Amazonが12月12日から出荷を開始したスマートスピーカー『Amazon Echo Show』(以下『Echo Show』のレビューをお届けします。
国内初登場の『Echo Show』 外観をチェック
『Echo Show』は、10.1インチのタッチスクリーンを搭載したAlexa対応のスマートスピーカー。国内では丸い小型スクリーンを搭載した『Echo Spot』が発売されていましたが、『Echo Show』は第二世代で国内に初登場となります。
本体背面にはファブリック素材を使用し、内部に2インチのネオジムドライバーを2基とパッシブ・バス・ラジエーターを搭載。Dolbyプロセッシングを採用し、迫力ある低音と鮮明な高音の再生が可能。背面がくさび状にすぼまった形状なので画面が薄く見え、正面から見て圧迫感のない印象を持たせています。
画面上部に音量ボタンとスピーカーのON/OFFボタンがあるだけで、後は音声とタッチパネルにより操作します。電源ボタンはなく、背面にACアダプターを接続すると電源がONになります。ACアダプターの端子を奥までしっかり押し込まないと電源が入らないので、最初は若干注意が必要です。
簡単なセットアップで使用可能に
初回起動時は言語を選択し、Wi-Fiを設定してからAmazonアカウントでログインして設定が完了します。ソフトウェアキーボードは、テーブルに置いて両手で操作しやすいセパレート型のキーボード。底面にはゴム素材を使用しているので、置いた状態で安定して操作することができます。
スマートスピーカーで“分かること”や“できること”が大幅に増えた
設定できたのでさっそく「アレクサ、今日の天気は?」と話しかけてみます。その日の天気と最高気温・最低気温を音声で回答しつつ、画面にも週間天気などをビジュアルで表示。音声より情報量の多い天気予報が確認できます。
「アレクサ、水を注文する」「アレクサ、カップラーメンを注文する」と話しかけると、Amazonの検索結果上位の商品を表示。「これを購入」をタップして購入したり、「カートに追加」をタップしてショッピングカートに追加することができます。
カートに追加した商品はAmazonのアプリやウェブサイトで確認してからも注文できるほか、『Alexa』アプリでチェックした商品を確認できます。『Echo Show』から商品を探すのは難しいですが、決まった物を注文するのはステップが少なく済みそうです。
スクリーンが付加価値を生んでいるのが、音楽の再生。『Amazon Music』で音楽を再生すると、対応する楽曲では画面に歌詞が表示されます。『Amazon Echo』と比べてサウンドはクリアかつパワフルで、視覚・聴覚共に大幅に表現力がアップする印象。
「アレクサ、Firefoxを開いて」と話しかけると、ウェブブラウザ―が利用可能。Google検索で検索したりURLを入力して、大画面でウェブサイトを閲覧することができます。『YouTube』も『Firefox』から利用が可能。
音声操作した結果の画面は、そのまま表示された状態になります。ホーム画面に戻るには、「アレクサ、ホームに戻って」と音声操作するか、画面を上から下にスワイプして表示されるメニューから「ホーム」をタップします。メニューでは明るさやアラームの設定、スマートホーム機能による照明の設定やZigbee対応機器を使った定型アクションの設定が可能。
スクリーン対応のスキルはまだ少数
『Echo』シリーズには、様々な機能やサービスを『Alexaスキル』という形式で追加することができますが、既にスクリーンに対応した『Alexaスキル』がいくつか提供されています。
『NHKニュース』は、動画形式のニュースを提供。「アレクサ、今日のニュースは?」と話しかけて再生されるフラッシュニュースの1コンテンツという位置づけになりますが、この部分だけ見るとテレビでニュース番組を見ている気分に。今後、動画に対応するニューススキルが増えることで、よりリッチなニュースの視聴体験が期待できます。
『クックパッド』は材料や調理法でレシピを選び、画面に表示可能。『DELISH KITCHEN』ではレシピ動画を見ることもできます。
『出前館』ではメニューを見ながら注文して、決済にAmazon Payが利用可能。
スクリーンをうまく生かしたスキルはまだそれほど数は多くないですが、今後のラインアップ充実に期待したいところです。
これぞ本命! 『Prime Video』との相性が抜群
『Echo Show』で最も注目できる機能が、『Amazon Prime Video』(以下『Prime Video』)への対応。『Echo Spot』の発売時点では対応していませんでしたが、『Echo Show』出荷のタイミングでスクリーン搭載の『Echo』製品が『Prime Video』を再生できるようになったのです。
「アレクサ、Prime Videoを見せて」と話しかけると、『Prime Video』が起動します。今のところ「Prime Videoを開く」「Prime Videoを再生する」と話しかけても起動できないようなのでご注意を。
メニュー画面から「Prime Original」「Prime 映画」「Prime TV番組」を選択するとコンテンツの一覧を表示。タイル状で見やすく、選びやすいUIが採用されています。
タイトルを知っていれば「アレクサ、Prime Videoでドキュメンタルを再生して」と音声操作で再生できるほか、「10秒進めて」「1分戻して」と再生操作を音声で操れるのがなかなか便利。
10.1インチの画面は、1人か2人で見るには十分なサイズ。机やテーブルに置くと、座ったときにちょうど見やすい角度に画面が向き、どっしりと安定して置けるので安心感があります。そしてスピーカーからは迫力あるサウンド。タブレットで試聴するのとは別格の視聴環境が実現します。もう『Prime Video』専用端末にしてしまってよいのでは、と思うぐらい快適でした。
ビデオ通話やメッセージの受信に対応
前面には500万画素のカメラを搭載。スマートフォンの『Alexa』アプリで「呼びかけ」を実行すると『Echo Show』がビデオ通話モードになり、スマートフォンと『Echo Show』の間でビデオ通話ができるようになります。『Echo Show』同士、あるいは『Echo Show』と『Echo Spot』の間でもビデオ通話が可能。
プライバシーが気になる場合は、『Alexa』アプリから『Echo Show』の呼びかけへの対応をOFFにできるほか、『Echo Show』を“おやすみモード”に切り替えることで一時的に呼びかけを無効にできます。
スマートフォンの『Alexa』アプリから、テキストメッセージを送信することも可能。メッセージを受信した『Echo Show』は、内容を音声で読み上げてくれます。家族への伝言メモに活躍しそうですね。
『Echo Show』は、本体カラーがチャコールとサンドストーンの2種類をラインアップ。価格は2万7980円(税込み)です。
―― やわらかニュースサイト 『ガジェット通信(GetNews)』