アフリカ・ケニアのツァボで撮影された、巨大な牙を持つメスのアフリカゾウの映像が公開されました。地球上に20頭も生き残っていないとみられる、地面に届くほど長い牙を持つアフリカゾウの貴重な姿です。
動画:BeetleCam in Land of Giants(YouTube)
https://www.youtube.com/watch?v=uUIOczYzDvQ[リンク]
“F_MU1”の個体識別名を与えられたこのゾウを撮影したのはウィル・バラード・ルーカスさん。彼は今年の2月に、100年ぶりにクロヒョウの撮影に成功したことでも知られるイギリスの動物写真家です。
2017年の8月からツァボのアフリカゾウに焦点を当てた写真集の制作に取り掛かっていたルーカスさんは、現地の野生動物保護団体の協力を得て、スイスほどの面積がある広大なサバンナで“F_MU1”の群れとの接触に成功。ゾウを至近距離から撮影するために開発したラジコン式の“カブトムシカメラ”なども駆使して、ゾウたちに蹴られながらも迫力のある姿を撮影することに成功しました。
群れの中でひときわ大きな牙を持つゾウが“F_MU1”。長年アフリカゾウを見てきたルーカスさんも、初めて彼女を見た時はとても驚き言葉を失いました。60年以上生きていると考えられている彼女はやせ細っていましたが堂々としていて優美で、ゾウの女王がいるとしたらきっと彼女だと思ったそうです。その長い牙は旧時代の遺物・マンモスを思い起こさせます。
立派な牙を持ったゾウは密猟者の標的になりやすく、生殖可能年齢になる前に殺されてしまうことも多いため、牙を成長させる遺伝子を持ったゾウはますます少なくなってきています。“F_MU1”のような地面に届くほど大きな牙を持つゾウは現地で「tusker」と呼ばれ、その数は世界に20頭もいないとみられています。ちなみに、“F_MU1”もルーカスさんがこの映像を撮った後に自然的要因で死亡したということです。
画像とソース引用:『YouTube』及びルーカスさんのブログより
http://blog.burrard-lucas.com/2019/03/elephant-queen/[リンク]
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