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デジタルカードゲームアプリ『WAR OF BRAINS <Re:Boot>』(以下ウォーブレ)の初のトーナメントイベントが東京都内で行われました。
タカラトミー主催となるこのイベント、行われたのは2017年10月7日(土)。
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“勝利者”“征服者”を意味する『VICTOR』という名前を冠した初のイベントは、大きく分けて「予選・決勝トーナメント」、「オンライン番組『最果て出張所』公開収録」で構成されました。
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当日のステージスケジュールは次の通り。
・予選トーナメント
・大会開会式
・最果て出張所 午前の部
・エキシビジョンマッチ
・最果て出張所 午後の部・スペシャルライブ
・決勝トーナメント・表彰式・エンディング
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■ウォーブレ公式生放送『最果て出張所』
ウォーブレの公式生放送である『最果て出張所』も、この日は特別版。
午前の部にはおなじみ高橋伸也さんをはじめ、角元明日香さん、坂巻学さん、折笠るんさん、チャン石井さん、和田研究員と豪華メンバー。ベイ先輩こと駒形友梨さんはスケジュールの都合で残念ながらこの日はお休みでした。
エキシビジョンマッチを経て、午後の部では高橋伸也さん、角元明日香さん、voidさん、チャン石井さんでの放送。
いつものスタジオとは異なり、巨大なステージでの放送に、出演者の皆さんもちょっと興奮気味? でした。
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■決勝トーナメントオープニング~スペシャルライブ
予選を勝ち抜いたプレイヤー16名はこちらのルールで競い合います。
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決勝トーナメントルール
・シングルイリミネーション方式のトーナメント(BO3)
・事務局が用意した端末を使用
・事前申請した2つのデッキを使用
・各ラウンドの1試合をフィーチャーマッチとしてステージ上で行う
・優勝賞金40万円、準優勝20万円、3位は各10万円、5位は各5万円を授与
予選とは異なり、決勝では二つの国を使って勝ち抜かないといけないのがポイントのひとつとなります。
決勝トーナメント出場プレイヤー(都道府県・予選使用デッキ)はこちらの16名です。
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なろ(千葉県・SHEDO)
プロレイジー(愛知県・TAOSIN)
しゃっちー☆(愛知県・LAPIS)
IKE(神奈川県・E.G UNION)
snowman(東京都・LAPIS)
ulza8102(神奈川県・LAPIS)
shigre(千葉県・LAPIS)
FRAC(東京都・MAGNA)
勘弁してください(神奈川県・TAOSIN)
hakua(千葉県・LAPIS)
OTK@M(千葉県・LAPIS)
戦力外(東京都・E.G UNION)
B(大阪府・LAPIS)
めねら(埼玉県・TAOSIN)
Kazami(神奈川県・TAOSIN)
悟宮クイル(岐阜県・TAOSIN)
スペシャルライブには、分島花音さんとvoidさんが登場。なんと『Beyond the destiny』の生演奏が行われました。
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『Beyond the destiny』は第3弾に登場した最高レアリティカードであるゲームチェンジャー『慟哭のジル・クライハート』のBGM。この曲で作詞、ボーカル、そしてカードでのイラストとCVも担当しているのが分島花音さん。「切ないけど彼女の意思を感じるような歌詞にした」そうです。
作曲を担当したのはvoidさん。「この音楽を出したら勝てそうな、力強さを考えて作曲した」とコメントしました。
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生演奏終了と同時に、分島さんのカウントと「access!」の掛け声で決勝トーナメントがスタートしました。
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フィーチャーマッチでは、公平を期すために壇上のBOXにプレイヤーが入り、ヘッドフォンをして音声が遮断された状態での対戦となります。
注目は決勝トーナメント2回戦のフィーチャーマッチに登場したulza8102さん。ウォーブレ内ランキングで8月・9月のトップに君臨したプレイヤーです。
