ビジネスチャットを使い始めて間もない方の中には、「チャットのマナーがわからず使い方に悩んでいる」という方も多いのではないでしょうか?
今回の記事では、そういった悩みを抱えている方に向けて、
ビジネスチャットを使う上で心がけたいマナーについて解説します。メールや電話に比べて、カジュアルにコミュニケーションを取れることが魅力の
ビジネスチャット。
使い方のマナーを知ることで、よりその魅力を引き出せるはずです。
ビジネスチャットとメール|3つの違い
まず始めに、
ビジネスチャットとメールの違いについて説明します。
社内や社外の人と
コミュニケーションを取れるツールという点はどちらも共通していますが、やり取りのスピード感やメッセージ本文の書き方など、実際の使用感や使い方は大きく異なります。
両者の違いを3つのポイントにまとめて解説します。
メールとの違い①結論までのスピード感
ビジネスチャットは、メッセージのやり取りをテンポよくできるため、メールよりも素早く結論を出すことができます。
ビジネスメールは、相手が社内であってもかしこまったあいさつを述べてから本題に入る方が多いかと思いますが、
ビジネスチャットはそうではありません。
堅苦しいあいさつは省略し、本題から会話をスタートする文化が定着しているため、会話がテンポよく進み、結果的に素早く結論を出せます。
メールとの違い②グループでの会話
メールは、基本的に1対1向けの
コミュニケーションツールです。
CCやBCCの機能を使うことで複数人とやり取りを交わすことはできますが、宛先の追加が面倒だったり、前述したように会話のテンポが遅いため、議論が活発化しやすい
グループでの会話には不向きといえるでしょう。
またテーマごとにグループを分けることで、関係者だけを議論に参加させられることも、グループ
チャット機能の特徴です。
部署・課・プロジェクト・研修など所属や話題ごとに
グループを分けることで、メンバー間のコミュニケーションがやりやすくなり、チームとしての働きが活性化されます。
メールとの違い③メッセージの簡潔さ
ビジネスチャットには本題から会話をスタートする文化が定着しています。
メールにありがちな、「お世話になっております」から本文を始め、「何卒よろしくお願いいたします」で締める文章は、冗長に思われてしまい
ビジネスチャットでは好まれません。
メールではこういった礼儀が重んじられる傾向にありますが、
ビジネスチャットではかえって迷惑に思われてしまう恐れがあるのです。
そのため、
ビジネスチャットのメッセージは簡潔になる傾向があります。
ビジネスチャットのマナー|送受信時
それでは、
ビジネスチャットの具体的なマナーについて解説していきます。心がけたいマナーは複数あるため、説明の切り口を「送受信時」「メッセージ本文」「他ツールとの使い分け」といった3つに区切ります。
まず始めに、送受信時に気をつけたいマナーについてみていきましょう。
なるべく業務時間内に連絡をする
多くの
ビジネスチャットはアプリ化されており、スマートフォンでも使いやすいように作られているため、その気になればいつでもメッセージを送ることができます。
だからこそ相手に負担とならないような心配りが大切です。
利用はなるべく業務時間内を心がけ、どうしても業務時間外にメッセージを送る場合は、「返信はこなくて当たり前」ということを念頭に置いておきましょう。
グループの切り分けに注意する
グループを切り分ける際は、その粒度に注意しましょう。
ビジネスチャットには、前段の”メールとの違い②グループでの会話”でもお話ししたように、グループチャット機能があります。テーマごとにグループを切り分けることができ、チームのコミュニケーションの活性化が期待できる機能です。
しかし、
グループの切り分けが大雑把だと、
グループ内に複数のテーマが飛び交い、情報が錯綜してしまう恐れがあります。
メンバーの混乱を招きかねないため、
グループは適切な粒度で切り分けることを心がけましょう。
適切なグループから連絡する
前段の「グループの切り分けに注意する」で、
ビジネスチャットにはテーマごとにグループを切り分けられる「グループ機能」が搭載されていることを説明しました。
ビジネスチャットを利用している企業の多くが、このグループ機能を活用してテーマごとに情報共有を行われていると思います。人によっては、複数のテーマについて情報共有を必要としており、いくつかのグループに登録されている方もいるでしょう。
そのような場合、
グループ内に、別
