ラーメンは醤油、味噌、塩、豚骨、担々麺などなど、その味には無限のバリエーションがあるというのに、パリッと油で揚げた麺がおいしい「かた焼きそば」は中華風あんかけ以外の選択肢がほぼないような気がする。もっといろんなタレをかけて食べてもウマそうなのに。
そこで始めてみたのが「フリースタイルかた焼きそば」という企画。市販のかた焼きそばの麺にいろいろなタレをぶっかけ、かた焼きそばの新境地の開拓を試みます。
試すほどに感じる無限の可能性
これまで「ミートソース」「レトルト牛丼」「バターチキンカレー」「シュクメルリ」「金のビーフシチュー」などを試してきましたが、やはり試せば試すほどかた焼きそばに可能性を感じます。
いずれも既製品をかけるだけなので調理も簡単でしたし、前回の「金のビーフシチュー」なんかは完全に“洋風かた焼きそば”として完成していた感がありました。これはもっといろいろなものをかけてみないと!
フリースタイルかた焼きそばVol.06「麻婆豆腐」
第6回となる今回はレトルトの麻婆豆腐(丸美屋)をかた焼きそばにかけてみることにしました。本来のかた焼きそばと同じく中華系でとろみがある麻婆豆腐。これはちょっと手堅く置きにいった感もあるんですが、でもよく考えると仙台のご当地グルメに「マーボー焼きそば」なんてものはあっても「麻婆かた焼きそば」は聞いたことがありません。
相性がいいんだったらすでに中華料理屋で出してる店がたくさんあってもおかしくないでしょうし、うーん、これは試してみないとわからんな! とりあえず食器にかた焼きそばをセットし、温めた麻婆豆腐をぶっかけてみましょ!
レトルトパウチを開けてぶっかけてみると、かた焼きそばの上にゴロゴロと転がり落ちてくる豆腐の山。1人前の麻婆豆腐だったのですが、すっかり麺が覆い隠されてしまいました! すごいボリューム感!
これはちょっと食べにくいかもなあ、と思いながらも箸を入れてみましたが、意外や意外。麻婆のとろみが麺にしっかり浸透し、簡単にほぐれる状態になっていました。それでいて麺には適度にパリパリ食感が残り、そこに豆腐のふわっとした食感が紛れてくるのも面白い。
麺と豆腐は一体になっているというほど抜群の相性じゃない気はするけど、豆腐の量が多いもんだからしつこいほどに麺に絡んできて、強引にひとつの料理としてまとまっている感じがすごい。豆腐はとんでもないコミュ力の持ち主だな!
味の方も全然アリ。普通にうまいですね。麻婆豆腐のまろやかさも辛さもすべてかた焼きそばが受け止めてくれています。豆腐がコミュ力おばけなら、かた焼きそばは何でも受け入れる寛容な男といったところでしょうか。
今回は辛口の麻婆豆腐を使ってみましたが、おそらくかた焼きそばにかけるなら甘口の方が合いそう。ご飯と一緒に食べるとご飯そのものの甘さが激辛麻婆豆腐の逃げ道になってくれますが、かた焼きそばだと辛さと真っ向勝負するような感覚がありました。それこそ、丸美屋の「麻婆豆腐の素」で作る甘口麻婆豆腐ならドンピシャかも!
まだまだ無限の可能性を秘めていそうなかた焼きそば。今後はもうちょっと無茶なものを試してみようかな!
オススメ度:★★★★
(執筆者: ノジーマ)