世界最高峰の頭脳が集うNASA(米航空宇宙局)の手にかかると、衝撃波もこんなに“インスタ映え”するんだね?
この度NASAが公開したのは、超音速飛行する2機の飛行機から発生した衝撃波の画像(を分かりやすいように着色したもの)。衝撃波同士がどのように相互作用するかを理解するために、10年以上もかけて開発してきた高度な空対空写真撮影技術によってとらえられたものだという。
最新の撮影機材を搭載したプロペラ機の下、わずか600メートルほどしか離れていないところを2機の超音速ジェット機に密な編隊で飛んでもらい、その時に発生した衝撃波を撮影した。1秒間に最大1400コマ撮影できるとはいえ、撮影のチャンスはほんの一瞬。3機すべての飛行機を指定したタイミングに指定した位置にいるように飛ばすことも大きな課題だった。NASAの研究者たちは、「後続機が先行機の航跡の中を飛ぶために、衝撃波が相互作用によって異なる形になっているのが興味深い」「最初のデータを見ただけでも、想像していたよりも上手くいった。非常に大きな前進だ」などと実験の意義を語っている。
飛行機などが音速を超える速度で飛ぶ時の衝撃波で生じるソニックブームは、遠く離れた地上までさほど減衰することなく届き、その時に聞こえる爆音が騒音として問題になったり、酷い時には窓ガラスが割れたりする被害が発生することもある。NASAでは衝撃波の発生を最小限に抑えた将来の超音速機研究のための実験機“X-59”を開発中で、今回得られた衝撃波の特性に関する知見は、その機体の開発に活かされるということだ。
動画:NASA Captures First Air-to-Air Images of Supersonic Shockwave Interaction in Flight(YouTube)
https://www.youtube.com/watch?v=443RLEnu_UI[リンク]
画像とソース引用:NASA公式サイトより
https://www.nasa.gov/centers/armstrong/features/supersonic-shockwave-interaction.html[リンク]
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