「事故物件」…それは殺人・自殺・火災による死亡事故等があった“いわくつき”の部屋。そんな事故物件に住み続けている1人の芸人がいる……彼の名は松原タニシ。として活動するタニシ氏の実体験による著書で、「恐すぎて部屋に 入れない」読者が続出したベストセラーノンフィクション「事故物件怪談 恐い間取り」が映画化。映画『事故物件 恐い間取り』が、 8月28日(金)より全国公開となります。
主演はKAT-TUNのメンバーとして絶大な人気を誇り、数々のドラマ・映画にも出演する亀梨和也さん。売れない芸人・山野ヤマメ役とし て、ホラー映画には本作で初出演となる。監督を務めるのは、『リング』(98)で日本映画界のホラーブームを牽引しその後も数々 のヒット作・話題作を生み出し、『スマホを落としただけなのに』(18)の大ヒットも記憶に新しいホラー映画の巨匠・中田秀夫監督です。
今回、主演の亀梨さんと原作の松原さんの2ショットインタビューが実現! 亀梨さんの心霊(?!)エピソードなど、お話を伺いました。
チャレンジ精神旺盛な亀梨さんでも、まだやったことが無い「アレ」とは
●亀梨さんにうかがいますが、松原タニシさんの原作をどのように受けとめて撮影に入りましたか?
亀梨:原作を読み進めていくうちに読者として、イマジネーションを膨らませていくことの怖さはありましたよね。作品のディテールについての自分の感覚は、撮影が始まって参加していく時に役作りも含めて提示させていくことはありましたが、大きな枠組みというところではプロデューサーさん、監督の意向をしっかり汲み取りながら、やっていこうと思いました。
キャラクターについてはタニシさんという実在の人物の実話でもあるので、自分の中の感覚の中に従って、どれくらいタニシさんの要素をヤマメに吹き込んでいくかは、しっかりと慎重に割合もジャッジしました。これがタニシさん本人の名前のキャラクターであれば、また違ったアプローチとなって、もっとよりビジュアルも含めて寄せる戦略もあったと思いますが、今回は別人のヤマメということで、その要素とその中にタニシさんの割合を入れていく作業がありました。
●ヤマメというキャラクターをモノにするために、どう手がかりを探しましたか?
亀梨:たくさんタニシさんにインタビューもさせていただいたし、タニシさんが出ている番組も観させていただきました。でも、自宅で観るのがアレで(笑)。だから移動の途中で観たりしました。一日頑張った後に怖いものを観る生活が自分の中になかったもので原作もそうでしたが、撮影前に何本かプロデューサーさんからホラー映画を参考までにいただいても、観るまでにちょっと時間がかかりましたね。最初の5分くらいを観て、「うん、今日じゃねえな」みたいな(笑)。心に余裕がある時に観るというか、悩み事があってコメディー映画で思い切り笑いたい、あるいは泣きたいという気持ちはわかるけれど、疲れている時にホラーにはなかなか手が伸びなかったですね。
●タニシさんは自分の実体験の本が映画化され、さらには自分の役を亀梨さんが演じることについてどう思われましたか?
松原:嘘だろうなって思いましたね。ドッキリか何かかと。
亀梨:テレビの企画か何かかと(笑)?
松原:本当に疑問しかなかったですね。なぜ亀梨さんが出られるんだろうと、結局は気持ちの整理がつかないままクランクインを迎えて実際にお会いした時に、なんか納得できる部分があったんですよね。チャレンジ精神が旺盛な方というか、何でもちゃんと向き合いますよね?
亀梨:でも今だにお好み焼きとご飯はやったことないですけどね。
松原:そこはまだなんだ。ちゃんとNGはあるんだな(笑)。
亀梨:その扉はまだ開いていないです(笑)。
松原:ただ、この事故物件の扉はよく開けてくれたなと思いましたけどね。事故物件の売れないお笑い芸人役で、しかも初のホラー。
亀梨:そうですね。自分としてもチャレンジというか。
松原:すごくチャレンジされる方だなって納得がいったんですよ。
「夜中にJr.の子たちの騒ぎ声が」「プリクラを撮ろうとしたら…」 亀梨さんの心霊エピソード
●映画を観ていかがでした?
松原:もう、めっちゃくちゃ面白かったですよ!いろいろな面白さがありました。
亀梨:ここに自分がいるってすごいって、自分でも思いました。
松原:亀梨さんはもちろん、映画そのものもチャレンジばっかりで。ほかと比べるものがないような作品になっていると思いました。面白さもあって、切なさもあって。ラブもあっての怖いもあるので。
亀梨:僕は現場にいた側なので、怖いの測り方が難しいんですよね。ホラー部分の要素が全部わかっているので、だからはじめて観た時のリアクションを持ち合わせていないんですよね。撮影もカット割があるなかで撮っているので、次にこういうアングルで来るなとか、こういう仕掛けがあることもわかっている。それでもゾクッとすることはありましたが。
松原:ロール・プレイング感もありますよね。レベルアップして次のステージに行くような。
亀梨:人生の成長ですよね(笑)。
●タニシさんはわかるのですが、亀梨さんは心霊体験はありますか?
