海外メディアUploadVRは、2017年4月4日の記事において、Samsungが「Daydream Ready」スマホをリリースする可能性について考察した記事を掲載した。
DaydreamパートナーでもあるSamsung
2017年4月21日、Samsungはワイヤレスリモコンが使える新型Gear VRに対応したスマホ最新機種Galaxy S8を発売する。
Gear VRは、周知の通りスマホを使いながらも、VIVEやOculus Riftのようなハイエンド型VRヘッドセットに準じるVR体験が可能な「ミドルクラス」VRヘッドセットだ。
同VRヘッドセットがはじめてリリースされた当時こそ、唯一無二なミドルクラスVRヘッドセットだったものも、現在は違う。というのも、同一のプロダクト・カテゴリーにDaydream Readyスマホが存在しているからだ。
実のところ、SamsungはDaydreamのパートナーシップ企業であることはあまり知られていない(下の画像参照)。だがしかし、同社がDaydreamに対応するような情報は、今のところ一切ない。
海外メディアUploadVRは、Galaxy S8のリリースを控えている同社に対して、今後Daydreamに対応するような予定はあるのか、と尋ねたところ、以下のようなコメントが返って来た。
私たちは、今までもずっとGoogleの強力なパートナーシップを結んでおり、多くの局面において協力関係にあります。
(今後、Daydreamに対応するかどうかに関しては)新しい情報をリリースするまで、しばらくお待ち下さい。
以上のコメントを聞く限りでは、同社はDaydreamに対応する可能性を排除していないようだ。
「Gear VR & Daydream」スマホが「現状は」ない理由とは?
とはいうものも、現状ではSamsung製Daydream Readyスマホは存在しない。
「Samsung製Daydream Readyスマホ」が存在しない理由として考えられるのは、Gear VRに技術提供を行っているOculus社が難色を示している、ということが想定できる。
だが同メディアは、この理由を否定している。というのも、同メディアはDaydreamの発表があった後の2016年8月、Daydreamに関してOculus社の幹部Nate Mitchellに問い合わせたところ、Oculus社はSamsungのDaydream対応に影響を与えられるほどの強力なパートナーシップ関係にはない、と述べているからだ。
もうひとつの理由は、「Gear VR & Daydream」というマルチプラットフォームなスマホの開発が技術的に困難である、というものだ。この理由は、極めてもっともらしく感じられる。
もっとも、「現状は」困難であっても「将来は」可能となることも考えられる。
例えば、ZTE製フラッグシップ・スマホ「Axon 7」は、OSアップデートによりDaydream Readyスマホになったという例もある。
SamsungがDaydream Readyスマホをリリースする意義
技術的に可能になったとして、そもそもSamsungがDaydream Readyスマホをリリースするメリットはあるだろうか?
言うまでもなく、DaydreamはミドルクラスVRヘッドセットにおけるGear VRのライバルである。Gear VRがDaydreamにも対応するのは、ライバルの軍門に下るという側面があるのは否めない。
結局のところ、Daydream Readyスマホを開発するメリットは、プラットフォームを持ち合わせていないサードパーティ・メーカーが低コストにVR市場に参入できることろにあるのだ。翻って、すでにGear VRというプラットフォームを持っているSamsungがDaydream対応するメリットはあまりない。
まとめると、たとえ技術的に可能であっても「Gear VR & Daaydream」スマホがリリースされることはないだろう。ちょうど「iOS & Android」スマホが決してリリースされないように。
もっとも、VRユーザーにとっては、「Gear VR & Daaydream」スマホはまさに夢のスマホである。こうした「夢のスマホ」が現れる嬉しいサプライズを信じるだけなら罪はないだろう。
Samsungが「Daydream Ready」スマホをリリースする可能性について考察したUploadVRの記事
https://uploadvr.com/samsung-s8-daydream-non-answer/
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