グループで別のテーマについて話しているメンバーがいることもあります。話の流れによっては、そのメンバーと別のテーマについて話したくなる瞬間もあるでしょう。「そういえば、あの案件はどうなりました?」といった具合です。
スムーズな流れが作られている場合、ついでの感覚で連絡したくなる気持ちもわかります。しかし、その
グループに本来設定されていたテーマから外れた部分の議論を行うことは避けるべきです。
グループ内の他メンバーにとっては不要な情報であり、情報の混乱を招く恐れがあるからです。
情報共有の質を低下させないためにも、適切な
グループから連絡をするといったマナーを心がけましょう。
リアルタイム性を求めすぎない
ビジネスチャットを利用している方の中には、「相手にすぐに反応してほしい」と考えている方もいるのではないでしょうか。
ビジネスチャットは手軽にメッセージを送信できるため、相手がその場にいるかのようにコミュニケーションを取れますが、それぞれの時間をリアルタイムに共有しているわけではありません。
あくまでも、
ビジネスチャットは時間を共有しない非同期の性質が強いコミュニケーションツールです。電話や打ち合わせといった同期コミュニケーションツールのように、すぐに反応が得られるわけではないことを理解しておきましょう。
ビジネスチャットのマナー|メッセージ本文
メールでのやり取りに慣れている方だと、本文を書くときに「どれくらいカジュアルにしてよいのか?」「あいさつや敬称は入れてよいのか?」など、どのように書けば問題がないのかわからないという方も多いのではないでしょうか。
ビジネスチャットとメールでは文化が大きく異なるので、戸惑ってしまうのも無理はありません。ここでは、メッセージ本文を書く上でのマナーについて解説します。
簡潔でわかりやすい表現を意識する
ビジネスチャットでは、メールでよく見られる”理由や背景から説明し、最後に結論を書く”ような文章は好まれません。理由は、文章を読んだり読解するのに時間がかかってしまって、やり取りのテンポが悪くなるからです。
スムーズにテンポよくコミュニケーションを取れることが、
ビジネスチャットのメリット。結論から述べるようにしたり、内容が複数に渡る場合はチャットを区切って送ったりなど、簡潔でわかりやすい表現を心がけましょう。
かしこまったあいさつや敬称は省く
ビジネスチャットでは、従来のメールで送るようなかしこまったあいさつや敬称は省いてしまって問題ありません。迅速なやり取りが
ビジネスチャットの特徴なので、そういった形式的なクッション言葉は省略しましょう。
「やっぱり失礼にあたるんじゃないか……?」と不安になってしまう場合は、社内やチームの中でルールを決めておくのがおすすめです。
メッセージにリアクションを返す
ビジネスチャットにおいても、メールと同様に相手のメッセージに反応を示すことは大切です。反応がなければ、相手は「確認してくれたのだろうか?」「問題があったのだろうか?」と不安になってしまいます。
文章で反応を示すのもいいですが、
ビジネスチャットには”スタンプ”や”いいね!”といったリアクション機能が備わっているので、ぜひ活用してみましょう。
文章を打ち込むよりも手軽で、反応の温度感も伝わりやすいので、相手との
コミュニケーションがスムーズに運びます。
雑談はほどほどを心がける
グループ
チャットで会話をしていると、何気ない雑談から会話が盛り上がり、本来話すべき内容から大きく逸れてしまうことがあります。
適度な雑談は場を和やかにしコミュニケーションを促進してくれるので、ある程度必要ではありますが、
ビジネスチャットはあくまでも仕事のために使われるもの。
雑談はほどほどを心がけ、逸れはじめていると感じたら早めに軌道修正をかけましょう。
ビジネスチャットのマナー|他ツールと使い分ける
ビジネスチャットは、気軽にテンポよくやり取りができる便利なコミュニケーションツールですが、すべてのやり取りを
ビジネスチャットで行ったほうがよいということはありません。
ビジネスチャットが適さない場合もあるので、状況に合わせて他のツールと使い分けるようにするのがおすすめです。ここでは、「ビデオ会議」「メール」「チャット」の3つを取り上げ、それぞれの有効なシーンについて説明します。
ビデオ会議が有効な場合
要件の緊急性が高い・絶妙なニュアンスも含めて
コミュニケーションが取りたいといった場合は、ビデオ会議を活用するのがおすすめです。
ビデオ会議は場所を選ばず、予定を合わせるだけで即時に
