ニュースサイト『Buzzfeed Japan』が、2020年10月19日に、サントリー『ストロングゼロ』に関する広告記事を配信。2020年1月にアルコール度数9%の「ストロング系チューハイ」について「危険ドラッグ」として警鐘を鳴らす記事を掲載していたこともあり、主に医療関係者などから失望の声が上がっています。
バズフィード対決!!レディーゴー!
ストロング系チューハイに薬物依存研究の第一人者がもの申す 「違法薬物でもこんなに乱れることはありません」 https://t.co/itt5ZIpnIl
VS
「ストロングゼロ」がまさかの進化でおいしさマシマシだよ…!! https://t.co/K3HYzzBbOO@suntoryより
—日本大好き2(六四天安門、財務省設置法改正!経世済民→消費税撤廃、NHK の押し売り強盗行為阻止) (@I_love_nippon) October 19, 2020
国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所薬物依存研究部長、薬物依存症センターセンター長で、『Buzzfeed』の取材に答えている松本俊彦氏は、Facebookで次のようにコメントしています。
BuzzFeedよ、今年の元旦に私が御社インタビュー記事で、「ストロング系アルコール飲料は危険ドラッグ」と警鐘を鳴らして、バズったのを忘れたのか? 同じ会社からまるで正反対の記事はまずいだろう? 関係者各位は猛省せよ。
また、酒税法改正により、2020年10月からこれまで「新ジャンル」とされ比較的安価だったビール系飲料の税額が37.8円に上がった事と比較して、チューハイ系は税額がそのまま28%に据え置かれていることについて、批判の声も上がっています。
ストロングゼロ問題
1.安い
2.美味しい
3.比較的簡単に手入
4.カジュアルなCMのため、若い人たちにも広がっている
5.アルコール度数が高く、トラブルを起こしやすい
6.アルコール度数が高く、トラブルを起こしやすい
7.アルコール度数が高く、トラブルを起こしやすい
大切なことは3回—宮原篤 / 書籍「小児科医ママとパパのやさしい予防接種BOOK」@9月21日発売 (@atsushimiyahara) October 20, 2020
そもそもストロング系チューハイの問題は、「ビジョンなき酒税法改正」にある。要は、安すぎ。
ストロングゼロ問題
1.安い
2.美味しい
3.比較的簡単に手入
4.カジュアルなCMのため、若い人たちにも広がっている
5.アルコール度数が高く、トラブルを起こしやすい
6.アルコール度数が高く、トラブルを起こしやすい
7.アルコール度数が高く、トラブルを起こしやすい
大切なことは3回
サントリーに取材したところ、広告出稿の経緯については明かさなかったものの、「弊社では、お酒を美味しく召し上がっていただくと同時に、アルコール関連問題の予防と適正飲酒の啓発を目的とした活動を続けており、サントリーホームページ上に“Drink Smart”(https://www.suntory.co.jp/arp/)として掲載しております」といい、2014年に施行されたアルコール健康障害対策基本法に基づき、不適切な飲酒の誘引防止のための自主的な取り組みとして、テレビ広告で使用するタレントの年齢を25歳以上に引き上げ、テレビ広告の飲酒表現の効果音を使わないことなどを実施していると強調。「重・性別・年齢・アルコールの分解能力の違いなどにより、お酒の適量にはかなり個人差がございますので、お客様の適量と体調を考えて、新しくなった『-196℃ストロングゼロ』をお楽しみいただければと思います」としています。ただ、“Drink Smart”のバナーは各ページの下部に小さく表示されているので、気づかない人がいる可能性が否めません。
厚生労働省の平成30年国民健康・栄養調査報告によると、1日当たりの純アルコール摂取量が男性40g以上、女性20g以上の「生活習慣病のリスクを高める量の飲酒をしている者」は男性15.1%、女性7.5%となっており、平成22年と比較して男性は横ばい、女性はやや上昇傾向にあります。また、年齢層では40~50代が多い傾向にあります。この調査では、男性の場合毎日1日2合以上飲んでいると該当し、7%のチューハイ350mlが清酒1合の量に「ほぼ相当する」とされています。
一方で、アルコール依存症の推計数は平成24年のデータで約58万人とされていますが、「専門治療を受けたことがある」と答えた人は22%に留まっています。
正反対の内容のコンテンツが掲載されたことを問題視する声が大きかった今回の『Buzzfeed』のケース。アルコールを摂取することのリスクについて啓発する必要があることは異論のないところではありますが、多くの愛飲者が節度を持って楽しんでいることもあり、悪者探しをするのではなく、「なぜ依存症になってしまう人が生まれてしまうのか」という事に目を向けると、より建設的な議論が展開されるのではないでしょうか。
―― 面白い未来、探求メディア 『ガジェット通信(GetNews)』