「股関節まわりにある5つの筋肉」とは?
「股関節」とは太もも付け根にある関節のことで、大腿骨と骨盤から成り立っています。
股関節まわりには、「大殿筋」、「腸腰筋」、「中殿筋」、「股関節内転筋群」、そして「大腿筋膜張筋」という5つの筋肉が存在します。
- 大殿筋:お尻にある筋肉で、股関節を伸ばす際に機能する
- 腸腰筋:太もも付け根前面にある筋肉で、股関節を曲げる際に機能する
- 中殿筋:お尻外側にある筋肉で、股関節を外側に向かって開く際に機能する
- 股関節内転筋群:内ももにある筋肉で、股関節を内側に向かって閉じる際に機能する
- 大腿筋膜張筋:骨盤外側から太もも外側を走行している筋肉で、股関節を外側に向かって開く際に機能する
股関節まわりの柔軟性を高める主なメリット
冒頭でもお伝えしましたが、股関節の柔軟性を高めることで、
- 下半身痩せ
- 腰痛予防
- お腹痩せ
というメリットが期待できると言えます。
下半身痩せ
股関節前面には、「鼠径リンパ節」という下半身からのリンパ液が流れ込むリンパ節があります。
ちなみに「リンパ節」とは、リンパ液をろ過して不要なものを取り除くフィルターのような役割を果たしています。そのため、股関節まわりの柔軟性を高めることで、血液だけでなくリンパ液の流れも促進されるようになります。
すると、「むくみ」の原因となる不要な水分や老廃物がスムーズに体外に運び出されるようになるので、下半身痩せ効果が期待できると言えます。
腰痛予防
大殿筋や腸腰筋、中殿筋など股関節まわりの筋肉は、全て骨盤から始まって大腿骨に停止しています。そのため、筋肉の緊張が強くなると骨盤を大腿骨方向へと引っ張るかたちとなり、「ゆがみ」が生じるようになります。
例えば大殿筋の緊張が強くなると、骨盤が後傾して腰が丸まりやすくなり、腰椎前方部分に負担がかかりやすくなってしまいます。
そこで股関節まわりの柔軟性を高めることで骨盤のゆがみを整えることができ、腰痛予防につなげることができると言えます。
お腹痩せ
そして、股関節まわりの柔軟性を高めることで、なんと「お腹痩せ効果」も期待できると言えます!
先ほどお伝えしたように、股関節まわりの柔軟性を高めることで、骨盤のゆがみを整えることができるからです。
「ポッコリお腹」の原因の一つに、骨盤のゆがみが挙げられます。骨盤がゆがんでしまうと腹筋群が緩んだ状態となり、内臓が下垂してしまいます。すると、内臓機能が低下してしまい、便秘やポッコリお腹を引き起こしてしまうと考えられるのです。
股関節まわりの柔軟性を高める5つのストレッチ
それでは「股関節まわりの柔軟性を高めるストレッチ」をご紹介していきましょう。
行っておきたいストレッチは5つだけです!これからご紹介する5つのストレッチを行うだけで、股関節まわりをまんべんなくストレッチすることができます!
フローリングの床の上でストレッチを行う場合には、ヨガマットを敷いて行うことをお勧めします。
1. 大殿筋への静的ストレッチ
- 仰向けの体勢から脚で「4の字」を作り、下になっている膝を立てます。
- その膝裏に両手をまわして、脚を胸に引きつけていきます。そうすることでお尻の筋肉である大殿筋がストレッチされます。
余裕があれば、下の写真のように、膝裏にまわしている両手を膝下にまわしてストレッチしてみましょう。
ポイント及び注意すべき点
足首をわきの下に入れるようなイメージでストレッチすることで、大殿筋へのストレッチ効果を高めることができます。
ストレッチを行う際は、頭を持ち上げないようにしましょう。
2. 中殿筋への静的ストレッチ
- 両脚を前に伸ばして座り、片脚の膝を立てて反対側の脚とクロスさせます。
- 背すじを真っ直ぐに伸ばして、立てた膝を両腕で抱え、胸に向かって引きつけることでお尻外側にある中殿筋がストレッチされます。
もし余裕があれば、写真のように前に伸ばしていた脚を折り畳むように曲げてストレッチしてみましょう。
ポイント及び注意すべき点
中殿筋へのストレッチ効果を高めるには、背すじを真っ直ぐに伸ばすことがポイントです。
3. 股関節内転筋群への静的ストレッチ
- 座位の体勢から、両脚をムリのない範囲で開き、骨盤を立てるように起こして背すじを真っ直ぐに伸ばします。
- 背すじを真っ直ぐに伸ばしたまま、上体を前に倒していくことで、内ももの筋肉である股関節内転筋群がストレッチされます。
ポイント及び注意すべき点
つま先を天井に向けるようにすることで、股関節内転筋群へのストレッチ効果を高めることができます。
背中が丸まってしまうと股関節内転筋群ではなく背中がストレッチされてしまうので、背中が丸まらないようにしましょう。
4. 大腿筋膜張筋への静的ストレッチ
- 立位の体勢から、ストレッチする方の脚を後ろに引いて反対側の脚とクロスさせます。
- ストレッチをする側と反対側の手で骨盤を横に押し出すようにすることで、骨盤横から太もも外側を走行している大腿筋膜張筋がストレッチされます。
ポイント及び注意すべき点
ストレッチ中は骨盤を正面に向けるようにしましょう。
5. 腸腰筋への静的ストレッチ
- 脚を前後に開き、前脚の膝は立てて後ろ脚は後方へ伸ばします。
- 両手を立てた前脚の膝の上に乗せて重心を上体の真下に下ろし、骨盤を後傾させることで、後ろ脚太もも付け根前面にある腸腰筋がストレッチされます。
ポイント及び注意すべき点
目線をお腹に向けるようにすると、骨盤を後傾させることができます。
大腿筋膜張筋へのストレッチと同様、ストレッチ中は骨盤を正面に向けるようにしましょう。
「股関節まわりへのストレッチ」を効果的に行うために覚えておきたい2つのポイント
ご紹介した5つのストレッチを効果的に行うために、覚えておきたいポイントが2つあります。
1つは、心地よく筋肉が伸ばされていることが感じられる強度で、30秒間伸ばし続けるようにすることです。そうすることで、筋肉の緊張を緩め柔軟性を高めることができるからです。
また、柔軟性を高めたとしても、その反対側の筋肉が硬いままでは骨格にゆがみをもたらしてしまうことになります。そのため、前後左右バランスよくストレッチするようにします。これが2つめのポイントです。
以上のポイントを踏まえて5つのストレッチを行ってみてくださいね!