全国のラーメンを食べ歩くラーメンミュージシャン、井手隊長です。東京・浅草橋に2011年6月にオープンした名店“饗 くろ㐂”。店主の黒木直人さんは和食やイタリアンの世界で21年の経験を積み、ラーメンの世界に飛び込んだ。黒木さんの料理人としての技術を詰め込んだ、季節を感じる「旬」のラーメンに多くのラーメンファンが魅了されている。『ミシュランガイド東京』では2017、2018と2年連続でビブグルマンを獲得したが、黒木さんは「まだまだ載るレベルに達していない」と掲載を断り続けた歴史もある。
そんな“くろ㐂”が10月29日に店舗を移転。浅草橋駅からより近くになり、便利になった。ツウな小道沿いにある。店の前はガラス張りで、丼がたくさん並んでいるのが実にカッコいい。
「特製塩」(1650円)を注文。麺は細麺と手もみ麺から選べるので手もみ麺をチョイス。黒木さんが目の前で作る劇場形式は移転前のまま。見てるだけでよだれの垂れるたまらない空間だ。
具はチャーシュー5種類、ワンタン2個、ドライトマト、穂先メンマ、味玉、九条ネギ、生姜、つくね、粒生胡椒。
スープは地鶏、豚、鴨、魚介などを合わせた複合的なダシで、まろやかな旨味。ハッキリ言って目ん玉が飛び出るぐらい旨い。ここに合わせるのが多加水の自家製極太麺。和の上品さを兼ね備えながらしっかりラーメン然としていて素晴らしいクオリティだ。
具もすべてが調和していて、イヤらしさも全くなく、すべてが共存している。5種類のチャーシューもどれも表情が違ってとても美味しい。
上にのっている生姜玉と生胡椒で味変するのも楽しい。スープが旨すぎるので、恐る恐る溶きながら食べる。
国宝級の旨さ。1650円でも安すぎると感じる逸品。“くろ㐂”ファンの方も、初めての方もぜひ食べに行っていただきたい。
饗 くろ㐂
東京都台東区浅草橋1丁目28−9
03-3863-7117
(執筆者: 井手隊長)