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『劇場版 ねこ物件』細田佳央太インタビュー「ねこに飼われている現場」「“家族”は支えてもらえるし、支えていかないといけない存在」


4月より、テレビ神奈川、TOKYO MX、BS11ほかにて放送され話題を呼んだオリジナルドラマ「ねこ物件」が映画化。 猫成分も癒しも感動もスケールアップした『劇場版 ねこ物件』が 8月5日(金)より全国の劇場にて公開となります。

入居条件は「猫に気に入られる事」というシェアハウス“二星ハイツ”を舞台に、5人とねこ3匹の物語を描いた本作。司法浪人生・立花修役を演じた細田佳央太さんに、本作の撮影で印象的だったこと、猫との触れ合いについてお話を伺いました。ねことの可愛いお写真にもご注目ください!

――本作は人気ドラマシリーズからの映画化となります。最初にお話を聞いた時はいかがでしたか?

僕自身が、ドラマから映画化した作品に出演するのがはじめてなので嬉しかったです。ドラマの台本を10話までいただいていたので、「ドラマでここまで描くのだったら、映画ではどんな話を描くのだろう?」と思っていたのですが、映画の台本を読んだら「なるほど」と。優斗の物語がこうやって変わっていくのかと知って、ますます楽しみになりました。

――ねことの撮影は楽しいことも多いと思いますが、大変なこともありそうですね。

ねこちゃんが現場にいてくださることで、怒ったりピリピリしている人が本当にいなかったんですよ。なので撮影で大変だったことというのは、冬の日本家屋での撮影で、ものすごく寒かったという事くらいですね。底冷えがすごいんですよね…足が冷える冷える(笑)。

――ねこたちから暖を取ることも…?

いえ、ねこたちは僕らよりずっと暖かい毛布やヒーターの近くで過ごしていました(笑)。ねこちゃん達はやっぱりマイペースな生き物なので、こちらから干渉しようとすると去っていくし、こちらが放っておくと寄ってくるし、駆け引きをしている感じでした。「仲良くなりきれた」とは僕はまだ言えないと思います。

何回も「シャー!」と言われていました(笑)。古川さんはその「シャー!」も可愛いと。やっぱり、古川さんはねこと暮らしてらっしゃるので、ねこと関わってきた歴が僕と全然違うんですよね。僕は素人同然だったので。

――古川さんはねこ“プロ”なのですね。

ねことの関わり方は全部古川さんに教えていただきました。ねこがいると皆が集まってきて。僕らがねこを飼っているのではなくて、ねこに飼われている(笑)、そんな現場でした。

――細田さんがお好きなねこタイプはありますか?

丸っこいねこが好きです。僕がフレンチブルドッグを飼っていたこともあって、丸くてちょっとぶさかわ系の子に惹かれます。映画『猫の恩返し』(2002)でいったら「ムタ」さんみたいな。

――大きくて丸くて可愛いですよね!ねこの内面的で魅力に感じる所は?

一番はマイペースな所ですよね。どうしても人間の世界では、マイペースってわがままだったり自分勝手というイメージがあると思うんです。それでも、ねこはそんな事を気にせず、知りもせずに、自分達の思うがままに動いている。そんなねこの姿を見ているとうらやましいなって思いました。

――本作は、ねこと同じくらい「家族」がテーマになっている作品です。細田さんが考える家族とはどんな存在ですか?

一番は、「自分を支えてくれる存在」じゃないですか?もしかしたら、家族という存在が面倒に感じる時もあると思うし、時に反抗期の子とかはしがらみに思うこともあると思うんです。僕は反抗期が無かったので、家族に愚痴でもなんでも話していました。甘えられるし、支えてもらえるし、支えていかないといけない存在だなと思います。

――細田さんが演じた立花修について、どの様に役作りをしましたか?

修は真面目な性格なので、シェアハウスのまとめ役ということは意識していました。衣装合わせの時に監督に言われたのは「優斗の左腕的な存在」と。僕が本当に真面目かどうかはおいておいて、世間のイメージ的には「真面目そう」と言っていただくのが多いのかなと、自負しているので、そこを活かしながら自然に役に入れたのかなと思っています。

――とても自然であたたかい空気が映画からも伝わってきました。

撮影もほぼ順撮り(シナリオの冒頭から順を追って撮影を進めること)だったので、キャストの皆さんが徐々にクランクインしていく感じが、本当に“二星ハイツ”に入居者が増えて行く様な感覚でした。撮影の流れとか、人と人とのお芝居の空気に乗って演じることができたので、あまり“作っている”感覚がありませんでした。

――同世代も多く、楽しそうな現場だなと想像します。

常にワイワイしているのは、ファン君(松大航也)と毅(上村海成)、古川さんと丈さん(本田剛文)はそれを優しく見守っているという感じで。僕はどちらに行っても良い様に、常に真ん中にいました。年齢的にも古川さんは少し上なので、色々なことを教えてくれて。とても素敵なお兄さん的存在でした。

撮影中に、僕が20歳になるタイミングだったので、お金のことであったり、社会のこと、知らないといけないことがたくさんあって。古川さんには本当にタメになることばかりお話していただきました。

――素晴らしいタイミングだったのですね。細田さんは20歳になって、やってみたいことはありますか?

