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知ってた? 実は名作揃い! この夏に観たいおすすめの中東映画7選



第90回アカデミー賞外国語映画賞ノミネート、ジアド・ドゥエイリ監督作『判決、ふたつの希望』が8月31日より全国順次公開となります。


本作は、クエンティン・タランティーノ監督のアシスタント・カメラマンという経歴を持つジアド・ドゥエイリ監督最新作。ふたりの男性の間に起きた些細な口論が、ある侮辱的な言動をきっかけに裁判沙汰となり、国家を揺るがす騒乱にまで発展する……。監督自身の実体験をもとに作り上げた物語は、宗派や信条の違いを超えレバノン国内で爆発的な大ヒットを記録!さらに、第90回アカデミー賞ではレバノン史上初となる外国語映画賞ノミネートの快挙を成し遂げ、第74回ベネチア国際映画祭では、主演俳優のひとりが最優秀男優賞を受賞。米有名映画レビューサイト《ロッテン・トマト》で満足度90%の高評価を獲得(※2018/6/14時点)するなど世界中の映画ファンから圧倒的な支持を集める話題の最新作です。


中東の小国、レバノンが舞台となった作品でありながら、観る者を引き込む重厚な人間ドラマが描かれると共に、緊迫の裁判劇を楽しめる社会派法廷エンターテイメントとして日本でも久米宏氏、茂木健一郎氏、小島秀夫氏、町山智浩氏など各界から絶賛コメントが相次いでいる本作。内戦やテロ、難民や宗教問題といったネガティブなイメージも強く、あまり身近なイメージのない中東ではありますが、近年、その中東を舞台とした高品質な映画が多く公開されています。そこで今回は、今だからこそ観たい!おすすめの中東映画7選をご紹介します。



■『人生タクシー』(2017年4月15日公開)

【テヘランの街に暮らす乗客達の人生模様をリアルに描き出す、勇気とユーモアに満ち溢れた、新たな傑作】


テヘランのタクシー乗客を通して語られるイラン社会の核心をついた社会派ドラマ。ドキュメンタリータッチで描くユーモアと愛に溢れた作品で、イランの名匠ジャファル・パナヒ監督が政府への反体制的な活動を理由に映画監督禁止令を受けながらも、自身がタクシー運転手に扮しダッシュボードに置いたカメラで撮影した意欲作。


■『ラッカは静かに虐殺されている』(2018年4月14日公開)

【武器はスマホ。戦後最悪の内戦で勃発したニュータイプの戦争に迫るドキュメンタリー史上、最も緊迫した90分】


戦後史上最悪の人道危機と言われるシリア内戦。2014年6月、その内戦において過激思想と武力で勢力を拡大する「イスラム国」(IS)がシリア北部の街ラッカを制圧した。海外メディアも報じることができない惨状を国際社会に伝えるため、市民ジャーナリスト集団”RBSS”(Raqqa is Being Slaughtered Silently/ラッカは静かに虐殺されている)が秘密裡に結成。彼らはスマホを武器に「街の真実」を次々とSNSに投稿していく。しかし、RBSSの発信力に脅威を感じたISは直ぐにメンバーの暗殺計画に乗り出していく。


■『ラジオ・コバニ』(2018年公開5月12日公開)

【ISとの戦闘で瓦礫と化したシリア北部の街「コバニ」で大学生のディロバンは手作りのラジオ局をはじめる。】


トルコとの国境に近いシリア北部にあるクルド人街コバニ。2014 年 9 月から過激派組織「イスラム国」(IS)の占領下となるも、クルド人民防衛隊(YPG)による激しい迎撃と連合軍の空爆支援により、2015 年 1 月に解放された。人々はコバニに戻って来たが、数カ月にわたる戦闘で街の大半が瓦礫と化してしまっていた。 そんな中、20 歳の大学生ディロバンは、友人とラジオ局を立ち上げ、ラジオ番組「おはよう コバニ」の放送をはじめる。


