2020年5月に、署名サイト『change.org』で「亀田製菓さん、ブルボンさん:プラスチックの過剰包装を無くしてください!」という署名が都内の高校に通う一年生によって立ち上げれ、18000人以上の賛同者を集めて、28日に亀田製薬、29日にブルボンと署名提出と意見交換の時間が持たれました。署名を発起した高校生は活動報告で「亀田製菓様が新聞取材を受けてくださったことや、ブルボン様がプレスリリースをしてくださったことで、多くの人に両社のこれまでの取り組みやこれから改善を目指していく点などが明確に伝わったと思います」として感謝の言葉を綴っています。
それに先立つ7月27日に発表されたブルボンのプレスリリースでは、「プラスチックごみの削減の趣旨につきましては、全くその通りであり当社と方向性が一致するものと考えています」とした上で、包装について「食品の保護や安全性の確保」、トレーについて「お菓子の特性に応じて商品の状態を保持するため」、個包装は「少子高齢化社会や個食の時代的ニーズに合わせて外装を開封後の商品保存を可能とするためや、楽しくシェアしてご利用いただくときにも安心なアレルギー表示をお伝えするなどの目的で使用しています」と説明。
また、「コンパクトな包装となるようにサイズや材質を随時見直し、過剰包装とならないようできるだけ工夫している」としているだけでなく、植物由来のバイオマスプラスチックを『アルフォート』『レザンヌ』のトレーなどに既に採用していることなど、、SDGs(持続可能な開発目標)を意識した取り組みをしていることを示しています。
プラスチック包装削減のご意見と署名の受領について(PDF)
https://www.bourbon.co.jp/static/pdf/purasutikkuhousousakugennnogoikenntosyomeinojyuryou.pdf [リンク]
ブルボンの広報管理課によると、今回の電子署名を把握したのは「5月中旬です」とのこと。同社の『環境報告書2020』では、「バイオプラスチックを使用した商品を年間3品導入」との目標を立てていますが、「商品を流通させるために、包装に求められる必要な要件を満たしながら実施可能な新技術や工夫を取り入れ、継続した低減活動を行っていくことがより一層求められていると感じています。これからも思いを一つにする共存の考えを深めながら継続して取り組んでいきます」としています。
市町村からの分別基準適合物の引取りや再商品化事業者への再商品化業務の委託、再商品化に関する普及・啓発、情報の収集および提供を行っている日本容器包装リサイクル協会(容リ協)の資料によると、平成30年度の「家庭からの排出量」が129.2万トンなのに対して、「市町村の収集」の74.1万トンとなっています。これについて、容リ協の企画広報部担当者は「2つの量の集計年度が1年異なるため正確な差分は記載されていません」とデータの年度等に差異が生じているとした上で、「主な理由は、容リ法上の対象となるプラスチック製容器包装として市町村に分別収集されない量が差し引かれているためです。例えば、当協会と契約をせず独自に容器包装プラを処理している市町村の収集分はここには含まれません」といい、家庭などでのゴミ分別が不十分なことが原因である可能性を示唆しています。
また、同協会が引き取り事業者に委託されたプラスチック製容器包装に関しては、再商品化工程で発生した残渣の処理については、一部サーマルリサイクル(熱資源処理)を行っている以外は、製品の原料として再利用するマテリアルリサイクル、化学的に分解して化学製品の原料として再利用するケミカルリサイクルとなり、新たな製品へと生まれ変わっているとしています。
容リ協の担当者によると、今回の署名について「一部のプラスチック製容器包装事業部担当者が把握しておりました」といい、事業者からの関心の高さを感じることができました。ネットでは賛否両論が上がっていましたが、ブルボンの担当者は「リサイクルシステムの再構築や分別方法の分かりやすさが必要と思います」とコメントしており、消費者としては、まず自治体が定めたゴミの分別ルールを徹底して守ることが、環境保全の第一歩になるのではないでしょうか。
環境への取組み(ブルボン)
https://www.bourbon.co.jp/company/csr/environment.html [リンク]
公益財団法人日本容器包装リサイクル協会
https://www.jcpra.or.jp/ [リンク]
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