一番は海外に行きたいですね。コロナ禍ということもあり、まだ僕は一度も海外に行ったことが無いので、落ち着いたタイミングで叶えたいです。あと、打ち上げをやりたいです。コロナ禍前の打ち上げに参加出来ていた時は、僕はまだ17,8歳だったので、時間的な制限があって。22時までには帰らないといけないし、一次会だけで帰る、とか。やっとお酒も飲める年齢になりましたし、お世話になった皆さんとじっくり話せる打ち上げが出来ることが、とにかく待ち遠しいです。

――20代に突入して、いただく役柄の変化も感じてきましたか?

まだ大きな変化は無いのですが、有難いことに20歳になってはじめてやる役柄が増えたんです。最近だとドラマ『金田一少年の事件簿』の「学園七不思議」に、すごく嫌な役、憎ったらしい役で出させていただいて。あの真壁の様な役ははじめてだったんです。今まではいい子、好青年、という役柄をやらせていただくことが多くて。まだ解禁前、公開前の作品でも、今までとは違う新しいキャラクターに踏み入れることが出来たので、ありがたいです。

――新しい細田さんを見られることがすごく楽しみです。今度演じてみたいこと、俳優業の中で挑戦してみたいことはありますか?

“働き方改革”といったことが世の中的に言われていると思うのですが、今まで一番縁遠かったであろうエンタメ界もその言葉を受け入れ始めて。色々な問題がちょっとずつ改善されてきているのを感じています。僕が死ぬまでに全てが解決されるとは、正直思っていないのですが、そういった環境全体について良い影響を与えられる俳優さんになりたいなと思います。ピンポイントにお芝居について、というよりは、みんなが楽しく健康に働ける環境作りというか、そこを変えていきたいなと。

――細田さんの次の世代へつなげていけたら、という想いも?

本当にそうです。今までも先輩から受け継いできたものがあって、それぞれが残してきた足跡があるから、映画界って廃れないのだと思うんです。それを残していきつつ、新しい環境も作っていって。そういう思いは、勝手ながらずっと考えています。

自分が辛いと思ったことはやらない、と決めています。自分を大切にすることが一番だと思っているので、このお仕事で「辛い」と感じた時は辞めようと思っています。演技には何よりも真剣に向き合っていますし、これからもそうしたいですが、自分をダメにしてまで、という意味では命かけたくないんです。作品に命をかけるのは良いけれど、このお仕事に命をかけたくない。そこは何より自分優先にしています。抱え込んで爆発するくらいだったら、抱え込む前にそこから遠ざかる。これは仕事に関わらず、プライベートにも通じることだと思っています。

――素晴らしいお話をありがとうございます。全ての方に通じる事だと思います。最後に、これから『劇場版 ねこ物件』をご覧になる方に注目していただきたいことを教えてください。

「ねこは人をつなぐ生き物」というのは本当に感じました。劇中のセリフとか関係なく、僕らが実際にそうだったので。ねこがいるだけで人が集まってきてコミュニケーションが生まれる。ねこに限らず生き物ってそういうパワーがありますよね。だからこそ、人間の言葉が話せたらどうなるんだろう?と思います。ねこは本当は「寄ってくるなよ」って思っているかもしれないし(笑)、ねこ達の言葉に僕らがどんな影響を受けるのか、それでも人はねこを好きでいられるのか、とか考えてしまいます。本当にねこたちが自然で愛らしいので、楽しんでください!

――ありがとうございました!

撮影:オサダコウジ


『劇場版 ねこ物件』
8月5日(金)より新宿ピカデリーほか全国公開

古川雄輝 細田佳央太 上村海成 本田剛文(BOYS AND MEN)松大航也 金子隼也 山谷花純 長井短 竜雷太
監督・脚本:綾部真弥
主題歌:『Bell』歌:SPiCYSOL(ワーナーミュージック・ジャパン)
制作プロダクション:メディアンド/企画・配給:AMGエンタテインメント/配給協力:REGENTS/製作:「ねこ物件」製作委員会(C)2022「ねこ物件」製作委員会/
2022/日本/94分/カラー/ビスタ/5.1ch/G
公式サイト:https://neko-bukken-movie.com/

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