子供の頃の夢が詰まった、大人の乗り物。それが株式会社ICOMAの「タタメルバイク」です。
その名のごとく、折りたたんでコンパクトになる電動バイクなのですが、超合金のおもちゃみたいに、高さ・幅70センチの四角い箱が、ものの30秒でバイク変身する、見事なトランスフォームは、遊び心をくすぐるうえに、持ち運びにも便利。なんとこちら、原付バイク(原付1種)としてナンバープレートの取得が可能で、実際に公道の走行が可能です。
筆者は、2021年に開発中の「タタメルバイク」の存在を知り、そのコンセプトとかっこいいギミック、ポップなビジュアルに一目惚れしました。あれから3年。ついにオーダーメイド販売が始まりました。3年の進化の軌跡をオリジナル写真でご紹介させてください。
タタメルバイクとは?
「タタメルバイク」は、変形の美学をつめこんだ、駐車場がいらない折りたたみ電動バイクです。
折りたたむ前も後も、美しく、楽しい変形。駐車スペースの限られる日本生まれのバイクだからこそその小さな箱型のサイズとデザインでこれまでバイクが入りこめなかったあらゆる生活シーンへと自然と溶け込みます。
#タタメルバイク は、箱からバイクに変身するまで、わずか18秒。@takamityupic.twitter.com/ijFgAvYv48—ていない/大木奈ハル子せまいえ(狭い家で小さく暮らす) (@tei_nai) September 26, 2023
最新テクノロジーが集結する世界最大規模の展示会「CES 2023」(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー)において、特に優れた製品に贈られる、「CES 2023 イノベーションアワード」を受賞するなど、業界内でも高い評価を得ています。箱からバイクへの滑らかなトランスフォーム、丸みをもった四角を組み合わせた洗練されたデザインなど、実用的なのに遊び心が詰まったモビリティです。
実は開発者である生駒崇光(イコマタカミツ)さんは、変身ロボット玩具「トランスフォーマー」や、ペットロボット「LOVOT(ラボット)」の開発チームにいた人なんです。子供の頃、超合金や変身ロボで遊んだ人なら、この見事なトランスフォームの理由に納得がいったのではないでしょうか?
ちなみに、当記事の写真に掲載されている黒Tシャツでメガネのお兄さんが、生駒さんその人です。
タタメルバイクのこんなところがすごい
かさばらない・邪魔にならない:折り畳めば高さ約80センチ、幅約80センチまでコンパクトになるので、車のトランクやラゲッジに積み込めるサイズです。前輪が少し出ていますが、ボディー部分は100Lサイズのトランクケースぐらいのサイズ感なので、家に連れて帰れます。バイク駐輪場のないマンションに住んでいる人でもバイクを所有できますし、屋外駐輪と比べると、日焼けや風雨に晒されないため、劣化が防げます。
自由度の高いデザイン: 「タタメルバイク」は、側面のサイドパネルを着脱するだけで、まるでスマホやパソコンのようにデコレーションが可能です。オリジナルパネルにすれば、世界に1台だけの自分のバイクに変身します。モニターをつけて、プロモーションムービーを流すなど、面白い使い方もできそうです(当記事のトップ画像は、モニタータイプのサイドパネルにオリジナルの画像を表示しています)。
自宅で充電できる:ご自宅のコンセントで充電できます。
充電器にもなる:USBによる給電機能を搭載しているので、スマホの充電もOK。ポータブル電源として活用できます。
電動駆動: 電動バイクなので、ガソリン車のような独特の臭いもなく、バイクを倒してもガソリン漏れの心配がありません。
タタメルバイクとLUUPの乗り心地を比較
電動モビリティというと、電動キックボードLUUPをイメージする方も多いかと思うのですが、どちらも乗った私の感想としては、「タタメルバイク」はシートに腰掛けるタイプなので、LUUPよりも安定がよく、転倒しにくいと感じました。
原付1種として公道走行する際の法的な基準をクリアしているので、30キロまでスピードを出せる点も魅力です。またサスペンションもしっかりあり、ガタピシしないので乗り心地も上々でした。つまりは「バイク部分もおろそかにしてない」ので「バイクとしてしっかり実用できる」という印象です。
タタメルバイクの歴史とこれから
2021年にはハンドメイド感溢れる、いかにも試作品という風貌。
2022年にはデザインはずいぶん洗練され、前輪も大きくなりバイクとしての走りも頼もしいものになり、「あと一歩だ!」という印象でした。
そして、ついに2023年にはオーダーメイドで販売を開始。シンプルなスッキリしたデザインなのに、愛嬌もあって、街乗りしたら注目を集めそうです。
「タタメルバイク」は、変身ロボの持つかっこよさを、リアルに落とし込んだ、ワクワクするモビリティであると同時に、都市での移動手段として、アウトドアのお供としてなど、新しい価値を提供してくれそうです。現在はフルオーダーで税込み55万円と、お値段がまだまだお高めなので、さらなる進化と、量産化でお手頃価格で手に入る未来へ期待したいと思います。
>「タタメルバイク」公式ホームページ : https://www.icoma.co.jp/
(執筆者: 大木奈ハル子)