発酵性食物繊維とは?
食物繊維には、大きく分けて「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」の2種類があります。「発酵性食物繊維」とは、「水溶性食物繊維」の大部分と、「不溶性食物繊維」の一部を指します。
「発酵性食物繊維」は、大腸で発酵して「短鎖脂肪酸」を作り出す食物繊維のことで、「短鎖脂肪酸」は全身に運ばれて体に良い働きをしてくれます。
「短鎖脂肪酸」とは
短鎖脂肪酸とは、「酪酸」「プロピオン酸」などのことをいい、
- 腸内を弱酸性に保つ
- 腸のぜん動運動を活発にする
- 腸の粘膜のエネルギー源になる
など、腸内環境を整えるためのさまざまな働きをしてくれるため、短鎖脂肪酸を増やすことが「腸活」のポイントといえます。食物繊維を積極的に摂ることで便通も良くなるため、「ポッコリお腹」を解消するにも効果的ですよ。
便通が良くなることで体の老廃物を体外に排出できるため、肌のコンディションを整える効果も期待できますね。
発酵性食物繊維が含まれる食品
もち麦
水溶性食物繊維が多く含まれているもち麦は、発酵性食物繊維を摂るのにおすすめです。
もち麦には「βグルカン」という水溶性食物繊維が含まれているのが特徴で、糖質の吸収を抑える働きや、腸内で善玉菌のエサになる働きがあります。
食後の血糖値上昇を抑えて過剰なインスリン分泌を抑えることができるため、体に脂肪がつきにくくなり、も期待できますよ。
特に、もち麦を朝食に摂取すると、次に食べる食事の血糖値上昇も抑える「セカンドミール効果」があると報告されているため、朝に食べるのがおすすめです。
白米にもち麦を混ぜて炊飯するだけで、米には含まれない水溶性食物繊維をたっぷり摂取することができます。米1合(200g)にもち麦50gを混ぜ、米1合分の水(200ml)と、もち麦の重さの2倍の水(100ml)を加えて炊飯すると、「3割もち麦ご飯」が出来上がります。
根菜類・豆類
ごぼうなどの根菜類、大豆などの豆類にも発酵性食物繊維が多く含まれています。
ごぼうの皮には、「クロロゲン酸」「タンニン」など、抗酸化作用をもつポリフェノール類が含まれているため、アンチエイジングにも効果的です。
根菜類は体を温める効果があるため、「豚汁」「味噌汁」にすると、効率よく体を温めることができますよ。
また、大豆には更年期の症状をやわらげる「イソフラボン」が含まれているため、特に女性は積極的に摂りたい食材です。食物繊維だけでなく、良質な大豆たんぱく質も補給できるのも嬉しいポイント。
大豆を蒸した「蒸し大豆」をサラダにプラスしたり、抗酸化作用がある「アントシアニン」を含む「黒豆」や、「納豆」も食生活に取り入れやすいので、試してみてください。
キウイ
水溶性食物繊維のペクチンが豊富に含まれるキウイは、フルーツの中でも特に発酵性食物繊維を摂るのに向いている食材です。
キウイにはビタミンCやポリフェノールも豊富に含まれているため、美肌づくりにも効果的な食材です。美肌づくりには、睡眠中に分泌される「成長ホルモン」も関与していますが、ビタミンCとあわさることでコラーゲン生成が促進されるため、夜にキウイを食べるのがおすすめ。
また、腸の活動も夜に活発になるため、夜に発酵性食物繊維を取り入れると便秘解消効果が高くなりますよ。
キウイはフルーツの中でも糖質やカロリーが少ないため、夕食や寝る前に食べても罪悪感が少ないという点も、嬉しいポイントかと思います。
ブロッコリー
ブロッコリーも水溶性食物繊維が多く、発酵性食物繊維を取り入れるのに向いている食材です。
ブロッコリーは食物繊維だけでなく、ビタミンCやビタミンE、βカロテン、カルシウム、カリウムなど、普段の食事で補いにくいビタミン・ミネラル類が豊富に含まれています。抗酸化作用があるビタミン類を多く含むため、美肌づくりにも効果的です。
他にも、葉酸や鉄、ビタミンB12も含まれているため、貧血予防にもおすすめです。鉄はビタミンCと一緒に摂取すると吸収率が上がるため、レモンや柚子の皮と組み合わせて調理しましょう。
また、ブロッコリーの茎の部分にも食物繊維が豊富に含まれているため、薄くカットして調理すると良いですよ。
いかがでしたでしょうか?
腸活には、短鎖脂肪酸を作り出す発酵性食物繊維を意識して取り入れることがポイントです。発酵性食物繊維は、毎日の食事に取り入れやすい食材にも含まれているため、ぜひ試してみてくださいね。