誘導体って何!?簡単にいうと…?
化粧品の成分で、よくビタミンCやビタミンEの誘導体、と目にしますよね。そもそも、誘導体とは何なのでしょうか?
簡単にいうと、「ビタミンに分子をくっつけたもの」です。なぜ分子をくっつける必要があるのでしょうか?
例えばビタミンC誘導体についてですが、ビタミンCは抗酸化作用があり、とても肌に良いですよね。しかし、ビタミンCはとても不安定なビタミンです。(※この純粋なビタミンCを「ピュアビタミンC」という)
容器の中で分解してしまったり、ビタミンCの持つ効果を発揮できなくなります。そうした理由から、マグネシウムなどをビタミンCにくっつけることで、安定性を持たせます。ビタミンCからビタミンC誘導体にすると、安定したビタミンCを保つことができるわけです。
ビタミンの中には、このように誘導体になっているものがいくつかあります。今回は、特に肌に良いといわれているビタミンC誘導体について、詳しく解説していきます!
ビタミンC誘導体には種類がある!?ピュアビタミンCとビタミンC誘導体の違いとは!?
ビタミンC誘導体には大きく分けて3種類あります。
水溶性
具体的な成分名は「リン酸アスコルビン酸マグネシウム」「リン酸アスコルビン酸3Na」です。
特徴は、
- 水に溶けるので、ローションなどに多い
- 即効性は高い
- 効果の持続は約12時間
- 肌への浸透力はピュアビタミンCの約8倍
- リン酸アスコルビン酸マグネシウムの価格はやや高く、肌への刺激は弱い
- リン酸アスコルビン酸3Naは、価格は安く、肌への刺激はやや強い
価格も安く、効果が出るのが早いため、よく使用されています。即効性はリン酸アスコルビン酸マグネシウムのほうが高いといわれています。
脂溶性
具体的な成分名は「テトライソバルミチン酸アスコビル」です。
特徴は、
- 脂溶性なのでジェルやクリームに多い
- 即効性は低い
- 効果の持続は約24時間
- 肌への浸透力はピュアビタミンCの約20倍
新型
成分名は「パルミチン酸アスコルビン酸3Na」です。
特徴は、
- 水溶性と脂溶性をあわせもち、ローションなどに使われている
- すべての肌質の人に対応、浸透性が高い
- 浸透力はピュアビタミンCの約100倍
- しみやしわがある真皮にまでビタミンCを届けることができるという報告も
- 新しいため、臨床試験データが少ない
新型だけに、まだ分かっていないこともあるようですが、既にその効果に期待されているようです。すべての肌質の人で効果があり、肌への浸透力は他に比べて抜群に高いためです。
新型ビタミンC誘導体が化粧品に含まれるのは、だいだい0.1%~1%とのこと。1%含んでいるものがあれば、高濃度ということになります。
弱点は、他と比べるとやや安定性が劣ること、価格が高いこと。
ピュアビタミンとビタミンC誘導体、目的別に使い分けよう!
例えば、即効性が欲しい場合には、水溶性ビタミンC誘導体が向いていますよね。
即効性よりも、時間をかけて持続的に肌にビタミンCの効果を持たせたい場合、脂溶性ビタミンC誘導体が向いています。
新型ビタミンC誘導体は、臨床試験データ数も少ないですが、多くの化粧品で使用されています。効果は抜群なので、商品を手に取る際は何%含まれているのか、意識してみても良いかもしれませんね!
このように、同じビタミンC誘導体でも詳しくみると特徴にかなり差があること分かります。
ビタミンCは濃度が高い商品がおすすめ!?
濃度が高ければ高いほど、効果があると思いますよね。ビタミンC誘導体の効果をはっきりと感じられる濃度は、一般的には3%以上といわれています。
皮膚科で処方される医療用のものでは5~6%程度のものが多く、エステで使用する場合は7%が一般的です。逆に、10%以上であると刺激が強すぎるといわれています。
濃度が高ければ良い、というわけではないんですね。
誘導体にすることで、実際はビタミンC濃度が下がることも
例えば、ピュアビタミンCが10%の化粧品と、ビタミンC誘導体が10%の化粧品では、もちろんピュアビタミンCが10%のほうがビタミンCが多いですよね。
また、美肌効果を発揮するには、誘導体の部分が切れてビタミンCの形になる必要があります。したがって、濃度の高い誘導体入りのものを使用しても、効果はそれほど…という場合もあります。
どの種類のビタミンC誘導体を使うのか、濃度はどれくらいなのか。体質や肌質は人それぞれです。数あるビタミンC入りの商品から、自分に合ったものを使うのが一番ですね!
まとめ
いかがでしたでしょうか。
何気なく使っている、ビタミンの誘導体。特にビタミンC誘導体はさまざまな商品に使われています。
ビタミンC誘導体にもいくつか種類があり、はたらきも異なります。何を目的に使うのか、考えながらビタミンC誘導体も選びたいですね!