる背面ボタンはサイズが小さくなり、より操作しやすくなっています。
内部ではファンを小型化・薄型化しつつエアフローを10%向上。全体では24%エアフローを向上し、タッチパネルは最大6℃の温度低下を実現しています。
操作性が向上しホーム画面も使いやすく
タッチ&トライコーナーでわずかな時間ですが触ってみたところ、背面のグリップが握りやすくなり、スティックとボタンの配置も遊びやすくなったように感じました。インストールされていた「ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON」「NARUTO X BORUTO ナルティメットストームコネクションズ」といったタイトルが軽快に動作することを確認しています。
Windowsデスクトップとは別に、ホーム画面として機能するアプリケーション「Armoury Crate SE」もアップデートされています。背景にビジュアルを表示する、よりゲーム機らしい印象のインタフェースになりました。
今後の展開にも期待できそう
グローバルでは発表当日から予約受付を開始し、7月に出荷を予定。価格は799米ドルと発表されています。ASUS JAPANは、製品の詳細や価格情報は2024年夏以降のプレスリリースで発表するとしています。
COMPUTEX会場ブースでも、ROG Ally Xのコーナーには写真を撮影したり試遊する多数の来場者が多数見られました。携帯ゲーミングPCは一時のトレンドではなく、今後もASUSの製品ラインアップの柱として成長していくのでしょうか。
日本のメディアの取材に応じたASUS システム部門 アジア太平洋地域ジェネラルマネージャーのPeter Chan氏は、ROG Allyは発売以来、特にPCゲームがトレンドになりつつある日本で大きな反響があり成長があったとして、携帯ゲーミングPCは今後も投資をしていく分野であると語りました。また、パーソナルデバイスとしての可能性にも触れ、Chan氏の息子さんはROG Allyを自分の宿題をする環境としても利用していると語り、汎用的なWindowsベースのROG Allyは市場で支配的な地位を占めていると分析します。ASUSの中でのROG Allyという製品カテゴリーは、今後も継続的な発展が期待できそうです。
2024年6月7日(金)20時から配信する「ガジェット通信 LIVE」では、今回台北で開催されたASUSのプレスイベントとCOMPUTEX展示の模様を動画を交えて紹介します。
ASUS最新製品をチェック! COMPUTEX TAIPEI 2024特集 / ガジェット通信LIVE #158(YouTube)
https://www.youtube.com/live/CepUI__x5no
取材協力:ASUS JAPAN