突然ですが、クイズです。
声が出やすくなるのは、A、B、どっち?
ボイストレーニングと言えば「腹式呼吸」、「腹式呼吸」と言えば「腹筋」、腹筋を鍛えて、腹筋に力を入れれば良い声が出る、と思う人は多いと思いますが、実はこれは間違いです。
なぜなら……笑うときに使っている筋肉は腹筋ではないから。
笑うこと? それと発声とどういう関係が? と思われる方は多いと思います。実は、笑うことは発声の基本、アドバンスな発声であるスタッカートを極限にまで早く行っていることになるのです。例えば腹筋に力を入れてしまうと、笑うどころかお腹周りが苦しくさえ感じられてしまいますよね。うまく笑えません。つまり、腹筋に力をいれると自然な発声もできなくなるんです。
実は発声に必要な筋肉は腹筋ではなく大腰筋です。
女性にはお腹を引き締めてくれる腸腰筋という方が馴染み深いかもしれませんが、大腰筋はその中に含まれる筋肉です。大腰筋は腹筋の両脇に位置していて、笑うと自然にそこが震えます。ところが、腹筋に力をいれてしまうと、この大腰筋がスムーズに動かなくなってしまうのです。したがって、「腹筋に力を入れない」ほうが、声が出やすくなる、と言えるんですね。
つまり答えはBの「腹筋に力を入れずに声を出す」です。
「お腹の筋肉と言えば腹筋だ」という間違った知識から、「発声=腹筋」という考え方が巷には蔓延してしまっていますが、発声に必要な筋肉、鍛えなければいけない筋肉は、腹筋ではなく大腰筋なんです。美容にも有効、発声にも有効、とても頼りになる筋肉なのです。
書籍『人生を変える「勝ち声」「負け声」』には、声にまつわる陥りやすい間違いが、こんな風に二択のクイズ形式で掲載されていて、科学的&医学的に正しい知識を得て頂けます。ぜひ二択のクイズで楽しみながら、あなたの「勝ち声」を手に入れてください。
『人生を変える「勝ち声」「負け声」』
(リットーミュージック刊)著者:小泉誠司
定価:本体1,500円+税PROFILE 小泉誠司(コイズミ セイジ)
ボイストレーナー/プロデューサー/アレンジャー/作曲家。アメリカ、ボストンのバークリー音楽大学卒、音楽学位を習得。帰国後数々のアーティスト/タレントの作曲、編曲、プロデュースする一方、ボイストレーニングを始めとする新人育成にも力を注ぎ、数多くのアーティストをデビューさせた実績を持つ。伝説のオーディションと言われるテレビ東京「ASAYAN」をはじめ、数々のオーディションでボイストレーニングのレッスンと審査を行う他、機動戦士ガンダムの主題歌の作曲も手がけるなど、多様なメディアでも活躍。著名アーティストや人気俳優はもちろんのこと、政治家、セミナー講師、医師、弁護士といった業界外からの依頼によるボイストレーニングも多数行っている。テレビ東京「〇〇式って効くの?歌下手が3時間で…激変!?」」をはじめ、TV出演も多数、メディアでの指導にも定評がある。著書に『ボイトレの“当たり前”は間違いだらけ すぐに歌がうまくなる新常識』などがある。
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(執筆者: リットーミュージックと立東舎の中の人) ※あなたもガジェット通信で文章を執筆してみませんか
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