■『ガザの美容室』(2018年公開6月23日公開)

【パレスチナ・ガザの小さな美容室を舞台に、戦争状態という日常をたくましく生きる女性たちを描く】


パレスチナ自治区、ガザ。クリスティンが経営する美容室は、女性客でにぎわっている。離婚調停中の主婦、ヒジャブを被った信心深い女性、結婚を控えた若い娘、出産間近の妊婦。皆それぞれ四方山話に興じ、午後の時間を過ごしていた。しかし通りの向こうで銃が発砲され、美容室は戦火の中に取り残される・・。


■『バンクシーを盗んだ男』(2018年公開8月4日公開)

【正体不明のアーティスト・バンクシーと彼のアートが世界の人々にもたらす影響力に迫るドキュメンタリー!】


2007年、バンクシーはパレスチナとイスラエルを分断する高さ8m、全長450kmにも及ぶ超巨大な壁にグラフィティアートを描くプロジェクトを強行。巨大な壁は一瞬にして彼らのキャンバスとなった。このニュースは世界的にも注目され、ベツレヘムには壁画を目当てに観光客が押し寄せた。しかし、プロジェクトの成功の裏では怒りを露わにする地元民が現れる。その原因はバンクシーが描いた「ロバと兵士」の壁画だ。パレスチナ人をロバとして描き貶められたと捉えた人々は壁画を切り取り、売り飛ばすことを決める。大手インターネットオークションサイト「eBay」に出品された「ロバと兵士」は世界を巡り、思わぬ波紋を呼ぶことになる…。


■『判決、ふたつの希望』(2018年8月31日公開)

【ふたりの男のささいな口論が国を揺るがす法廷争いに―彼らが見つけた新たな一歩に世界が震えた感動作】


住宅の補修作業を行っていたパレスチナ人のヤーセルと、キリスト教徒のレバノン人男性トニーが、アパートのバルコニーからの水漏れをめぐって諍いを起こす。このとき両者の間に起きたある侮辱的な言動をきっかけに対立は法廷へ持ち込まれる。やがて両者の弁護士が激烈な論戦を繰り広げるなか、この裁判に飛びついたメディアが両陣営の衝突を大々的に報じたことから裁判は巨大な政治問題となり、”ささいな口論”から始まった小さな事件はレバノン全土を震撼させる騒乱へと発展していくのだった……。


■『運命は踊る』(2018年9月29日公開)

【運命こそが最大のミステリー。残酷な誤報が家族の運命を翻弄する。】


イスラエル・テルアビブのアパート。家族のもとに、息子が戦死したとの連絡が入る。取り乱し、悲しみに打ちひしがれる両親。しかし、それは誤報であり、息子は生きていることがわかる。一方、戦う相手もいない前哨基地で間延びした時間を過ごす息子。 遠く離れたふたつの場所で、父、母、息子―3人の運命は交錯し、すれ違っていく。


(C)2017 TESSALIT PRODUCTIONS-ROUGE INTERNATIONAL-EZEKIEL FILMS-SCOPE PICTURES-DOURI FILMS.


その他、現在NETFLIXで配信中の映画「ベイルート」は、まさに内戦で荒廃したベイルートを舞台に描かれるサスペンスとして話題を呼ぶなど、今、日本ではジャンルを問わず中東映画が盛り上がっています。


本作の主人公、自動車修理工場を営むトニーと住宅補修の現場で働くヤーセル。なぜ、このふたりは裁判を起こしてまで争う必要があったのか?”ささいな口論”に国家を揺るがすまでの「何か」があったのか?ふたりが抱える過去のトラウマを紐解きながら、歴史の闇を浮き彫りにし、世界中で感動の声が相次ぐ映画『判決、ふたつの希望』。猛暑が続く今年の夏、涼しい映画館で、観たことのない新たな世界の扉を開いてみるのもいいのでは?


―― 表現する人、つくる人応援メディア 『ガジェット通信(GetNews)』
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