エクササイズをすると腰が張る理由
「エクササイズをしていて腰が張る理由」として3つ考えられます。
理由1:エクササイズフォームが不適切であること
まず考えられる理由が、「不適切なエクササイズフォーム」です。背中のラインが崩れた状態でエクササイズを行ってしまうと、腰への負担が大きくなり、腰の張りへとつながってしまいます。
例えば「スクワット」を行う際、背中を反りすぎてしまうと腰部の筋肉への緊張が強くなってしまうため、腰の張りをもたらしてしまうことになります。そのためスクワットなどエクササイズを行う際は、背中のラインをまっすぐな状態にキープするようにします。
ここで背中のラインをまっすぐにするコツを伝授しましょう。それは、肩甲骨を内側に寄せて胸を張ることです。たったそれだけで、背中のラインをまっすぐにすることができます!
理由2:体幹部の筋力が弱い
エクササイズをしていて、背中のラインが崩れやすくなってしまう理由として、体幹部の筋力が弱いことが考えられます。
ここで言う体幹部の筋肉とは、腹横筋、内腹斜筋、多裂筋などを言います。なぜならこれらの筋肉は、体幹と骨盤の安定性に関与する筋肉だからです。これらの筋肉が機能することで背中のラインをまっすぐに保つことができ、腰への負担を軽減させることができます。
体幹について詳しくは、【意外と知られていない「体幹エクササイズ」の基礎知識】でお伝えしておりますので、こちらをご参照ください。
理由3:股関節の可動域が狭い
そして考えられる3つめの理由が、股関節の可動域が制限されていることです。
ではなぜ股関節の可動域が制限されると、腰が張ってしまうのでしょうか。股関節の可動域が制限されてしまって十分に動かなくなると、その動きを腰が代償してしまうことになるからです。
例えば「ヒップリフト」というエクササイズは、股関節を伸ばす動作を繰り返すことで、お尻の筋肉である大殿筋に効かせることができ、ヒップアップ効果が期待できます。しかし、「股関節を伸ばす」という動作が制限されてしまうと、腰を反らすことで動作を代償してしまい、それが腰の張りへとつながってしまいます。
今回は3つめの理由である「股関節の可動域の制限」をクリアさせるために行っておきたい、股関節ストレッチをご紹介していきます。
「エクササイズをすると腰が張る」という問題を解決に導く「股関節ストレッチ」
それでは、「エクササイズをすると腰が張る」という問題を解決させるために行っておきたい股関節ストレッチをお伝えしましょう。
ここでご紹介するストレッチは、ヨガマット1枚分のスペースさえあればできるものです!フローリングの床の上で行う場合は、ヨガマットもしくは大きめのバスタオルを敷いてその上で行うようにしましょう。
ストレッチは股関節を回すもの以外はいずれも、筋肉が心地よく伸ばされていることが感じられる強度で、30秒間伸ばし続けるようにします。そうすることで筋肉の緊張を緩めることができます。
1. 腸腰筋へのストレッチ
- 脚を前後に大きく開き、前脚は膝を立てて後ろ脚は後方へ伸ばすようにします。
- 立てた膝の上に両手を添えて、重心を上体の真下に下ろし、骨盤を後傾させることで、後ろ脚の太もも付け根前面にある腸腰筋がストレッチされます。
ポイント
骨盤を後傾させるだけで、腸腰筋をしっかり伸ばすことができます。骨盤を後傾させるコツは、目線をお腹に向けるようにすることです。
注意すべき点
ストレッチ中は、骨盤を正面に向けるようにしましょう。
2. 大殿筋へのストレッチ
- 仰向けになり、脚で「4の字」を作り、下になっている膝を立てます。
- 立てた膝の裏側に両手を回し、脚を胸に引き付けるようにすることで、お尻の筋肉である大殿筋がストレッチされます。
余裕があれば、膝裏に回していた両手を膝下に回してみましょう。そうすることでストレッチ感がアップします。
ポイント
足首をわきの下に入れるイメージでストレッチすると、大殿筋へのストレッチ感がアップします。
注意すべき点
ストレッチをする際は、頭を持ち上げないようにしましょう。
3. 大腿筋膜張筋へのストレッチ
- 立位の体勢から、ストレッチをする方の脚を一歩後ろに引いて反対側の脚とクロスします。
- ストレッチをする側と反対側の手を骨盤横に添えて、そのまま骨盤を横に押し出すようにする(写真赤矢印参照)ことで、骨盤から大腿部外側を走行している大腿筋膜張筋がストレッチされます。
ポイント
骨盤を横に突き出して「くの字」を描くようにします。そうすると、大腿筋膜張筋へのストレッチ感がアップします。
注意すべき点
ストレッチ中は、骨盤を正面に向けるようにしましょう。
4. 股関節内転筋群へのストレッチ
- 両脚をムリのない範囲で開き、骨盤を立てるように上体を起こして背中をまっすぐに伸ばします。
- 背中をまっすぐに伸ばしたまま上体を前に倒していくことで、内ももの筋肉である股関節内転筋群がストレッチされます。
ポイント
つま先を天井に向けるようにすることで、股関節内転筋群へのストレッチ効果を高めることができます。
注意すべき点
背中が丸まらないようにしましょう。 背中を丸めてしまうと、股関節内転筋群ではなく、背中の中部が伸ばされることになってしまうからです。
5. 股関節回しストレッチ
文字通り、股関節を回す動作を繰り返すストレッチです。
膝で円を描くように内側へ5回回したら(写真青矢印)、次いで外側へ5回回す動作(写真赤矢印)を、上の写真のように横向き、仰向け、四つん這いそして立位で行っていきます。
同じ「回す」という動きでも、体勢を変えることでストレッチで使われる筋肉が変わってくるようになります。立位の姿勢で股関節を回す際は、壁や柱などにつかまりながら行っても構いません。
ポイント
回す動きを、少しずつ大きくしていくようにすることが可動域を高めるコツです。
注意すべき点
ストレッチ中は、骨盤を動かさないようにしましょう。
ストレッチを行う上での注意点
最後にストレッチを行う上での注意点をお伝えしておきましょう。
これらのストレッチをより効果的に行うには、カラダを温めた上で行うようにしましょう。そうすることで筋肉が伸ばしやすくなり、筋肉を痛めるリスクを少なくしたうえで緊張を緩めることができるからです。
そのためカラダを動かして汗ばんだタイミングで行うのがお勧めですが、入浴後のタイミングでも構いません。但し、その場合はカラダの芯まで温める必要があるので、40度程度のお湯に最低10分間は浸かるようにしましょう。
早速トライしてみてください!