とろろ昆布とは?
とろろ昆布とは、昆布を酢につけて柔らかくしたものを、糸状に削ったもの。
その薄さは0.01~0.02mmといわれ、細胞が細く削られているため、グルタミン酸などのうま味成分や食物繊維が溶け出しやすくなっています。そのため、普通の昆布よりも実は効率よく栄養素を吸収できるのです。
また、体の中で水分を吸って膨らみ、満腹感を得やすいため、食べる量を抑えられてダイエット効果も期待できます。
加熱しなくても使えるので、刺し身にトッピングしたり、汁物に加えるだけでも食べられます。そのため、普通の昆布よりも手軽に料理に使うことができる点も、嬉しいポイントかと思います。
とろろ昆布の栄養
とろろ昆布には、カリウムやカルシウム、ヨウ素などのミネラルが豊富に含まれています。普段補いにくいミネラル類も、とろろ昆布で手軽に補うことができますね。
その他、食物繊維や多糖類のアルギン酸、フコイダンが含まれており、美容や健康に大いに役立ちます。
では、とろろ昆布のもつ効果・効能をご紹介していきますね。
とろろ昆布の効果・効能
骨や歯を丈夫に&イライラを落ち着かせる
とろろ昆布には、カルシウムが豊富に含まれています。
骨や歯にはカルシウムが含まれていますが、骨や歯も新陳代謝がおこなわれており、カルシウムが関与しています。そのため、カルシウムを補給すると骨や歯を丈夫に保つことができます。
また、カルシウムは神経の伝達が正しくおこなわれるように働き、興奮や緊張をやわらげてストレスを緩和する働きがあります。
カルシウムの吸収率を上げるビタミンDと一緒に摂取するのがおすすめです。ビタミンDは、きのこ類や鮭に多く含まれているため、きのこととろろ昆布の「和え物」や「味噌汁」、「炊き込みご飯」などにしていただきましょう。
ダイエット効果
とろろ昆布は、低カロリーで低糖質なので、ダイエット中でも気にせず食べることができます。
水溶性食物繊維であるアルギン酸やフコイダンは水に溶け込むため、摂取した食べ物を抱え込んでゆっくりと小腸に移動し、食後の血糖値上昇を緩やかにします。
食後の血糖値上昇が抑えられることで、過剰なインスリンが分泌されないので、体に脂肪がつきにくく、ダイエットにも効果的です。
また、食物繊維は満腹感も得られやすいため、食べ過ぎの予防にもなります。特に、汁物に加えると膨らんで満腹感を得やすいのでおすすめです。
美肌・美髪効果
とろろ昆布には、豊富なヨウ素が含まれています。
ヨウ素は、交感神経に働きかけることで基礎代謝を上げる働きがあります。全身の基礎代謝が上がるので、髪や肌の生まれ変わりが活発になり、美肌・美髪効果が期待できます。
また、ヨウ素は色素細胞のメラノサイトの働きを高めて、メラニン色素を増やすため、白髪の予防にも効果的です。
腸内環境をきれいに
とろろ昆布には、水溶性食物繊維のアルギン酸やフコイダンが含まれています。
水溶性食物繊維は、腸で水に溶けてゲル状になり、有害物質を吸着して便として体の外に出す働きがあります。そのため、便秘の解消に役立つだけでなく、肌荒れや体調不良の予防、代謝を上げて痩せやすい体づくりにも効果的です。
また、水溶性食物繊維は腸内細菌のエサとなり、善玉菌を増やすのに役立ちます。そのため、乳酸菌を含むヨーグルトや味噌、漬物、キムチ、納豆菌を含む納豆と組み合わせて食べると、さらに腸内環境を整える効果が高くなります。
貧血予防
とろろ昆布には鉄が含まれているため、貧血予防にも効果的です。ですが、吸収率は5%ほどで、肉などに含まれる鉄よりも吸収率が低いのが特徴。
ビタミンCや動物性たんぱく質など、鉄の吸収を上げるものと組み合わせて食べるようにしましょう。
ビタミンCが多い食材
レモン、パプリカ、ピーマン、ブロッコリーなど
動物性たんぱく質
赤身肉、魚類など
美容や健康に役立つ、とろろ昆布の食べ方
アルギン酸やフコイダンは、糖や脂質の吸収を抑える働きがあるため、食事の前に摂取しておくのがベスト。また、食前に食べておくことで、食事中の水分を吸って膨らみ、満腹感を得やすくなるため、食べ過ぎを防ぐことができます。
また、カップ麺やカップうどん、そばなどにもとろろ昆布をプラスすれば、食物繊維やミネラル類を手軽に摂取でき、バランスのとれた食事に早変わりさせることができます。
注意点として、ヨウ素のとりすぎは甲状腺に影響を与えることがあるため、1日3g程度を目安に食べるようにしましょう。
美容や健康にさまざまな効果をもたらす、とろろ昆布。ジッパー袋やタッパーにとろろ昆布をいれて持ち運べば、外出先でもとろろ昆布を食べることができますよ。
ぜひ、とろろ昆布を毎日の食事に取り入れてみてくださいね!