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shigreさんとの戦いを制したulza8102さんは第3回戦(準決勝)に駒を進めますが、IKEさんとの戦いで敗退してしまいます。
3回戦のフィーチャーマッチでは、戦力外さんとめねらさんの戦いが行われました。このフィーチャーマッチを制したのはめねらさん。
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かくして、決勝で対峙することになったのはIKEさん(Cブロック)と めねらさん(Hブロック)。この両者が『WAR OF BRAINS VICTOR』初代王者の名を賭けて戦います。
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対戦前のお互いのコメントはこちら。
めねら「ここまで来られると思わなかったのですが、ここまで来たら40万円獲って帰ります! あと、ウォーブレ、決勝戦でも楽しんでやります」
IKE「勝つぞという気持ちは当たり前にあります。今回お互いLAPIS使ってるんですけど<双警機 アルト=オルト>も<宵の露 アサギリ>も入っていないっていうので、この構築でここまで来れたのは正解かな、という自信もあります。いい勝負が見せられるのかなと思います」
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初戦はめねらさんがLAPIS、IKEさんがE.G UNIONを選択。すると決勝初戦でいきなりのレアミュージックがスタート。BGMに特徴を持つ『ウォーブレ』ならではの、選ばれし者同士の戦いにふさわしい開幕となりました。
直前まで「LAPIS1強ではないか」とSNSなどで持ちきりだった今大会。蓋を開けてみると、決勝トーナメントにはLAPISが半数近く勝ち上がってきたものの、決勝戦を戦う2人はTAOSIN、E.G UNIONを選択しています。これが何を意味するのか、決勝戦で明らかになることとなりました。
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決勝トーナメント1本目
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先行はLAPISのめねら選手。1ターン目は動かず、後手IKE選手の1ターン目メモリからの<妄賢者 オポロン>で試合が幕を開けました。返す2ターン目に<武闘派戦士 シリメツレツ>を展開、続くターンに相打ちからのリベリー、そして次のターンにトップからラッキーを引いてくる展開。<テスタ・パンク>から飛び出た<メイグル>を<再生の王 ジャンク>で破壊、LAPISにユニットを残しません。IKE選手は、めねら選手の手札に<神秘の鹿>がないことを願って<復活のスライム>を場に投下。解決策がないめねら選手のラピスが一気に不利な状況へ陥ります。その後もブラッディスクリームを絡めて丁寧にLAPISのユニットを処理していくIKE選手に対し、めねら選手のLAPISは高速仕様のため、ユニットのサイズがやや小粒。<追憶の聖戦士 シルヴィア>や<臆病機兵 クロベエ>、<大盾戦士 ゴッツ>らでガーディアンを並べるもなんなくクリアされてしまいます。最後のターン、めねら選手はIKE選手の<狂鳥 ジュリアンヌ>から獲得した<魔楽長 ムジカ>を出しますが、返しのターンでIKE選手は総攻撃を仕掛けます。場のユニットすべてがめねら選手にダメージを与えた後<検体 No.294>をブースト、魔楽長 ムジカ>がひっそりと+1/+1される中、最後の8点をきっちり与えてIKE選手が1勝目をもぎとりました。
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決勝トーナメント2本目
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2戦目は初戦を制したIKE選手がLAPIS、対するめねら選手がTAOSINを使用しての勝負となります。後手のめねら選手が、メモリからの<麒麟<試>>という後手TAOSINの強烈なムーブから始まりました。その後も<夜魂妖女 ユウユウ>、<審判の龍騎士 ジャオロン>と動き、LAPISに思い通りの展開を許しません。4ターン目のLAPISが、ソウル2で<幽玄の執女 ヨミ>を召喚。ガーディアンを場に置くためか、<神秘の鹿>で<機械鎌のデネブ>を選択せざるを得ない状況になりますが、返すターンで<妨害傭兵 グスマン>の効果によりガーディアンを消されてしまいます。
そして、ついに<堅厳龍 ダンダマイト>が場に降臨、LAPISも負けじと<神秘の鹿>を<大盾戦士 ゴッツ>で強化した上で全体に5点ダメージの<ギャラクシー・ビッグバン>をプレイ、場を一層します。続くターンでさらなる<堅厳龍 ダンダマイト>を展開すると、次のターンで慌てたIKE選手、まさかのソウルバーストをミスプレイ。レベルが最大値であれば突破できた<堅厳龍 ダンダマイト>ですが、焦りからか倒せない状況で使用してしまいます。状況はTAOSIN有利から変わらず、<天を貫く王龍>、<災いの創造士 悟浄>とゲームチェンジャーを立て続けにプレイしてめねら選手が1勝をゲット。