コミュニケーションが取れるだけでなく、仕草や反応などテキストや音声では伝えきれない細かな情報まで伝達できます。
リアルタイムに顔を突き合わせてコミュニケーションができる点は、テキストをベースとしたツールであるメールや
チャットにはない特徴です。
急いでいるときや誤解を招かないように顔を見て話したいときなどは、ビデオ会議を活用するのがいいでしょう。
メールが有効な場合
メールの優位性は、はっきりとしたエビデンスを残せる点です。電話は会話のログが残らず、
チャットも自分の発言を消去して相手から見えなくすることが可能なので、”言った言わない問題”が発生する恐れがあります。
メールでは、送信データは互いのフォルダに保存され、基本的に相手のフォルダにあるメールは消去できないため、エビデンスを残しながらやり取りをすることが可能です。
契約に関することや重要文書の共有など、エビデンスを残してやり取りを行う必要がある場合は、メールを活用しましょう。
※
チャットの場合、管理者であれば、消去された発言も含めてこれまでのログを追うことは可能です。
チャットが有効な場合
チャットは日常のコミュニケーションツールとして活用するのがおすすめです。理由は、メールや電話よりもテンポよくコミュニケーションを取れるため、仕事を速く進められるからです。
緊急性のない連絡やエビデンスを必要としないやり取りは、できる限り
チャットを使うようにしてみましょう。
また、複数人でコミュニケーションを取る際も、
チャットがおすすめです。グループ
チャット機能を使えば、複数でのやり取りも円滑に行うことができ、メールのように都度CCに入れたりといった面倒な作業も不要。情報共有や意思疎通を素早く行うことができます。
ビジネスチャットの活用事例
これまで、
ビジネスチャットのマナーについて詳しく解説してきました。
ここからは、さらにもう一歩踏み込んで、企業がどのように
ビジネスチャットを活用しているのかを見ていきます。
筆者が勤めるワウテック株式会社が提供している
ビジネスチャット・社内SNS「WowTalk(ワウトーク)」を、ご利用いただいている株式会社ユウケイ様の事例をご紹介します。
株式会社ユウケイ様
写真左から、株式会社ユウケイ 統括部長 木村聡 様、代表取締役 原理恵 様
神奈川横浜市を拠点とし、訪問介護・リハビリ・居宅介護支援などの事業を営んでいる株式会社ユウケイ様。看護やリハビリといった業務を行う中で、従来のメールや電話、ファックスによるコミュニケーションに課題を感じ、
チャットの導入を検討されていました。
一時期は個人向けSNSの利用を検討していたそうですが、情報漏洩などのセキュリティ面に不安を感じ、業務上で使うのは難しいと判断。
法人向け
ビジネスチャットを探すことになり、その中で、WowTalkの企業向けに特化した機能が揃っている点に魅力を感じ、導入に至ったとのことです。
具体的な使用方法について、ユウケイ様では患者さんの症状の共有や全社員に向けた一斉連絡にWowTalkをご活用いただいております。
また、
ビジネスチャットを最大限に活用できるようなルール作りにも努められています。
例えば、全メンバーに一斉周知したい情報を
グループトークで共有した場合、既読未読がわかっても本当に理解ができているのか、心配なことがあったそうです。そこで、
グループトークではなく共有機能を用いることにし、読んで理解したら”いいね!”押すという運用に変えられたのだとか。
ビジネスチャットの活用方法は、企業の特性や社内文化によって適するものが変わります。
これまでご紹介したマナーに加えて、自分たちに適したルールを作ることで、より円滑に
コミュニケーションが行えるようになります。
▼株式会社ユウケイ様の導入事例はコチラ
ビジネスチャットのマナーを理解してコミュニケーションを円滑に
いかがでしょうか。
ビジネスチャットとメールの違いや使う上で心がけたいマナー、実際に活用されている企業様の事例など、
ビジネスチャットに関するさまざまな情報をご紹介しました。
ビジネスチャットのマナーを考える上でおさえておきたいポイントは、以下の3点です。
これらのポイントをおさえておくことで
ビジネスチャットを使う上での迷いがなくなり、より円滑にコミュニケーションを行えるようになるでしょう。
それまで感じられなかった
ビジネスチャットの利点も享受できるようになるはずです。
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