「大きな寒暖差」によって起こりうる問題
寒暖差が大きい季節の変わり目。大きな寒暖差は、カラダに「疲労感」や「肩こり」だけではなく、「頭痛」「めまい」「不眠」などといった不調をもたらすと言われています。
季節の変わり目になると、「なんとなくだるくなる」、「頭痛が起こりやすい」という方、もしかしたら大きな寒暖差が原因かもしれません。
なぜ寒暖差が大きいと不調が起こるのか?
それではなぜ寒暖差が大きいとカラダに不調が起こるのでしょうか。その理由は、「大きな寒暖差」というストレスによって、自律神経のバランスが乱れてしまうからです。
「自律神経」とは、交感神経と副交感神経から成り、消化活動や体温調節など生命維持のコントロールを行う役割を果たしています。
交感神経は心拍数と血圧を上げる他、消化活動を抑制する働きがあり、心身は緊張した状態になります。それに対して、副交感神経は心拍数と血圧を下げる以外にも、消化活動を活性化させる働きがあり、心身はリラックスした状態になります。
交感神経は身体活動が盛んな日中に優位に働き、副交感神経は睡眠などでカラダを休ませる夜間に優位になります。わかりやすく電気に喩えると、交感神経はスイッチを「ON」にした状態で、副交感神経はスイッチを「OFF」にした状態と言えます。
「自律神経のバランスが乱れる」とは、交感神経と副交感神経の切り替えがうまくいかなくなった状態のことを言います。すると、カラダに様々な不調を感じるようになってしまうのです。
寒暖差による不調からカラダを守る方法とは?
大きな寒暖差によって自律神経のバランスが乱れてしまった結果、「疲労感」や「肩こり」などといった様々な不調をカラダにもたらしてしまいます。
そのため寒暖差による不調からカラダを守るには、乱れた自律神経のバランスを整える必要があると言えます。
自律神経のバランスを整えるには、「セロトニン」というホルモンが重要となります。なぜならば、セロトニンには自律神経のバランスを整える働きがあるからです。
セロトニンは軽くカラダを動かしたり、朝日を浴びたりすることで分泌されると言われています。そのため、朝日を浴びながらウォーキングやストレッチでカラダを動かすようにすることで、自律神経のバランスを整えて、様々な不調からカラダを守ることができると言えます。
「ウォーキング」や「ストレッチ」で自律神経のバランスを整えるにはどうすべきか?
それでは自律神経のバランスを整えるためには、具体的にどのようにウォーキングやストレッチを行っていけばよいのかお伝えしていきましょう。
1. ウォーキング
息が軽く弾む程度の早歩きをするようなペースで、20分程度ウォーキングを行うようにします。
ウォーキングを行う際は、背すじをまっすぐに伸ばし、歩幅と腕の振りをやや大きくして歩くように心がけてみましょう。
2. ストレッチ
ストレッチには動きを伴う「動的ストレッチ」と、静止した状態で筋肉を伸ばす「静的ストレッチ」がありますが、この場面では動的ストレッチを行うようにします。
動的ストレッチは、筋肉の伸縮を繰り返すことで血流が促進され、筋温を上げることができます。また、副交感神経から交感神経にスイッチを切り替えることができるので、眠ったカラダを目覚めさせる効果も期待できます。
ここで最低限行っておきたいストレッチを、5つご紹介しておきたいと思います。
【ストレッチを行うにあたり頭に入れておくべき2つのポイント】
ストレッチを行う前に、頭に入れておきたいポイントが2つあります。
1つは、可動域を広げていくために、少しずつ動きを大きくしていくようにしましょう。もう一つは、動かしていて違和感がある場合は、そのストレッチは中止するようにしましょう。
(1)肩回しストレッチ
肩を前に10回回したら(写真上)、後ろに10回回していきます(写真下)。
肘で円を描くイメージで肩を回すようにすると、肩全体を大きく動かすことができるようになります。
必ず前回しをした後に後ろ回しを行うようにしましょう。そうすることで胸を張った、良い姿勢の状態でストレッチを終えることができるからです。
(2)胸開きストレッチ
両腕を前に伸ばして胸を閉じた状態から(写真上)、胸を開くように両腕を真横に開いていく動作(写真下)を10回繰り返します。
胸を開いた時に、肩甲骨を内側にしっかり寄せて胸の筋肉を軽くストレッチするようにします。
(3)股関節回しストレッチ
膝で円を描くように、股関節を内側へ10回回したら(写真左)、同じように股関節を外側へ10回回す動作を(写真右)、左右それぞれ行います。
股関節を回していく際は、骨盤が動かないようにしましょう。そうすることで股関節の筋肉をしっかりストレッチすることができるからです。
片脚立ちとなるので、壁などにつかまりながら行っても構いません。
(4)股関節曲げ伸ばしストレッチ
片脚立ちとなり、股関節を曲げた状態(写真左)から膝が股関節(太ももの付け根)よりも後ろに位置するまで股関節を伸ばす動作(写真右)を、左右それぞれ10回行います。
「股関節回しストレッチ」と同様、股関節を曲げ伸ばしする際には、骨盤が動かないようにしましょう。
やはり片脚立ちとなるので、壁などにつかまりながら行っても構いません。
(5)深呼吸
最後に「深呼吸」を行います。
両腕を後方に上げていき胸を大きく開きながら、胸を膨らませるように息をゆっくり大きく吸い(写真左)、上げた両腕をカラダの前に下ろしていきながら、息をゆっくり大きく吐いていきます(写真右)。3~5回程度行います。
胸を膨らませるように息を大きく吸い、胸を狭めるように息を大きく吐くようにすることで「胸式呼吸」となります。胸式呼吸を行うことで交感神経にスイッチが入るようになります。
朝にカラダを動かすことが難しい場合、どうすればよいか?
このように朝日を浴びながらウォーキングとストレッチを行うことでセロトニンが分泌されるようになり、自律神経のバランスを整える効果が期待できます!
しかし、「早起きをして軽くカラダを動かすことが難しい…」という方もいらっしゃると思います。そのような場合は、通勤時間の中でウォーキングを行うようにするとよいでしょう。
いつもより一駅手前で電車を降りて、オフィスまでウォーキングを行うようにするのです。そうするだけでも、セロトニンが分泌されるようになり、同等の効果が期待できますよ!
様々な不調からカラダを守るために、朝日を浴びながら軽くカラダを動かしてみてくださいね!