大人の女性は自分の見せ方を心得ている
最近はセクハラ・パワハラと訴えられることを恐れ、男性上司から女性の身だしなみについて注意してくる機会は少なくなっていることでしょう。
周囲が不快に感じていたり、それによって仕事に悪影響が出ていたりしても、注意してくれる人がいないばかりに自分だけ気づかないということも全然あり得るということです。
よりよいキャリアを築くためには、自らビジネスシーンにふさわしい身だしなみを学び、改善するためのアクションを起こす必要があります。
そのために役立つ本が『大人の女はどう働くか? ―絶対に知っておくべき考え方、ふるまい方、装い方』です。
本書では、「仕事の場では、”かわいい女”ではなく、”大人の女”であるべき」として「女性が職場でおかしがちな101の注意すべき言動」について、行動を変えるための具体的なアドバイスとともにまとめられています。
著者は、これまで働く女性を対象としたワークショップやコーチング、心理セラピーなどを通して、何千人もの女性を指導してきたロイス・P・フランケル氏。
思うようにキャリアアップができない女性の多くは、「無意識のうちに自分の威信を損ない、キャリアの妨げとなるような言動をとってしまっているから」というロイス氏。
少女時代には適切でも、大人のあなたには不適切な言動というものがあります。それらはキャリアを停滞を停滞させ、昇級を妨げ、ときには仕事の継続さえ難しくします。
今回は「7章 自分の見せ方」から、一部をピックアップしてご紹介します。
大人の女性の身だしなみ5つのポイント
①メイクが濃すぎるか薄すぎないか?
メイクが濃すぎたり薄すぎたりすると、信頼性を落としてしまいます。過剰でも過少でもよくないので、適切なメイクを心がけましょう。
そのための具体的なアドバイスは下記の通り。
- デパートの化粧品売り場に行って、適切なメイクをしている販売員にメイクの仕方をアドバイスしてもらおう。
- 顔立ちに合ったメイクをしている同僚か友人に、あなたのメイクについて意見を聞こう。
- 鏡に背を向けて立ち、ぱっと振り返って顔を見たときに、最初に目につくのはどこ? おそらくそこが、化粧をもっと薄く、あるいは濃くすべき場所。
②仕事に合わない髪型をしていないか?
髪型について、女性が犯すもっとも一般的な間違いは、長くしすぎることだと著者は言います。ロングヘアーにしていることで、女性であることを強調し、信頼性を落としてしまうと。
素敵に見えて、なおかつプロらしい髪型にすることは可能です。次のアドバイスを参考にしてみてください。
- 髪の長さは年齢と反比例させよう。概して、年をとって組織内での階層が上がるほど、髪の毛は短くするべき。そのほうがプロらしく、かつ若々しく見える。
- 髪を切りたくなかったら、すっきりとアップにまとめよう。
- メイクと同じく髪型も、全体の中でバランスをとるよう心がけること。
③場違いな服装をしていないか?
最近は日本でもカジュアルな服装を認める職場が増えてきていますが、一般的なビジネスシーンにおいては、個性を出すことよりも、その仕事に相応しい服装やメイクを心がけるべきです。
誘惑的な服やサイズの合っていない服、汚れた靴はNG。いずれも、見苦しいだけでなく、ビジネスの世界での成功を遠ざけると言います。
また、服のデザインだけでなく、品質も見られていることを忘れてはいけないと著者は指摘します。
- あなたの組織の上層部にいる女性たちを観察しよう。そして同じように装おう。
- あなたの職場がいくらカジュアルな装いを認めていても、周囲の人たちより少しだけ上等の服装をするように心がけよう。
- プレゼンをするとわかっているときは、ドレスアップしよう。ワンピースかスーツを着れば、まずまちがいない。
- デパートの、働く女性向けの洋服売場に行って、プロからアドバイスしてもらおう。
- 服を買うことは将来への投資だと考えよう。充分な予算を投じて、一年に数着、質のいい服を買おう。いい気分に慣れる装いをしていれば、おのずと自信をもって行動できる。
- 自分のパーソナルカラー(肌や髪や目の色によって変わる、その人にいちばん映える色)を知っておこう。容貌をうまく補完してくれる色を身につけると、思った以上の効果がある。
④会議中、テーブルの下に手をおいていないか?
会議のとき、自信のある男性は、発言するときテーブルの上に肘や手をついて身を乗り出したり、人の話に興味を持つと、テーブルに肘をつき、組み合わせた手の上に顎を乗せたりします。
一方、女性は両手を膝の上かテーブルの下にそろえて、おとなしく座っていることが多いと指摘します。
真剣な印象を強めたいなら、手はテーブルの上におくようにしましょう。そうすれば、会話に熱心に参加しているように見えるだけでなく、必要に応じて効果的な身振りもできるようになります。
自覚がある人は、ぜひ次回の打ち合わせや会議から、意識して変えてみてください。
- 次の会議からさっそく、少し身を乗り出し、腕を机の上におき、両手を軽く組んでみよう。
⑤アクセサリーが目立ちすぎていないか?
アクセサリーは、言葉や態度では伝えられないメッセージを表現できるアイテムです。
そのため慎重に選べば、保守的な服装に個性をプラスすることができますが、不適切だったり過剰だったりすると、信頼性を失ってしまいます。
あなたはアクセサリーによって、相手に何を伝えたいですか?
- 長くぶらさがるイヤリングは、職場には似合わない。体格や髪の長さ、職種にもよるが、硬貨より大きいイヤリングも避けたほうがいい。
- 真珠のネックレスとイヤリングを手持ちのアクセサリーに加えよう。けっして流行遅れにならないので便利。
- アクセサリーは、服装だけでなく、その日の仕事にも合わせよう。たとえば、変わったブローチは、同僚との会合にはいいかもしれないが、戦略的な計画のプレゼンには向かない。
- メイクのチェックをするときと同じように、鏡に背を向けて立ち、ぱっと振り返って、何か目につくアクセサリーがあったら、それは変えたほうがいい。