亀梨:あります。夢だったかどうかあいまいなのですが、寝ていて横に人が立っている気配を感じたり。目を開けたら目が合って、それから視界が真っ赤になって、それこそ本当に金縛りで動けないとか。ツアー中も寝ていて、夜中にJr.の子たちがすごく騒いでいると思ったら、まてよ、彼らとはホテルが違うよなって。
松原:怖いな、その話!
亀梨:ホテル多いですね。実際にはいないんですよ。
松原:初めて聞くパターンの怖い話ですよ。
亀梨:テレビがプチンと消えて、シャワー浴びている時もなんか嫌な感じがして、ちょっと換気しようと思って窓を開けたら目の前がお墓で。ホテル系は多いですかね。僕が感じやすいというよりは、疲れているのかわからないですけど。
●アイドルをしていると生霊がつくと聞いたことがあり、ファンの方にもらったりもするようですが。
亀梨:高校時代にお付き合いをしていたわけじゃないのですが、クラスの女の子にプリクラを一緒に撮ってほしいって言われて。本当はアレなんですけど、撮ったんです。そしたら機械がボン!となって。
松原:すげえな(笑)。
亀梨:ツーショットでプリクラ撮るからだなと。
●事務所の念ですかね。
亀梨:そうなのかどうなのか(笑)、そういうことはありました。あとは具体的なエピソードじゃないのですが、ライブ終わりは気持ちよい疲れと、受け取ったなという実感があるような気がします。出したなっていう実感もあるけれど、きたなっていう実感もある。それがいい疲れの心地よさとあいまって、決して嫌な感覚ではないのですが。
タニシさん「亀梨さんはもう、オカルトヒーローですよね」
●タニシさんはライブ終わりに高揚感を感じたことは?
松原:まったくないですね。なにひとつ感じたことはないです。手応えはまったくないですし、重いという感覚もないです(笑)。
●先ほど扉を開けられたと言われていましたが、うかがっているとエピソードが厚いので、そもそもこっちの界隈の人だったのでは?
松原:エピソード、厚いですよね(笑)。
亀梨:やばい奴ですか(笑)。
松原:いやもう、オカルトヒーローですよね。
亀梨:いや、だからこそ余計に、お話をいただいた時にやっていいものかどうか悩みましたよ。こういうことを自分が仕事として扱うこと、そこに本当に向き合ってはたしていいものかどうなのか。何かが起こることも嫌だし、それは一番悩んだことですね。ホラーが嫌だとかそういうことではなく、そこに踏み入る時間。最後の押し問答で葛藤がありました。
●今、どうですか?
亀梨:今……もうやっちゃいましたから(笑)。逆にプロモーションと公開までは、ちゃんと気をつけようと思っていました。本当に、車のスライドドアがタニシさんと会う日は自動じゃなくなってしまうので。
松原:まじすか。スライドドアが。
亀梨:あのスライドドアが。この作品のオファーをいただいてから、どうも車の調子がよくない。タニシさんが現場に来てくださった帰りも、塩めちゃくちゃまきましたよ(笑)。マネージャーさんも右手に常に持っていてくれています。
●タニシさん的にはようこそ亀梨さん、な感じですか?
松原:いや(笑)。どうとも言えないというか、僕自身もオカルトにどっぷりの人間とは自分では思ってなくてですね、なるべくしてなってしまったということなので、亀梨さんには無事でいてほしいと思います。ただ、敵と思ったら向こうもやってくるらしい。実は僕自身もそうやって何度か乗り越えてきた感じがある。亀梨さんにもちょっとしたいたずらはあると思うので、じゃれている程度にかわしたほうがいいと思います。
亀梨:お腹空いている方にご飯を提供するくらいの気持ちで接すると「落ち着いたか」みたいなことはある気がするんですよね。
松原:その感覚はいいなあ(笑)。
『事故物件 恐い間取り』
■原作: 松原タニシ「事故物件怪談 恐い間取り」(二見書房刊)
■出 演: 亀梨和也
奈緒 瀬戸康史
江口のりこ MEGUMI 真魚 瀧川英次 木下ほうか
加藤諒 坂口涼太郎 中田クルミ 団長安田 クロちゃん バービー 宇野祥平 高田純次 小手伸也 / 有野晋哉・濱口優(友情出演)
■監 督: 中田秀夫
■脚 本: ブラジリィー・アン・山田
■音 楽: fox capture plan
■企画・配給: 松竹
■公式HP: movies.shochiku.co.jp/jikobukken-movie
■公式Twitter/Instagram: @jikobukken2020
■クレジット:(C)2020「事故物件 恐い間取り」製作委員会
(執筆者: ときたたかし)
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