全国のラーメンを食べ歩くラーメンミュージシャン、井手隊長です。名店の味をカップ麺で再現した“名店監修カップ麺”が各社から発売されている。カップ麺の進化も目覚ましく、制約のある中でどう名店の味を再現できるか、各社がしのぎを削っている。
ファミリーマートではこの秋から、ラーメンデータバンクとタッグを組み、名店カップ麺を5回にわけて発売することを発表。
その第一弾が、北海道・利尻島の“らーめん味楽”監修「利尻らーめん味楽本店監修 焼き醤油味らーめん」だ。
味楽は、北海道の利尻島でミシュランガイドのビブグルマンを獲得したお店。2007年6月に本店を創業して以来、利尻昆布にとにかくこだわったラーメンを提供している。
本店は、東京から行こうとすると飛行機とフェリーを乗り継いで8時間かかる上、営業時間が2時間半しかないという物凄いハードルの高さ。2017年3月に新横浜ラーメン博物館に初の支店をオープンし、それはラーメン界待望の出来事だった。
昆布は一般的には旨味を下支えする食材だが、味楽のラーメンでは昆布がメイン食材となり、圧倒的な存在感を放っているのが特徴。一口食べるだけで昆布の香りと旨味がパーっと口の中に広がる。
そんな味楽の「焼き醤油らーめん」をカップ麺でどう表現しているのか? 早速レポートしてみたい。
まず、スープに昆布エキスと粉末がしっかり入っていて、香りからして昆布が楽しめる。お店では中華鍋でスープと醤油を焼きながら作る製法だが、その醤油の香ばしさをカップ麺でも上手く再現している。
具材にはネギとメンマのほかに細い黒いものが入っていて、食感のアクセントになっている。
これも昆布なのかと思い調べると、こちらはなんとキクラゲ。200円台のカップ麺でそれほどふんだんに昆布が使えない中、見事なアイデア。昆布の旨味溢れるスープの中で、このキクラゲも昆布に感じてしまうのが凄い。
昆布と焼き醤油の旨味と香りが溢れるオンリーワンな一杯。ぜひお試しあれ!
(執筆者: 井手隊長)