12月17日放送の『チコちゃんに叱られる!』(NHK総合)で取り上げられた「から揚げといえば鶏肉ばかりなのはなぜ?」という疑問が視聴者の間で反響を集めている。
老若男女の大好物でもある鶏のから揚げ。この疑問に対するチコちゃんの答えは「鶏肉は3つの理由で奇跡の肉だから」だったが、ネット上からは「そんなの個人の嗜好でしょ」「鶏肉は安くて作りやすいだけでしょ」「『奇跡の肉』とか主観じゃん」というツッコミが相次ぐことになった。
「『チコちゃん』といえば、日常の何気ない疑問に対し、その答えを探る雑学番組ですが、稀に複数ある説のひとつだけを紹介したことによって矛盾を生じさせたり、誤った情報を発信することも。また、世間の認識とズレた認識を主張することもありました。今回の“から揚げ”についても単に『鶏肉が安い』などの理由を大袈裟に紹介しようとしているのではという指摘が集まりましたが――」(芸能ライター)
しかし、北里大学獣医学部の有原圭三教授(61)によると、鶏肉には揚げるとおいしくなる要素が奇跡的に3つ揃っているとのこと。その要素は「コラーゲン」「水分量」「脂が溶ける温度」。
コラーゲンはタンパク質のひとつだが、鶏肉は他の肉と比べてコラーゲン量がすくないとのこと。コラーゲンは65℃以上で短時間加熱すると縮み、硬くなる性質を持つが、コラーゲンが少ない鶏肉は高温で短時間加熱しても柔らかいままだという。一方、鶏肉は水分量が多く、油で揚げても中に水分を閉じ込めることができるため、ジューシーに仕上がるという。
また、豚肉の油が溶けるのは40℃、牛肉は45℃~50℃だが、鶏肉の脂が溶けるのは30~32℃と、人の平熱よりも低い温度。他の肉は口に入れても脂が溶けることはないが、から揚げは冷めても口の中で脂が溶けることに。脂は口に入れると唾液によって脂肪酸に変換され、それが脳に伝わり「よりおいしい」と感じるとのこと。これらの要素が鶏のから揚げの「おいしい」理由になっていた。
反論の余地なく、から揚げのおいしい理由が科学的に説明されたこの日の放送。視聴者からは、「なるほど!」「めちゃくちゃ納得した」「本当にちゃんとした理由があったんだ」という声が集まっていた。