「下半身太り」が起こるメカニズム
まずは下半身太りはどのようにして起こるのか、そのメカニズムに触れておきましょう。
下半身太りが起こる原因として、「骨盤の開き」が考えられます。「骨盤が開く」とは、本来逆三角形のような形をした骨盤が、台形のような形になっている状態を言います。
具体的には、骨盤上部にある腸骨が閉じて、骨盤下部にある坐骨や恥骨が外に開いた状態になります。すると、大腿骨も外に開きやすくなります。これがいわゆる「O脚」と言われる状態です。
そうなると骨格に歪みが生じるので、血液やリンパの流れが悪くなり、老廃物や不要な水分が排出されずに体内に留まってしまった結果、「むくみ」が生じます。不要な水分が体内に溜まってしまうと冷えやすくなるので、脂肪が蓄積しやすくなってしまいます。
更に、行き場を失った老廃物が皮下脂肪組織の周りに付着して、皮下脂肪が肥大化します。これが「セルライト」です。
下半身太りはこのようにして起こると考えられます。
下半身痩せに有効な2つのエクササイズ
下半身太りを引き起こしている骨盤の開きは、先程お伝えした通り、骨盤上部にある腸骨が閉じて、骨盤下部にある坐骨や恥骨が外に開いた状態です。坐骨や恥骨が外に開いているということは、内ももの筋肉である股関節内転筋群やお尻の筋肉である大殿筋が緩み、収縮力が低下した状態と言えます。
そのため、骨盤の開きを改善し下半身痩せにつなげるためには、股関節内転筋群と大殿筋の筋力を強化するエクササイズが有効と言えます。具体的には、股関節内転筋群強化に効果的で、トレーニングツールなしでもできる「ワイドスタンス・スクワット」と、股関節内転筋群と大殿筋を強化できる「ボール挟み」という2つのエクササイズが挙げられます。
(1)内ももを引き締める「ワイドスタンス・スクワット」
- 左右の足を底辺として正三角形を作り、つま先はやや外側に向けて立ちます。
- 両手を頭の後ろに組んで胸を張り、目線は正面に向けるようにします。息を吸いながらお尻をゆっくりと膝の高さ(写真赤線)よりも下に位置するまで下ろしていき、息を吐きながら立ち上がる動作を繰り返していきます。
足幅を大きく広げることで、股関節の「開いて閉じる」動きが強調されるので、内ももの筋肉である股関節内転筋群に効かせることができ、内もも引き締め効果が期待できます。
10回を1分間の休憩を入れながら、5セット行ってみましょう。
ポイント
股関節内転筋群に効かせるポイントは2つあります。
1つはお尻をできるだけゆっくり下ろしていくことです。そうすることでターゲットである股関節内転筋群が伸ばされながら収縮することになり、筋肉に大きな刺激を与えることができるからです。
もう一つは、お尻を膝の高さよりも下になるまで下ろすことです。運動範囲が広くなることで、股関節内転筋群への刺激が大きくなるからです。
注意すべき点
エクササイズ中は、膝とつま先が同じ方向を向くように心がけましょう。
膝がつま先に対して内側に入ってしまうと、脚の歪みを大きくしてしまう上、膝への負担が大きくなってしまいます。
(2)内ももとお尻の筋肉に効く「ボール挟み」
- 内ももに小さなエクササイズボールを挟み、左右のかかとを付けてつま先を最大限に外側に開くようにします。
- 息を吐きながらボールをしっかりと挟み(写真赤矢印参照)、息を吸いながら緩めていく動作を繰り返します。
このエクササイズを行うことで、内ももの筋肉はもちろんのこと、お尻の筋肉にも効かせることができます!小さなエクササイズボールがない場合は、クッションや枕などで代用しても構いません。
10回を1分間の休憩を入れながら、3セット行います。
ポイント
左右のかかとをしっかり付けて、つま先をできるだけ大きく外側に開くようにすることです。そうすることでお尻の筋肉に効かせることができます。
注意すべき点
エクササイズ中、膝は伸ばしたままで行うようにします。
ボールを挟む際、呼吸が止まらないようにしましょう。
エクササイズを続けるコツ
今回は下半身痩せに特に有効と言える2つのエクササイズを取り上げてみました。この2つのエクササイズを続けることで、下半身太りをもたらす骨盤の開きを改善させることができ、下半身痩せ効果が実現できます。
個人差がありますが、エクササイズを週1~2回行うことで、2~3ヶ月で効果が現れます。
しかし、どんなに有効なエクササイズでも、やはり続けなければ効果は得られません!エクササイズを続けるためには、「どのような下半身を目指したいのか」、「下半身痩せに成功したら何がしたいのか」ということをできるだけ明確にしておくことが大切です。目指す方向性が明確になると、エクササイズに対するモチベーションを高めることができると言えるからです。
下半身痩せ、お腹痩せ、ダイエットなどどんな目的であれ、まずはゴールを明確に設定するところから取り組んでみましょう!