なぜ食後すぐに歯を磨くのがよくないの?
食事をした後は食べ物に含まれる糖分や、酸性の食べ物などに細菌が反応して酸を作り、口の中は一時的に酸性の状態になります。そして酸性になった口の中では、歯の表面のエナメル質と呼ばれるものが一時的に柔らかくなっています。
そのやわらかい状態で歯磨きをすると、歯ブラシで擦られることによりエナメル質が傷ついてしまうのです。
エナメル質とは?
今皆さんの歯の表面にある目に見えているツルツルしている部分が、エナメル質と呼ばれている部分です。
エナメル質は、歯全体的をコーティングして守り、白い歯に色がついて黄ばんでしまうのを防いだり、虫歯になるのを防ぐ役割があります。歯にとって、とても大切な部分です。
エナメル質が傷つくとどうなるの?
エナメル質が傷つくといってもイメージが湧きませんよね。傷ついた状態では、先程ご説明したエナメル質の役割を果たせなくなるので、歯が黄ばんでしまったり、虫歯になりやすくなってしまいます。見た目でもツルツル感がなくなり、ツヤのないくすんだ状態になってしまうのです。
さらに炭酸飲料を毎日かなりの量を飲む方は、常に口の中が酸性の状態のため、エナメル質が常に柔らかく、傷つき歯が溶けていくことも。大事な歯が溶けてしまっては取り返しがつきませんよね。一切飲まないのは中々難しいとは思いますが、量を控えることは歯にとって大切なことなのです。
いつ磨くのがいいの?
食後はエナメル質が柔らかく傷つきやすいのでは、どうしていいかわかりませんよね?すぐ磨かないと余計に虫歯になる気もしますよね。
でもご安心下さい。食後すぐは酸性になっているとお伝えしましたが、その状態の時は消化を助けるため唾液の量が増え、唾液に含まれる成分によって徐々に約30分で元の硬い状態に戻されます。
なのでエナメル質は日々柔らかくなっている状態と、元の状態に戻ることを繰り返しているのです。食後30分後、エナメル質が元の状態に戻った時に磨くのがいいタイミングです!そうすれば歯ブラシによりエナメル質が傷つくことを防げるのです。
しかし30分あけなければいけないからと言って、いつまでも磨かないのは逆効果。食べかすなどの汚れはちゃんと落とさなければ、虫歯の原因にもなります。ですので、食後は30分を目安に歯を磨くように習慣付けましょう!
30分後に磨けないときはどうしたらいい?
仕事で忙しかったり、お出掛けをしていたりなど、なにかの理由でどうしても30分もあけて磨けなかったりする状況はありますよね。
そんなときはガムを噛むことがおすすめです!食後にガムをよく噛んでください。ガムを噛んで唾液の量が増えることにより、酸性の状態から早くもとの状態に戻すことができます。
フッ素入りのガムを噛むようにするとさらに効果的です。フッ素はエナメル質を強化し、虫歯予防にもなります!ですが、食事をした後の汚れは落ちていないので、その後はきちんと歯磨きをして、汚れを落とすことをお忘れなく。
いかがでしたか?
食後はすぐに磨かなければと思いがちですが、できれば30分あけるよう心がけて下さい。習慣付けば特に難しいことではありません。もちろん忙しい朝は30分も待っていられませんが、少しでも間をあけるよう心がけるだけでも違いはあります。どうしても心配な方は、食後にガムを噛む習慣をつけてみてはいかがですか?
そして歯磨きはとても大切なので、30分後にはしっかりと汚れを落とし、健康な歯を保ちましょう!