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「めちゃくちゃ素敵」「美しすぎる鎖帷子」 金沢美大生の卒業制作アルミ製の真紅のドレスに驚きの声


金沢美術工芸大学工芸科染織専攻の希宮さん(@1_saboten)が卒業制作に出した真紅のドレスをTwitterに公開。一見すると非常に美しい衣装に見えますが、アルミ製のリングを繋ぎ合わせて編まれており、重量が10kgという事に驚きの声が多数上がっています。

「テーマは女性の武装と装飾」というこのドレス。希宮さんは制作の意図を次のように説明しています。

テーマは女性の武装と装飾です。
一昨年話題になった「新宿駅の構内で女性ばかりにわざとぶつかる人」の動画に関連して、「髪を染めたりパンクな格好をするようになったら全く被害に遭わなくなった」という報告が数多く上がりました。さながら武装です。

70年代のウーマンリブでは、ミニスカートが女性の性解放の旗印になりました、逆に最近では韓国フェミニストを中心に社会的に強要された装飾の破棄の動きもあります。
フェミニズムについて語る時、装飾の話題は良くも悪くも共にあります。

このドレスの持つ、強さ、しなやかさ、あるいは重さ、冷たさがこういった社会での女性の装飾の意味を考えるきっかけのひとつになればいいと思います。
そして何よりその姿、戦いが美しいものであれと願います。

「一つの素材に縛られる事が嫌で専攻を決めかねていたのですが、染織の教授が“細長ければ土でも金属でも全て繊維”と言ったのが決め手でした」と工芸科染織専攻を選んだ理由を語る希宮さん。半年ほど前にフェミニズムに関心を持ったといい、「高校の友達が『脱コルセット』に挑戦していて、一時期Twitterにその話題がたくさん流れてきたのをきっかけに勉強をしました」といいます。2018年から韓国で始まった『脱コルセット』は、社会から強いられた女性像や美しさに反旗を翻すフェミニズム運動。このドレスのレッドの強さと無機質なアルミを使っているところが、とりわけ挑戦的に見えます。

ドレスの制作について、希宮さんは「地をきれいに切れる向きや場所に制約があるので布のようにはいきません。トルソーに合わせながら決めていきました」といい、「網目が独立しているので、後から減らしたり増やしたり、微調整が出来る点は布より扱いやすいかもしれません」と素材の特徴を説明します。また、実際に着てみて「思い切り体温を持っていかれて悲鳴が出た」とのこと。「卒業式で着ようと思って製作計画をしたのですが、卒展の最終日の日程が卒業式と被ってしまい、着る機会を失ってしまいました。卒業式の仮装もそれはそれでまた考えないといけないですね」と語ります。

10000以上のRTと約82000の「いいね」を集めて、「めちゃくちゃ素敵」「美しすぎる鎖帷子」といった声が上がっていたこのチェインメイルドレス。希宮さんは「最初は“講評回第2ラウンド始まっちゃった!? 毎年Twitterでバズって燃える卒制ってあるよね、燃えやすいテーマだし大丈夫かな……”と気が休まらなかったのですが、本当に好意的な反応がばかりでとっても嬉しいです! 大学の仲間たちと喜んで見ています」とネットでの反応についてコメントしてくれました。

卒業後の進路は未定だという希宮さん。「市の講師採用枠が回ってこなければ院進学です。今年はコロナ禍で教員採用試験より後に教育実習がある異例の年だったので教採を受け損ねました。院は金美の製品デザインに出願しています。教材作りの研究をしようと思っています」と自身の今後について語ります。

「武装としてのファッション」を文字通り体現したチェインメイルドレス。2021年2月14日~3月1日まで金沢21世紀美術館市民ギャラリーA・Bで開催される金沢美術工芸大学の卒展で実際に見ることができます。入場は無料。「コロナ禍で校舎での作業がなかなか出来なかったり、教育実習の予定が秋にずれ込んだ事でかなり厳しいかと思われたのですが、美大生をステイホームさせたら製作が捗り、逆に大作揃いになりました。教授たちもびっくりです。学部卒業生約150人による超ボリューミーな展示です。是非来てください!」とのことなので、要注目です。

※画像提供:希宮さん
https://twitter.com/1_saboten [リンク]

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