23日から始まった『ブギウギ』第4週が終わった。梅丸少女歌劇団(USK)の転換期と、ススズ子(趣里)の人生のターニングポイントが一緒に描かれた。
USKの待遇改善を求めてストライキを起こした大和礼子(蒼井優)、さらには橘アオイ(翼和希)が、騒動の責任をとって揃って退団。新生・梅丸少女歌劇団(USK)は大和の意志を継ぎ、ラインダンスを成功させる。
1年後、両親の故郷・香川にやってきたスズ子。次郎丸という地主の法事に参列することになったが、そこで和一(石倉三郎)が「似とる、よう似とる」「菊三郎と同じ目だ」と、亡くなった息子と似ていると言い出す。さらに叔母のタカ(西村亜矢子)から「あんたはホンマはここの家の子じゃけん。菊三郎さんの子じゃけん」と衝撃の事実を告げられるというものだった。
ネットの評判はどうだろうか?
・今週のブギウギは怒涛の展開だったな。
・ラインダンス圧巻だったなっ。 そして、出生の秘密にまさかやぁーっの週だったなっ
と、心配になるくらい駆け足で、そして盛りだくさんだった。
その分、疑問も残る。
・スズ子は養子なんか…でもなんで今まで隠してたんだろ、なんで法事に行かせたんだろ
・本当の祖父母は何故今になって鈴子に会いたいと思ったんだろう?
・唐突に礼子さんと社長との繋がりが出てきて、唐突にストが回避されて、唐突に香川の実家が出てきて、唐突に出生の秘密が明かされて
スズ子がなぜ、香川の地主の法事に参列することになったのか、描きこみが足りないという指摘もあった。また特に予兆もなく、いきなり香川の実家の話が放り込まれるなど、詰め込んだ展開に戸惑いを隠せない視聴者もいたようだ。
さらには、大和が15年前、大熊社長(升毅)に拾ってもらったというストーリーも、もう少し早めに、また丁寧に明かされれば、大和の退場がよりドラマチックになりえたはずだ。
26日放送の第19話では、草彅剛演じる作曲家の羽鳥善一が再び登場。ナレーションでは「数年後、この青年とスズ子が運命的な出会いをすることを、2人は知る由もありません」と紹介されていた。
この後、スズ子はUSKでその才能を開花させていき、やがて善一と出会うようだが、こうした史実をなぞるだけではなく、もう少しフィクションとして、立体的というか奥行き、うねりがあってもいいような気もする。
善一のモデルはもちろん、作曲家の服部良一。笠置シヅ子の代表曲『東京ブギウギ』を手がけた人物だが、個人的には2人の出会いが若干早い印象が…。
同作はもちろん来年の3月まで放送予定だが、昭和の歌謡史、芸能絵巻が紐解かれて行くとしたら、それはそれで楽しいものになる。まだまだ期待したい。
(執筆者: genkanaketara)