関東地方は梅雨の真っ只中で、ジメジメとした蒸し暑さや梅雨前線による大雨シーズンが本格化しています。気象庁によると関東甲信地方の梅雨明けは平年7月19日ごろと、まだしばらく活発な雨雲の影響が続きそう。
どうしても洗濯物が部屋干しになりがちなこの時期、多くの人を悩ませているのが、部屋干し臭や生乾き臭など「洗濯したのになんだかくさい……」というニオイ問題ではないでしょうか。
実はこれらのニオイは、生活環境にいるさまざまな「菌」が原因のひとつ。菌が衣類に残った汚れをエサにして増殖し、ニオイ成分を生成することでくさいニオイが発生するのだとか。このニオイの発生源となる「菌の隠れ家」を発見した花王に、ニオイ問題の根源や梅雨時期の洗濯テクニックについて聞きました。
「菌の隠れ家」とは
洗濯物には、除菌洗剤や漂白剤を使ってもびくともしない菌が作り出す「多糖汚れ」があります。いわゆる「菌の隠れ家」で、汚れやニオイの原因となるような「ニオイ菌」などのさまざまな菌がぎっしり詰まった状態(=バイオフィルム)が形成されています。
「菌の隠れ家」である「バイオフィルム」が増えると、タオルや衣類はくすみが発生しやすくなる傾向に。「バイオフィルム」のねばねばの多糖類に汚れの粒子が吸着してしまうからです。また、菌が栄養をエネルギーに換えるときに排出する代謝物には、悪臭を放つ物質も含まれているため、「バイオフィルム」が多いほど、ニオイも強くなるといいます。
プロに聞く、梅雨時期の洗濯テクニック
そこで知りたいのが、梅雨どきの部屋干しでも「菌の隠れ家」をつくらない洗濯方法。
花王の商品開発担当、中古場輝満さんによると、晴れ間を待たずにこまめな洗濯を心がけるのがポイントのひとつ。「洗濯物をためこむと汚れを放置することになり、汚れが落ちにくくなり、“菌の隠れ家”である“バイオフィルム”も増えやすくなるので、なるべくこまめに洗いましょう。梅雨どきは “晴れ間を待って”と思いがちですが、その間に“バイオフィルム”は増えているかも。また、洗濯物を溜め込むと洗濯機にぎゅうぎゅうに詰め込むことになり、洗濯物が洗濯槽の中でうまく動かず、汚れをしっかり落とせません。洗濯物は洗濯槽の7~8分目が目安です」。
「菌の隠れ家」である「バイオフィルム」は一般の除菌洗剤や漂白剤では落とせないため、高濃度の塩素系ハイターに長時間つけて除去する方法も。しかし、布地のダメージや変色のリスクも大きくなってしまうため、洗剤には繰り返し洗濯することで「菌の隠れ家」を除去することができる『アタックZERO』シリーズをオススメしています。
また、洗濯物の干し方にもポイントが。「部屋干しの場合、洗濯物が密着しているとなかなか乾きません。布と布が重なり合わないように、空間をつくって干しましょう。扇風機やサーキュレーターで、衣類に直接風を当てると早く乾きます。エアコンのドライ機能や除湿機を利用して湿度を下げるのもありです。また、生乾きの洗濯物に『リセッシュ除菌EX』を使うと、部屋干し特有のニオイを防ぐことができます」。
Photo by Priscilla Du Preez on Unsplash