ダイエットやボディメイク効果につながる「スクワット」のフォーム
まずは「スクワット」のフォームをおさらいしておきましょう。
- 肩幅もしくは肩幅よりもやや広めに足幅を広げ、つま先はやや外側に向けておきます。
- 両手を頭の後ろに組んで胸を張り、お尻を軽く後ろに突き出して、目線は正面に向けるようにします。
- 息を吸いながら、その突き出したお尻を膝もしくはそれよりもやや低い位置までゆっくり下ろしていき(写真左)、息を吐きながら立ち上がる動作(写真右)を繰り返します。そうすることでお尻の筋肉である「大殿筋」と、太ももの筋肉である「ハムストリングス」と「大腿四頭筋」に効かせることができます。
抵抗を受け止めるようにゆっくり下ろすようにすることで、ターゲットとなる筋肉に十分な刺激を与えることができ、ダイエットやヒップアップ、太もも引き締めといった効果につなげることが期待できます。
スクワットでよく見られる3つの間違いと改善方法
このようにスクワットはダイエットやボディメイクに有効なエクササイズですが、効果が感じられなかったり、膝や腰への負担などを感じたりする場合、不適切なフォームで行っている可能性が考えられます。
スクワットでよく見られる間違いとして3つ挙げられます。
間違い1:膝がつま先よりも前に突き出てしまっている
スクワットを行う際、写真のように膝が大きく前に突き出ていませんか?
「スクワットをすると膝が痛くなる」という場合、このように膝がつま先よりも前に突き出てしまっているケースが考えられます。
このままスクワットを続けてしまいますと、ターゲットとなるお尻の筋肉に効かないばかりか、膝に繰り返し負担をかけてしまうことになり、膝を痛めてしまう可能性が高くなってしまいます。今すぐに改善させておきましょう!
改善方法
この場合は、お尻を後ろに引くようにすることで改善できます!お尻を後ろに引いて、そのお尻を下ろしていくようにします。
お尻を後ろに引くと「バランスを崩して尻餅をついてしまいそう…」という場合は、両腕を前に伸ばして行うか、イスを用意してその座面に後ろに引いたお尻を下ろしていくようにしてみましょう。
また、スクワットを膝の曲げ伸ばし動作で行ってしまっている場合、足幅が狭くなっていることが考えられます。そのため、足幅を肩幅よりやや広めにして行うようにしてみましょう。
間違い2:背中がまっすぐになっていない
「スクワットをした後、腰が痛くなってしまう…」という場合、考えられる問題が「背中がまっすぐになっていない」ということです。
具体的には、背中を反らせてスクワットを行っていたり(写真上)、もしくは背中を丸めて行ってしまっていたり(写真下)することが考えられます。
改善方法
そうは言っても、ご自身がスクワットを背中を反らせて行っているか、丸めて行っているかわかりませんよね。
ここでどちらのタイプでも、簡単に背中をまっすぐにしてスクワットを行えるようにするコツをご紹介しておきましょう。
それは、肩甲骨を内側に寄せて胸を前に突き出すようにすることです。たったそれだけで、背中をまっすぐにすることができるようになります!
間違い3:膝が内側に入ってしまっている
女性に多く見られるのが、上の写真ようにお尻を下ろした際に膝が足よりも内側に入ってしまっているケースです。
そうするとやはり膝への負担が大きくなってしまい、膝を痛める原因となってしまうばかりか、「X脚」を益々強めてしまうことにもなってしまいます。
改善方法
この場合、股関節の内転・内旋筋群が優位に働いていることが考えられます。股関節内転・内旋筋群の働きが強い反面、その拮抗筋となる外転・外旋筋群の働きが弱くなっていると思われます。
そこで股関節内転・内旋筋群の強い作用を抑えるために静的ストレッチを行い、股関節外旋方向への動きを高める動的ストレッチを行った上で、外旋筋群へのエクササイズを行っていきます。
1. 股関節内転・内旋筋群への静的ストレッチ
- 座位の体勢から両脚をできるだけ大きく開き、つま先を天井に向けるようにします。
- 骨盤を立てて上体をまっすぐにすることで、内ももにある股関節内転・内旋筋群がストレッチされます。
筋肉が心地よく伸ばされていることが感じられる強度で、30秒間伸ばし続けます。
2. 股関節外旋方向への動きを高める動的ストレッチ
座位で両脚を開いた体勢から、太ももを内側から外側へ捻る動作を10回繰り返します。太ももの付け根から動かすようにしましょう。
3. 股関節外旋筋群を強化するエクササイズ
- 横向きに寝た体勢から、股関節と膝を曲げて脚で「くの字」を作ります(写真上)。
- 息を吐きながら閉じていた上の膝を開いていき、お尻の筋肉が収縮していることが感じられるところで、1~3秒間静止します(写真下)。
- 息を吸いながら開いた膝を閉じていきます。
左右それぞれ15~20回を2~3セット行います。
ストレッチとエクササイズを行った上で、足幅を肩幅よりやや広めにして、スクワットを改めて行ってみましょう。すると膝が内側に入りにくくなるはずです!
「穴の空いたバケツ」に水を注ぎ続けることのないようにするために…
今回はスクワットのフォームでよく見られる間違いを3つ取り上げた上で、その改善方法をお伝えしました。
繰り返しになりますが、いくらダイエットやボディメイクに有効なエクササイズでも、不適切なフォームで行ってしまうと効果は得られないばかりか、膝や腰などを痛めてしまうことになります。“穴の空いたバケツ”に水を注ぎ続けるようなものです!
そうならないようにするためにも、ターゲットとなる筋肉にしっかり効かせ、関節への負担を感じない適切なフォームでできているかどうかを、常に確かめながらエクササイズに取り組むようにしましょう!