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映画『泣く子はいねぇが』主題歌&劇伴 折坂悠太さんインタビュー「冷たさや寂しさを優しく包み込むような音楽を」



是枝裕和が惚れ込んだ新たな才能、佐藤快磨(さとう たくま)監督の劇場デビュー作となる映画『泣く子はいねぇが』が11月20日より公開となります。秋田を舞台に、親になることからも、大人になることからも逃げてしまった主人公が、過去の過ちと向き合い、不器用ながらも青年から大人へ成長する姿を描いた本作。主人公のたすくを仲野太賀さん、妻のことねを吉岡里帆さんが演じています。


本作で、劇伴、主題歌を担当しているのがシンガーソングライターの折坂悠太さん。2018年10月にリリースした2ndアルバム『平成』がCDショップ大賞を受賞するなど音楽好きから熱い支持を受ける折坂さんが、本作の音楽制作でこだわった点とは? お話を伺いました。


【動画】映画『泣く子はいねぇが』本予告

https://www.youtube.com/watch?v=JVMnxaod7MA [リンク]



△折坂悠太さん


――本作、お話も音楽も堪能させていただきました。劇伴を担当されることになったきっかけを教えてください。


折坂:きっかけは、最初僕の方に、監督から依頼をいただいて、そのあとに太賀さんからも直接「こういう作品があるので検討してください」という連絡をもらい、脚本を読ませてもらって、これは素晴らしいなとお受けすることになりました。


――太賀さんとも親交があるのですね!


折坂:雑誌の対談で初めてお会いして、その時、太賀さんに写真を撮ってもらったりしたんですけど、それがきっかけでライブにも来ていただくようになって。そこから始まった感じですね。


――素敵なご関係ですね!作品をご覧になった感想を教えてください。


折坂:編集段階から見せてもらっていました。完全に編集されていないもっと早い段階から拝見していて、だんだん物語が構築されていく様子を見られたので、これは貴重な体験だなと思いました。それがすごく楽しかったのと、画面から伝わってくる男鹿の風景が…実は僕はそこにまだ行ったことが無いんですけれど、すごく肌で伝わってくるような映像で、とても印象深かったですね。



――地方特有の雰囲気がある作品だと思います。音楽でどの様に演出しようと意識したことはありますか?


折坂:主人公の心情もそうですし、風景も冬だったこともあって、すごく寂しい感じと言うか、地方特有の怖さを感じました。そういったものに寄り添いながらも、あまり寄り添いすぎず、お母さんからの視点と言うか、冷たさや寂しさを優しく包み込むような感じで音楽が作れたらいいなと言うのは、取り掛かる前から思っていました。


――主題歌と劇伴は平行して進んでいたんですか。


折坂:まずは主題歌を作ってもらいたいというお話だったので、主題歌から作り始めていきました。


――途中から劇伴のオファーも?


折坂:そうですね。最初に主題歌と、劇伴もできればという感じだったので、まずは主題歌というのが頭にありました。そこからなんとなく作り始めて。映像が出来た段階でそれを観ながら直接音を当てたという感じでやりました。


――普段の楽曲制作と、こういう映像に寄り添う形の音楽の制作は違うものですか。


折坂:違うものかなと思っていたんですけど、そういう意味では自分が作る歌と映画に音楽をつけるということと、共通点がいっぱいあるなと思ったし、むしろ歌を作るよりもスムーズに自然に枠ができた感じがあります。



――ご自身が作られた音楽が入った本編をご覧になっていかがでしたか?完成版が出来る前からの印象や思い入れとは違いましたか?


折坂:自分が作ったものなので、いろんな思いもあるんですけど…。でも最初に思った、俯瞰した視点で、物語に対するいい距離感で音楽をいれられたなというのは思いました。劇伴をやらせてもらうこと自体初めてだったのですが、制作が終わった後にまたやりたいなという気持ちがすごく強く湧きました。


――折坂さんが好きな映画音楽や、音楽が好きな作品を教えてください。


折坂:ある気もするんですが…、これをやる前は映画音楽を意識して何かを見ると引っ張られると思ってあまり見なかったんです。今回の仕事を終えた後に、すごく遅ればせながらなんですが、「万引き家族」を観て、細野さんの音楽が、寄り添い方みたいなものが自分とは違うなとは思いましたけど、すごく勉強になりました。


――折坂さんが音楽を作り続けるモチベーションや活力を教えてください。


折坂:音楽を作り始めたきっかけは単純に物を作るのが好きだったって言うのもありますが、自己顕示欲というか、そういうのが強かったのかなと思います。最近はそういうものよりは、自分の音楽が自分にとっての希望になったり、聞いている人も、それこそ映画のような感じで、その人の人生に寄り添うものになったらいいなと。自分の人生もそうですけど、寄り添う音楽でありたいなという風には思って、それがうまくその時代の雰囲気とか、そこに生きる人のしんどさみたいな質も変わってくると思うんですけど、そういうものをうまく描けたなって思ったときには、これが僕のモチベーションだなと思います。


――今日は貴重なお話をどうもありがとうございました!





【ストーリー】

たすくは、娘が生まれ喜びの中にいた。一方、妻・ことねは、子供じみて、父になる覚悟が見えないたすくに限界を感じていた。大晦日の夜、たすくはことねに「酒を飲まずに早く帰る」と約束を交わし、地元の伝統行事「男鹿のナマハゲ」に例年通り参加する。しかし結果、酒を断ることができずに泥酔したたすくは、溜め込んだ鬱憤を晴らすように「ナマハゲ」の面をつけたまま全裸で男鹿の街へ走り出す。そしてその姿をテレビで全国放送されてしまうのだった――。 それから2年の月日が流れ、たすくは東京にいた。ことねには愛想をつかされ、地元にも到底いられず、逃げるように上京したものの、そこにも居場所は見つからず、くすぶった生活を送っていた。そんな矢先、親友の志波からことねの近況を聞く。ことねと娘への強い想いを再認識したたすくは、ようやく自らの愚行と向き合い、地元に戻る決意をする。だが、現実はそう容易いものではなかった…。


(C)2020「泣く子はいねぇが」製作委員会


―― 会いたい人に会いに行こう、見たいものを見に行こう『ガジェット通信(GetNews)』
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