フィットビット・ジャパンはスマートウォッチ新製品『Fitbit Versa』発表会を開催した6月5日、アプリ開発者とユーザーを集めたカンファレンス『Fitbit Developers and Users Conference 2018 Versa』を開催。開発者向けSDKの説明や事例発表が行われました。
『Fitbit Versa』は軽量で丸みを帯びたデザインが特徴で、Fitbitが買収したスマートウォッチ『Pebble』のイメージに近いことから注目を集めている製品。カンファレンスでも、『Pebble』向けに文字盤を開発していた開発者による事例発表や、質疑応答で『Pebble』と比較した質問が出るなど、参加者の“Pebble愛”が感じられるイベントになりました。
Fitbit シニア・デベロッパー・エバンジェリストのフレドリック・ハーパー氏がFitbit SDKとウェブAPIについて解説。アプリケーションの開発時に必要な設定や、画面サイズが300×300の『Fitbit Ionic』と348×250の『Fitbit Versa』の両方に1回のコーディングで対応する方法、ウェブAPIでウォッチから計測値を取得する方法、開発者向けに情報を公開するウェブサイト( dev.fitbit.com )などが紹介されました。
続いて1人目の開発事例発表では、『Pebble』向けに開発した文字盤『toriwatch』『waniwatch』で知られ、『toriwatch』を『Fitbit』向けに移植してリリースしたバンクの岡田麻里氏が登壇しました。
開発ツールで新規プロジェクトを作成し、テンプレートの文字盤から背景を変更して任意の画像を表示するまでをその場で実演。心拍数・歩数の取得と表示、文字盤への任意のフォントの表示、設定による背景色の変更など『toriwatch』に実装した機能の事例を紹介したほか、文字盤を公開するためのギャラリーへの申請方法について説明しました。この日の発表スライドは岡田氏により公開されているので、興味のある人はご覧になってみては。
FitbitのClock faceを作ってみた / Fitbit Conference 2018 Versa –Speaker Deck
https://speakerdeck.com/mario_kada/fitbit-conference-2018-versa
2人目の事例発表では、アレグロスマート代表取締役社長CEOの田渕鳴利氏とアプリ開発を担当したAkama Satoshi氏が登壇しました。同社は『Fitbit Alta HR2』と自社開発のクラウドサービスを連携させて、スポーツ選手の健康を管理するシステムを上武大学に提供中。このクラウドサービスと連携する『Fitbit Versa』向けのストレス計測アプリ『StreSmiley(ストレスマイリー)』を開発した、というもの。
『Fitbit Versa』で計測した心拍数のリアルタイムの計測値を専用のスマートフォンアプリ経由で『AllegroSmart API』に渡し、心拍データから計算したストレス値をウォッチアプリ上で表示する仕組み。ストレスの度合いは数値とキャラクターの表情で示します。心拍数の数値を取得して送信するAPI、クラウドサービスによる計算結果をウォッチアプリがスマートフォンアプリから取得するAPIなどについて説明されたほか、開発上の注意点などが発表されました。
会場では来場者に『Fitbit Versa』が先行販売され、イベントの最後には書道と尺八の演奏によるパフォーマンスも披露されました。
『Fitbit Versa』は6月15日に発売。汚れに強く水泳に適したクラシックバンドのブラック、ピーチ、グレーの3色が2万8490円(税込み)。高級感のある布製バンドを組み合わせ、チャコール・ウーブン、ラベンダー・ウーブンの2色をラインアップした『Fitbit Versa スペシャル・エディション』は3万1320円(税込み)です。
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