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決勝トーナメント3本目(ファイナル)
奇しくも、お互い予選を勝ち上がってきたデッキで決勝戦の勝利をもぎ取った両選手。そして何の因果か、優勝者を決めるのはLAPIS対LAPISの対戦となりました。
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この試合も後手から試合が動きます。IKEさんがメモリーから<武闘派戦士 シリメツレツ>と展開。これが吉と出るか凶と出るかという手札状況の中、<ラッキー>をお互いに展開していきます。対するめねら選手は<臆病機兵 クロベエ>に<大盾戦士 ゴッツ>で強化。IKE選手は<餓狼>でめねら選手の<ラッキー>を処理するという一進一退の展開が続きます。<獣姫 セツナ>と<飛脚兎 イナバ>というコンボパーツが入っている分、中盤の展開がやや苦しい手札となっているIKE選手、対するめねら選手は<機械鎚のウルゴ・バシュー>で場の整理をしつつIKE選手のライフを詰めます。ワンショットコンボを決めたいIKE選手はパーツを手札に温存しつつ、<黒般若>をユニットとして通常プレイ、さらに<ラッキー>を加えて態勢を整えようと試みます。しかし、返しのターンで<鬼神演舞 八重ノ風>を展開して即起動で<ラッキー>を除去、<機械鎚のウルゴ・バシュー>の攻撃と合わせてIKE選手のユニットを一掃します。続くターン、リブートフェイズでドローを選択するとめねら選手の引いたカードは<千両役者 ウリノスケ>。手札にあったもう1枚の<千両役者 ウリノスケ>と合わせて2体展開、オーバーヒートで<屍刀 クロホムラ>を出し、ソウルバーストを絡めてぴったり11点を与えて見事勝利を勝ち取りました。
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かくして『WOR OF BRAINS VICTOR』初代王者にはめねらさんが輝くことになりました。
表彰式~エンディング
「本当に泣きそうです」と涙目のめねらさん。「1本目は取られてもうダメかな、と思ったんですけど、2本目で(相手の)ソウルバーストのミスがあって」「2連勝できて、優勝、嬉しいです」と語りました。
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IKEさんは「めっちゃ恥ずかしいですね」「ソウルバーストでプラス2されると思ったんです」と2本目での戦略ミスを語りましたが、戦い終えてすがすがしい笑顔を見せました。
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voidさんはそんな決勝プレイを「華麗ですね。普段、手癖でやっちゃうところを、決勝に上がってくる人たちは丁寧にプレイするので、そういうところもすごい。緊張感あふれる戦いでした」「デッキレシピは芸術。見た目もオーラもオシャレ」と感心。
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「試合全てが見ごたえがあった。すごく観ちゃいました、すみません。画面にくぎ付けでした」と語るのはウォーブレ・ディレクターのチャン石井さん。
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和田研究員も「冒頭のレアBGMしかり、見どころがたくさんあって本当に面白い試合でした。個人的に感動したのは、スライムを出したタイミング。印象深かったです」と満足気でした。
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表彰式では、高橋伸也さんから高らかに入賞者の名前が読み上げられ、上位入賞者たちがステージに呼び込まれました。
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優勝者:めねら
準優勝:IKE
3位:ulza8102
3位:戦力外
5位:プロレイジー、shigre、勘弁してください、悟宮クイル
こうして、初の公式大会となる『WOR OF BRAINS VICTOR』は大盛況のうちに幕を閉じました。
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閉会式ではタカラトミー佐戸事業部長からは「チーム戦の可能性」というコメントも飛び出しました。今後も大きなアップデートを控えた『WOR OF BRAINS』、まだまだ目が離せなさそうです。
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対戦解説:srbn
取材・写真:オサダコウジ
―― 面白い未来、探求メディア 『ガジェット通信(GetNews)』