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歩行型VRデバイス「Virtuix Omni」のVirtuixがHTCと正式に提携


Omni


VR空間では頭を動かして向きを変えることができる。手に持ったコントローラーを操作すればゲーム内の道具を使うことができる。しかし、多くのVRタイトルではプレイヤーキャラクターの移動にアナログスティックやコントローラーのボタンを使う。


プレイヤーの動作とプレイヤーキャラクターの動作に生じるズレは、VR酔いの原因とも言われている。シンプルにVRへの没入感を高めるためにも自分の足でVR空間を移動できるのが理想だが、それを実現するのはなかなか難しい。


ルームスケールトラッキングやVive Trackerなどを利用したフットトラッキングは一つの答えになるかもしれないが、プレイ中に大きく動くと周囲のものにぶつかってしまう危険がある。また、広いプレイエリアが必要になるのも難点だ。


こぅした問題を解決してくれる(かもしれない)VR関連機器が「Virtuix Omni」だ。プレイヤーの身体は固定されているので安全だし、自由に動き回れるプレイエリアを確保するよりはVirtuix Omniを置く方が場所も取らない。


歩行型VRデバイス「Virtuix Omni」



Virtuix Omniは、プレイヤーが歩く動作をそのままVR空間の移動に変換してくれるマシンだ。360度あらゆる方向に向かって移動できるランニングマシンのようなものだと考えると、イメージしやすいだろう。プレイヤーはこの上で方向転換し、歩く・走るといった動作をすることでキャラクターを操作する。


VR空間での移動を入力する方法としては、一つの完成形と言える存在だ。見た目に不格好ではあるが、体験の深さや技術的な制限などの要素を考えれば現段階でこれ以上のものを作るのは難しいだろう。


海外配送の断念


このVirtuix OmniはかつてクラウドファンディングサイトKickstarterで開発資金を集めており、100万ドル(1.1億円)以上の支援を受けることに成功していた。世界中からこのVRデバイスに対する援助が集まっていたのだが、開発を続けるうちに本体が大きく、複雑な製品になってしまった。


そのために国際配送に必要なコストや法的制限の問題が発生し、VirtuixがOmniの海外配送を断念したという経緯がある。これは昨年12月の話だ。


eスポーツタイトルタイトル『Omni Arena


Virtuix Omniは一般ユーザにとって購入できないデバイスとなってしまったが、これはあくまでも配送の問題が理由だ。開発自体が中止されてしまったわけではなく、商業施設向けのデバイスとして開発が続けられ、対応コンテンツも制作された。


それが『Omni Arena』だ。Omni Arenaはeスポーツ化を意識したVRゲームであり、実際のスポーツが行われるアリーナのようなステージを舞台にしている。Omniを使って走り回り、ロボットの攻撃から各所に設置されたパワーコアを防衛するのが目的だ。


Virtuixの創設者は、2017年末にこのタイトルの世界大会を開催する計画があるともコメントしていた。


Virtuix Omniのこれから


パートナーシップ契約を発表


HTCとのパートナーシップ契約


Virtuixは、先週中国で開催されたVive Ecosystem Conference 2017の中で、同社がHTCと正式にハードウェアパートナーとしての契約を結んだことを明らかにした。


ここで発表されたハードウェアパートナー契約がもたらすものは、明らかにされていない。「この契約によって、OmniのハードウェアやOmni対応コンテンツの制作においてHTCとさらに緊密に連携することが可能となる」というのがその説明だ。


VirtuixはOmniを一般ユーザが家庭で利用する製品として開発していたが、最近になって商業施設向けに方針を転換した。HTCと協力して、Viveを使ったVRアーケードにOmniを普及させていくのかもしれない。


人気タイトルのOmni対応


Omniでプレイしたいと思わせる人気タイトルが少ないことも、Omniが抱える課題だ。Omni Areanはeスポーツを志向しているため、カジュアルなゲーマーにとってはとっつきにくい。簡単に楽しめる人気タイトルがほしいところだ。


HTCとのパートナーシップ契約に加えて、VirtuixはOmniにゾンビシューター『Arizona Sunshine』が登場することも発表した。SteamVRで最も高い評価を獲得しているVRゲームの一つ、Arizona SunshineをプレイできるとなればOmniに興味を持つゲーマーも多いのではないだろうか。


他にも、ホラーゲーム『The Bellows』とカートゥーン調のFPS『Quell 4D』がOmniへの対応を予定している。


 


サイズや価格の問題もあって、家庭向けとは言えないOmni。商業施設用と考えれば、対応するVRタイトル次第で十分な集客力を発揮するだろう。家庭ではできない、VRアーケードならではのVR体験をもたらす装置として活用されていくと思われる。


「Omniが気になるけれど、大きくて高いから買えない」と思っていたユーザも、アーケードでOmniを体験できそうだ。アジア地域での展開に力を入れるHTC自身も関わっているので、日本にも上陸してくれることを期待したい。


 


参照元サイト名:Road to VR

URL:http://www.roadtovr.com/virtuix-omni-vr-treadmill-get-arizona-sunshine-support-partners-htc/





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